(3)方針・目的の一体化
先ず、方針とは何かということですが、組織には企業理念又はミッションがあって、ここからビジョンが作成され、ビジョンを達成するための中期的な戦略課題として経営方針が出てくる。
その経営方針の中には、品質方針、環境方針、労働安全方針・・・等が出てくる。
ここでの検討事項は、これらを、一体化した方がよいのかどうか。一体化するとした場合どのようにしたらよいかという問題です。
一体化のメリットは、方針が一つの流れとして展開できる。もともとコアの業務プロセスを実行する部門では、一体となった活動を行っているので効率的です。
一体化のデメリットは何かというと、品質管理、環境管理といった個別の機能別管理組織になっている場合、機能別管理がやりにくいということです。特に化学工場のように、リスク管理を要する重要な環境問題が潜在化している場合は、一体化したために方針が薄められて伝達されるという弊害が出るかも知れません。
しかし、機能別管理体制がとられていない組織では、一体化した方が効率的でしょう。
方針の一体化の方法としては、バランススコアカードの考え方を活用する方法があります。
バランススコアカードとは、ハーバード大学教授のKaplan氏とNorton氏の企業活動の評価指標に関する研究に基づくもので、立案した戦略を合理的に組織内に展開する手法です。アメリカでは1990年代、日本では2000年代に入って主要企業に取り入れられています。
事業活動の評価指標する4つの視点:
①財務の視点 (株主をいかに理解するか)
②顧客の視点 (顧客をいかに理解するか)
③業務の視点 (成功のためにはどのような業務に優れていなければならないか)
④学習と成長の視点 (変化し、向上し続けていくためにはどうすればよいか)
ここで、上位にあるもの(財務)は短期的な結果、下位になる(学習)ほど長期的な結果を示す指標となり、これらのバランスに配慮しながら、部門目標→社員のアクションプランへと展開していきます。
この4つの視点に環境を加えた、5つの視点として方針を一体化します。
以下に事例を示します。
なお、この例では、業務の視点の箇所を「プロセスマネジマント」としか記述していませんが、実際は顧客満足を向上し、事業収益を向上するための戦略課題をもっと具体的に記述するのがよいと思います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
経営方針
社長の経営理念のもと、当社の経営ビジョンを以下のように定める。
「当社とかかわるすべての利害関係者との良好な関係を築き、社会に存在価値を認められる企業をめざす」
この経営ビジョンを達成するため、法令、規制、社会規範を遵守することは当然のこととして、以下の事項について目標及び運用プログラムを作成・実践し、マネジメントシステムの有効性を継続的に改善します。
1.事業収益目標の設定と達成
各期ごとに売上目標と粗利高目標を設定し達成に努めます。
2.顧客満足度の向上
顧客ニーズの理解に努め、期待に応えた製品を安定供給し、顧客満足度の向上
を目指します。
3.プロセスマネジメント
主要プロセス及びプロジェクマネジメントの効率と効果を向上します。
4.環境保全及び汚染の予防
環境法規制及び他の関連基準の遵守に努めるとともに、以下のテーマを定め
汚染の予防に努めます。
(1) 電力使用量の低減
(2) 廃棄物の削減及びリサイクル化
(3) 環境適合設計の推進
(4) 油等の漏洩の防止
5.人々の参画
スタッフ各人のスキルの向上に努めるとともに、マネジメントへの参画を進めます。
20○○年○月○日
代表取締役社長 ○○ ○○
――――――――――――――――――――――――――――――――――
| 固定リンク

コメント