(4)方針展開の手順の統合
方針の一体化をするか、しないかに拘わらず方針展開の手順の統合は効果があります。
ISO9001の方針展開の手順よりも、ISO14001の方針展開の手順の方が、格段にパフォーマンスの向上を図るための工夫が織り込まれています。
ISO9001では、方針から部門及び階層で目標(objectives)を設定することが要求されています。
一方、ISO14001では、方針から部門及び階層で 目的(objectives)を設定し、目的(objectives)から目標(targets)を策定する。また、目的、目標を策定するときに、達成手段を洗い出して、テーマの重要性、技術上の難易度、投資効果などを考慮して達成可能な手段を選び数値目標を定めるように要求されています。
ISO9001には、このようなステップが欠けているために、方針展開を行うときに夢のような目標を定めたり、或いは手段が不明確なままに、上位目標数値を下位に割り付けるという方針展開が横行しているようです。 当然のことながら、結果としては目標未達、期末には、このままでは不適合となるので、言い訳に分析資料を作る。といった無駄な作業を行っている場合が多々あるのではないでしょうか。
ここでは、下図のようにISO14001の方針展開の手順に統合することで、そのような無駄が排除でき、また着実に改善活動が進むようになります。
この手順では、目的や目標を設定するときには、事前に手段が洗い出され、可能性が検討されてから目標数値が決定されているということです。
ISO9001で良く間違えるのは、目標をあるべき姿に設定していることです。目標は達成可能な数値であって、あるべき姿ではない。 また、達成可能な数値とあるべき姿の間は、課題であって、この課題をどうするかがマネジメントレビューのテーマで、そのアウトプットがISO9001 5.6.3でいう「資源の必要性」となる。
しかしながら、実際の現場では方針展開を行うのは期末の僅かの期間に制約され、手段を洗い出している時間的な余裕などないに等しい。これまでと同じやり方でやっていてはできません。継続的改善を部門活動でやろうとする場合は、中期的な戦略課題(方針)に沿って、事前のテーマを洗い出し改善手段をストックしておくというステップ(テーマストック制度)が必要です。
手段が決まっていないが、どうしてもやりたいというなら、改善の専門化によるタスクフォースやプロジェクトチームを組む。これが一部で取り入れられているシックスシグマー活動の原形だと思います。
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