統合マネジメントシステム構築講座

 2004年12月にISO14001規格が改定され、ISO9001規格との両立性が更に向上しました。
ここでは、ISO9001とISO14001との統合マネジメントシステムを如何に構築したらよいかを連載で掲載します。
なお、この記事をもとにeラーニングを活用したIMS構築プログラムを下記に紹介していますので、ご覧になってください。
 ⇒ eラーニングを活用したIMS構築プログラム

目次は以下のようになっています。

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(1)統合の背景

 ISO品質専門員会TC176と環境専門委員会TC207は、ここ10年位前よりISO9001とISO14001の両規格を統合して用いてもよいように両立性の改善を図ってきました。
そしてISO9001規格は2000年に、ISO14001規格は昨年12月に改訂され両立性が格段に向上しました。
 その背景には何があるのでしょうか。
ここには、ISO規格そのもののねらいに込められた部分と、社会情勢のい変化という2つの点があります。
先ず、社会の変化ですが、1992年リオサミットで「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことがないような形で、現在の世界のニーズも満足させるとう=持続可能な発展」というコンセプトが確立されました。
この考え方を企業経営に当てはめるたトリプルボトムラインという考え方がヨーロッパを中心として広がって着ています。

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(2)統合のメリット

 では、システムを統合すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
統合のメリットは、業務効率の向上と、マネジメントシステムの維持費用の低減の2つの面から出てきます。

先ず業務効率の向上ですが、統合のやり方で変わってきます。
下図は、通常の場合の効果の程度を表したものです。
どのようにしたら、効率よい統合ができるのか、次回以降カテゴリー別に解説していきます。

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(3)方針・目的の一体化

 先ず、方針とは何かということですが、組織には企業理念又はミッションがあって、ここからビジョンが作成され、ビジョンを達成するための中期的な戦略課題として経営方針が出てくる。
その経営方針の中には、品質方針、環境方針、労働安全方針・・・等が出てくる。
ここでの検討事項は、これらを、一体化した方がよいのかどうか。一体化するとした場合どのようにしたらよいかという問題です。

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(4)方針展開の手順の統合

 方針の一体化をするか、しないかに拘わらず方針展開の手順の統合は効果があります。
ISO9001の方針展開の手順よりも、ISO14001の方針展開の手順の方が、格段にパフォーマンスの向上を図るための工夫が織り込まれています。
ISO9001では、方針から部門及び階層で目標(objectives)を設定することが要求されています。
一方、ISO14001では、方針から部門及び階層で 目的(objectives)を設定し、目的(objectives)から目標(targets)を策定する。また、目的、目標を策定するときに、達成手段を洗い出して、テーマの重要性、技術上の難易度、投資効果などを考慮して達成可能な手段を選び数値目標を定めるように要求されています。

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(5)マニュアルの統合 その1

 マニュアルは社員や顧客・利害関係者に自社の考え方を知ってもらうためにあります。また、審査のときに使用するものでもあるが、主目的はあくまでも前者です。
 マニュアルを統合するには、社員や顧客に理解しやすいプロセスモデルを作成し、そのモデルに従って作成していく。

プロセスモデルには、2つのパターンがあります。
1つはISO9004(ISO9001ではない)のプロセスモデルを使用する方法、もう一つはPDCAモデルを使用する方法です。
どちらの方法でもよいが、ISO9004には、もともとQ・C・D・Eすべてが含まれており、経営という観点からとらえた場合、この方法を用いるのがオーソドックスであると思います。
一方、PDCAモデルはISO14001やOHSAS18001に用いられているモデルで、既にISO9001やISO14001を取得済の組織が、システムを統合しようという場合は文書類の変更が少なく、便利な方法です。
 今回は、ISO9004のプロセスモデルを用いたマニュアルの統合を紹介します。

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(6)マニュアルの統合 その2

 次に、PDCAモデルに従ったマニュアルの統合方法を紹介します。
PDCAモデルは、ISO14001やOHSAS18001に用いられている方法です。

ISO14001では、組織の人々全員が組織に関わる環境を保全し汚染を予防することを目的としてマネジメントの1つのPDCAサイクルでプロセスが構成されている。
しかし、ISO9001は、顧客の満足という観点から、マネジメントのPDCAと製品・サービスのPDCAの重構造になっている。
マニュアルの統合を、マネジメントの1つのPDCAサイクルで行おうとした場合、製品・サービスのPDCAの部分がはみ出す形となるので、ここの部分を品質特有の部分として別に扱うことになります。

この方法は、マネジメントのプロセスのみを統合して、品質の製品実現、環境の運用管理の部分を別扱いとするので統合の程度はやや浅いが、既に両方の認証を取得済の組織が用いるときは、文書類の変更が少なくてよいというメリットがあります。

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(7)文書類の統合

 文書類(文書及び記録)の統合は文書数の削減につながり、システムを簡素化でききます。
これまで、文書類を統合するに当たって、ISO9001とISO14001改訂で若干表現が異なっていたが、ISO9001:2000年とISO14001:2004年の2度の改訂で、文書及び記録の管理の管理方法の要求事項が統一され、かなりやりやすくなった。

もう少し、具体的に見ていくと、ISO9001の要求事項では、文書化された手順は、「文書管理」「記録の管理」「不適合製品の管理」「内部監査」「是正処置」「予防処置」の6箇所で、ISO14001では文書化された手順が「運用管理」の1箇所、文書化が9箇所ある。
しかし、ISO14001の文書化された手順というのはどんなことを指しているかというと、ISO14004にその例が紹介されている。

ISO14004 4.4.6.2 c) 「例えば、指示書、標識、様式、ビデオ、写真などの形式による、手順の文書化」となっていて、必ずしもISO9001の文書システムでいう規定や手順書を指しているわけではなく、標識、写真、記録フォームのようなものも含んでいる。

ですから、システム統合に際して、ISO9001で要求された6つの手順書のISO14001との統合及び、それ以外の幾つかの手順書は、業務本位に合体してしまう、或いは規定や手順書を廃止して、標識や記録フォームにすることにより軽いシステムに作りかえることができます。

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(8)資源の運用管理プロセスの統合

 資源の運用管理とは、必要な資源を明確にし、提供し管理することです。その資源の範囲は、今度の改正で下記のようにまとめられ、ISO9000、ISO14001とも同じような構成になり、統合しやすくなった。

    9001 6章  9004 6章           14001 4.4.1項
    人材        ←             人的資源
    インフラ       ←             インフラ
    作業環境     ←              ――
    情報        技術            ――
    ――   供給者及びパートナーシップ  専門的な技能
    ――        天然資源         ―― 
    ――        財務資源         資金

資源の運用管理プロセスで、重要な点は、資源の提供が多すぎると業務効率を落とし、少なすぎると問題を発生させることです。

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(9)設計・開発プロセスの統合

 設計・開発プロセスの統合の手順としては、既にISOTR14062(JISTRQ...

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(10)購買プロセスの統合

 ISO14001 4.4.6 c) には、「組織が用いる物品及びサービスの特定された著しい環境側面に関する手順を確立し、実施し、維持すること、並びに請負者を含めて、供給者に適用可能な手順及び要求事項を伝達すること」という要求事項があります。

購買製品に対する環境側面の特定は次の手順で行います。

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(11)内部監査の統合

 ISO9001とISO14001の両方お認証を受けている会社が半年ごとに内部監査をする、とすると
 品質、環境それぞれ単独に行うと 年4回
 統合内部監査で行うと        年2回
となり、統合内部監査の方が能率的です。

内部監査の有効性という観点から考えると
建てや回り、施設、法規制の遵守といった点では環境単独に監査をやった方が抜けなく監査できます。
一方、方針管理、設計、購買、製造といった業務プロセスにおいては、品質、環境単独に行うと被監査側にトレードオフの問題が発生するので統合監査の方が効果的といえます。
実際の統合監査では、一つの監査スケジュールの中で、監査領域に応じて単独監査と統合監査を織り交ぜて行います。

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(12)マネジメントレビューの一体化

マネジメントレビューの目的は、ISO9001もISO14001も同じ記載になっています。
トップマネジメントは、システムの適切性、妥当性、有効性 すなわち
・適切性 ―― マネジメントへの取り組み姿勢が組織にとってふさわしいか。
・妥当性 ―― 量的な評価、例えば品質では、目標値が適切であるか。
        環境ではパフォーマンスの目標レベルがその組織につり合っているか。
・有効性 ―― 計画が予定通り達成されたか。
などの点を総合的に評価する。そして、次の活動期の継続的改善活動に結びつけることにあります。

今回のISO14001の2004年改定によって、次に示すようにマネジマントレビューのインプット項目(準備項目)がISO9001とISO14001との間で整合が取られ、まとめてやりやすくなりました。

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(13)eラーニングを用いたIMS構築プログラムの紹介

これで、統合マネジメント構築方法の解説は終わりますが、下記にeラーニングを活用し...

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