クスコ（ペルー）

　11月4日朝午前3時30分に船を出てバスでリマ空港へ行く。リマで空港よりチャーター機でクスコへ、クスコ着6時15分。
クスコは標高3400m、前日はリマで夕食を摂り帰ったのが午後10時、高山と寝不足の関係からか頭がふらふらするので、高山病予防のためゆっくり歩く。クスコ空港から観光バスに乗り換え、そのまま観光に出かけた。

　クスコは、元インカ帝国の首都、スペインが入る前の1400年～1500年が最盛期で、当時の帝国の人口は1500万人、クスコには20万人が住んでいたという。最盛期には、ここクスコを帝都としてボリビアまで及ぶ10万kmに及ぶインカ道で結び各地を支配していた。
現在のクスコの人口は32万人で、市街は世界遺産（文化遺産）に登録されている。

見学した所
■ケンコー遺跡

　切り出した石を加工して積み上げた遺跡、１つの石の大きさは1m以上あるが、それらの石がスキマなく一定の方向に積み上げられている。このような石組みが10ケ所ほど並んでいる。石切り場はクスコより6km以上離れたところにある。インカには文字がなかったので、このような大きな石をどのように切り出し運んできたかは謎である。

　石と石の間を詰めるのに、石の棍棒のような道具で叩いてカミソリ１枚も通さない程の精度に仕上げている。

■クスコ市街


　マルサス広場、大聖堂、12角の石、太陽の神殿を見学した。
マルサス広場は、元はインカ帝国が作った広場であったが、スペイン人が侵略してインカの建物を破壊し、その上にスペイン風の建物を建てようとした。しかし、インカの石積みが堅固で破壊することができず、インカの石積みの上にスペイン風の建物を建てた。建てた時期は1500年代前半、インカ帝国を征服した直後でインカ帝国の税収制度をそのまま利用してインカ帝国1500万人から莫大な資金を集めて建てているので大変立派な建物ばかりである。

　広場中央の大聖堂は、インカ帝国を征服した記念に建立されたもので左が聖堂で周囲30kmまで届く鐘が付いている、右が福音である。

その他、サンタカタリーナ聖堂院、サント・ドミンゴ教会など、どれもインカの石積みの上に建てられた立派な建物である。
　第３者である私から見ると「スペイン人は何とひどいことをしたものか」と思うのであるが、現在、ペルー人の殆どはスペイン人との混血であり、そのような感情を持っていないようであった。

■太陽の神殿

　サント・ドミンゴ教会の一角に、インカ時代の太陽の神殿が残っている。なんでも３０トンの石で造られているとのことである。

インカ人は、八百万の神々を信仰していた。案内人に聞いたところでは小さな虫まで崇めていたとのことでした。これらの中で中核となるのは、太陽、月、星、山、コンドル、ヒューマ、蛇である。

　太陽の神殿では、ご本尊（インカ伝説の帝国の始祖と思われる）を祀る広場と、太陽を崇める石室、月を崇める石室、星を崇める石室がある。儀式は前列に神官と巫女10人程度が並び、その後ろに王族10数名が並んで執り行われていたようで、その模型が展示されていた。

市街見学の後はレストランで昼食を摂り、午後からは、塩田とモライ遺跡を見学した。

■塩田



　クスコの市外にある。山の麓から塩水が流れ出てくる。この塩水を段々畑になった3500以上の畑に流し込み、自然乾燥させ塩をとる。
　なぜ標高3,400もある山から塩水が流れ出すかというと、海から地下のプレート突き上げられてアンデス山脈ができている。ところがこの地域のプレートの突き上げ速度が他の地域より早いので海水を巻き込んだまま山まできている、ここの塩はミネラルを含んで美味しい、との説明でした。
　土産物店で、ここで作った塩を現地の刺繍袋に入れたものを1袋3ドルで売っていた。値引き交渉をして2袋5ドルで買ってきた。

■モライ遺跡

　周囲800ｍはあるか？　大きなすり鉢状の段々畑で、上から見ると底の競技面積が小さく、観覧席が多い陸上競技場にきたような感じである。
何でも帝国の農業試験場として作られたものであある。植える作物はトウモロコシである。

　この日は、天気が良かったが、今朝、海から行きなり3,400mの高山にきた。私達のグループは全部で22人であったが、途中、高山病で目が回ったり、吐き気がして動けなくなった人が3人出た。私は頭がふらふらする程度で何とか最後まで見てまわることができた。今夜は明日のマチピュチに備えてホテルでよく寝て体調を整えることとする。