太極拳は副交感神経の働きを高めるか

　2ヶ月ほど前、最近売れているという順天堂大学　小林弘幸教授筆『なぜこれは健康にいいのか―副交感神経が人生の質を決める』を読んだ。
なるほど、これを読むと自分のめまいの原因の一つが老化による副交感神経機能の低下であったことがよくわかる。

要約すると以下の通りです。

 交感神経と副交感神経はいつも働いている。朝は交感神経が優位、夜は副交感神経が優位である。
 交感神経は年をとっても低下しないが、副交感神経は年とともに低下する。何もしなければ、副交感神経は10年で15％低下する。
 交感神経が高く、副交感神経が低いときは頭痛やめまい、不整脈、免疫力が低下し風邪をひきやすい、糖尿病の原因にもなる。
 副交感神経が高く、交感神経が低いときはアレルギー疾患を起こしやすい。
 交感神経、副交感神経の両方とも低いときは無気力、鬱に近い状態になる。
 健康を維持するには、交感神経と副交感神経のバランスが大切、両方とも高いレベルにしておくと病気にならない。

 「働きすぎ、悩みすぎ、緊張」などの過度なストレスは、交感神経を過剰に緊張させる。
 「怒り」は、血液をどろどろにし、交感神経を過剰に緊張させる。
 冬の季節や気圧が変化するときは交感神経が活性化する。

 背筋を伸ばしてゆっくり歩くことが自律神経のバランスを安定化させる。
 深い呼吸をすると酸素の量が増え、血管が拡張し副交感神経は優位になる。
 ヨガは副交感神経の働きを高める。
 心に余裕があれば副交感神経は高まる。
 睡眠不足をすると副交感神経が上がらない、十分に睡眠をとった朝は自律神経のバランスが最高となる
 酒を飲むと交感神経を刺激し、副交感神経を低下させる。酒を飲むときはアルコールと同量の水を飲むこと。
 親指に力を入れると交感神経が高まる。手を広げると副交感神経が高まる。
 食事をするとき胃は交感神経を高めるが、腸は副交感神経をかめる。食事の前に水を飲んで副交感神経を動かしておくことで、交感神経の高揚を打ち消すことができる。朝は交感神経が優位になるので、起きたとは、水を一杯飲むのがよい。

＜結論＞
 ゆっくり、ぐちを言わず、笑顔で余裕を持って生活すると、病気の方が逃げていく。

この説には、自分の体験と合致するところがあり、納得した。

私は、昨年来、遅発性内リンパ水腫と左の三半規管の破壊でめまいに苦しめられてきた。
めまいの直接的な原因は、ストレス等による交感神経の緊張である。
幸いよい医師に出会い、現在は毎食後薬を服用することで、めまいの症状は発生していない。

この本を読んで、気づいたことは、これから先、自分の副交感神経が低下する一方である。
80歳になった時は、副交感神経が更に低下している。その時、めまいが再発するのではまいか？　(>_<)
これは厭だ。

そこで、副交感神経を鍛えるため、ヨガをやってみようかと思ったが、女房は「貴方は体が硬い無理だ」という。
考えたすえ、太極拳教室に通うことにした。
10月初め、北國文化センター小松の太極拳教室に入門した。
講師は、久田志津子先生、日本太極拳連盟の有段者である。

文化センターに行くと、30歳代～50歳代の女性の生徒ばかり8人ばかり、聞いてみると、皆さん、長い人で10年以上、最短でも1年位続けているという。

その中に当年70歳の男性が一人加わることになった。練習中は男女の差別はなく問題ないが、雑談になると話題が合わずついていけない。

今月初めで２ヶ月経った。
太極拳は複式呼吸で、副交感神経を高めるのはよいようだが、現在のところ、形を覚えるの大変でストレスも溜まり功罪相半ばして、効果のほどはよくわからない。
しかし、慣れれば効果があるのかもしれません。
先生も熱心に教えてくれるので、これからも続けて行こうと思っています。