キリン北陸工場の閉鎖に思う
昨日(10月26日)、キリンが白山市にある北陸工場の閉鎖を発表した。
今朝の北國新聞は、そのニュースで2面程のスペースを割いている。
コマツ小松工場の閉鎖のときも同じような扱いだった。
キリンは1993年に北陸工場を創業した。自分も創業当時、その工場を見学し、併設のレストランで搾りたてのビールを味わい、舌づつみをうったことを思い出した。
その後国内のビール類の販売数が落ち込んできた。将来的な人口減少を見越して国内市場に見切りをつけ、サントリーと経営統合して国内の生産工場を調整し、海外展開を図ることに経営戦略を転換したということらしい。
このところ、日本の殆どの企業は、似たような戦略をとっている。
先月、仕事の関係で損害保険業のEA21のお手伝いをした。この業界も、相次ぐ経営統合で国内の店舗数を縮小し、海外展開で生き残りを図ろうとしている。
先のブログ「コマツ大阪工場」を見ていただくとわかるように、コマツはその戦略の最先端を行っているようだ。
この不況下、小売業界で最高益を出したユニクロも、海外で製造し国内で売るという似かよった戦略での成功例である。
でも、皆が途上国詣でをする今の状況の後、日本国内の雇用はいったいどうなるのでしょうか?
下の図は財務省のホームページの転載です。
02 変化する社会・経済の構造 総人口の推移
日本の人口は、江戸時代末期は3千5百万人、その後1億2千8百万人と3.7倍に膨張したが、2006年をピークにして2100年には、また江戸時代末期と同じ人口に逆戻りする。
既存の事業では国内での需要は先細り。経営者の立場からすると、新しい分野を伸ばすか、市場のあるところに出ていくしかない。
今までとは、違う逆転の発想が必要なことは分かる。
自分の小さな脳みそで考えると、簡単に新しい分野を伸ばすことは難しいだろう。ならば、海外で儲けたお金を、国内に還元して研究開発・医療・環境といった戦略分野に投資するというしかけが必要になる。庶民の購買力を上げて、教育・医療・介護・環境などの必要な消費を増やす。といったことも必要になるだろう。
そのためには、国の産業政策が必要になる。
海外で儲けたお金を、国内に還元するには
・法人税の税体系見直して、国にお金が入るようにする。
・戦略的に育てる産業に対する優遇措置をとる。この政策による負け組みには、痛みを緩和する支援が必要。
・最低保証賃金を引き上げる。
といったことでしょうか。
これは、民主党の政策と合っているのか、いなのか??
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コメント
突然のコメント失礼します。
このニュースは突然でビックリしましたね。私の周りを見る限り、決してビールの消費量は減ってないのですけど。
工場の海外移転については、私たちは消費者の立場から運動を起こすことしかないのですかね?
ただ、最近の政治の舞台では、亀井大臣による理屈抜きの浪花節的な「命令」のようなもの、上手く説明できませんが法律でも行政指導でもないものによる力が動いているような気がします。この動きには少々期待したいところです。
投稿: すーさん | 2009年10月27日 (火) 18時30分
コメントありがとうございます。
全体的な流れは分からないでもありませんが、企業は誰のものなのか。
経営者が独断で突然発表するというのはどうなんでしょうか。
株主・経営者・従業員・地域社会、お互いの話し合いのプロセスが必要かも知れませんね。
投稿: がまがえる | 2009年10月27日 (火) 19時48分