外来種の侵入そして、酸性雨
最近、憩いの森を散歩していて感じるとは、木がどんどん枯れていること。見晴しはよくなったが痛ましい。
右の写真は湖の東側斜面。
数年前は、鬱蒼としていた松林が松くい虫の被害で殆ど伐採されてしまった。
まだ、ところどころに先端が赤くなった松が残っているので、近づいてみるとマツノザイセンチュウの入った穴が無数に残っている。
松枯れは、憩いの森に限らず、沖縄から青森に至るまで全国的に猛威をふるっている。
この原因は、酸性雨などで土壌が弱ってきたところへ、マツノザイセンチュウというアメリカ大陸原産の虫が入り込んできたことによるらしい。
同じように、今楢の木がどんどん枯れている。楢枯れは関西地方から出発して北上中である。石川県でも白山スーパー林道の付近では、古来からあるミズナラの50~80%が枯れて死んでしまっているらしい。
お陰で、どんぐりがとれず熊が里へ降りてくる。
右の写真は、憩いの森の楢の古木、カシノナガキクイが穴を開けている。ここからアンブロシア菌が幹に入り、段々と楢の木の水分の補給路を断つ。
このアンブロシア菌も東南アジアからやってきたとのことである。
憩いの森では、あちらこちらにカシノナガキクイを防除するビニールシートが巻きつけてある。
これらの根本原因は、外来生物の侵入という問題だったのかも、知れないが、ここへきて新しい脅威が出てきた。
11月30日の北國新聞では「松くい虫、確認できず 舳倉島のマツ枯死 県林試・江崎研究員調査『酸性雨原因』」という記事がある。
また、10月22日陸奥新聞でも「五所川原の枯れたクロマツに松くい虫確認されず」とあり、松枯れは松くい虫ではないと報道している。
従来の松くい虫に加えて、酸性雨と言う問題がクローズアップされてきた。
中国では経済発展に伴って、脱硫装置をつけない火力発電所があちこちにできた。そこから発生するSOx・NOxが偏西風にのって日本にやってくる。
これは、松枯れの原因になるだけでなく、人にも害を与える。九州から東北に至るまで2002年ごろから、5月頃には中国起因の光化学スモッグ注意報が発令されている。これは松枯れの発生地域とも一致する。
このままでは、かっての四日市喘息のように、中国喘息が日本中に広がるかも知れませんね。
<追記>
ECOJapan2008年4月10日号伊藤洋一の『毎年30万人が死亡、深刻化する中国の大気汚染』より転載
中国の新聞「南方週末」は「中国都市部での大気汚染による毎年の死者の数が約30万人に達している」という記事を報道した。この報道は、中国環境保護省環境計画院の趙越博士が書いた「大気汚染による健康への影響に関する論文」をベースにしたものだという。具体的に言うと、調査の結果、中国では2004年に都市部で約35万8000人が死亡し、約 64万人が呼吸器と循環器系の病気で入院、約25万6000人が慢性気管支炎になったという。中国は広く、大きな都市が多いといっても、この数字は尋常ではない。
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