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2008年4月19日 (土)

越前、越中、越後 その2

2月で書いたブログ「越前、越中、越後??」で「越」のいわれについて、思いつきで記載し、ある方より「いい加減なことを書くな」とコメントをいただき恥いっていましたが、心の中にひっかかりが残ったままでした。

先日、ある人より4月19日に那谷寺で平成神道研究会20周年地方開催シンポジュウムが開催されるがチケットを買わないかという案内が来ました。
見ると「自然と生きる環境生命文明」というテーマで、哲学者の梅原猛先生と、越の記事のもとを書かれた環境考古学の安田善憲が出席される。

これは、よい機会と思って、今日、参加させてもらいました。
シンポジュウムのなかでは越にいての話は少し出たがあまり詳しい話はなかったので、シンポジュウム終了後、安田先生の所に行って個人的に質問すると、快く答えてもらえました。

先生の答えは、
『富山県のことを「越」と言う。越中富山、越前、越後。越とは、長江文明の担い手が、ボートピープルとなって逃げてきた所だろう。越中の越は呉越の越だ』
といこうとでした。

どういうことかというと、越の国は稲作漁労民で、文明としては玉(ヒスイの一種)を大変に大事にする。稲作漁撈民にとって、天と地の交流と結合が、豊饒性をもたらす最も大切なことがらであった。玉はや山からとれる、漁労民族としての越は山を崇拝し、そのシンボルとして玉を宝とした。
越人は、玉を探して日本海を渡り山に分け入った。立山や姫川辺りでは、今でも玉の原材料がとれる。
始皇帝本紀には「楚国、越国を滅ぼす」、始皇帝の『越絶書』には「外越と内越がある」と書いてある。内越とは中国大陸にいる越で、外越とは東海の彼方にいる越だ。即ち、現在の富山県周辺らしい。
今から、4000年前に大変大きな気候変動があり、金属製の武器を持つ漢民族が南下し、玉のような高度な文明を持つが、金属製武器を持たない長江文明が攻め滅ぼされ、呉越人はボートピープルとなって、日本はじめ各地に逃れた。
ということらしい。

なお、シンポジュウムは、白山信仰・立山信仰に関するものでしたが安田先生の意見は、これらの山岳信仰は、越人が数千年前から玉を探して白山や立山奥深く入っていたという土台があった。1700年前頃から数百年地球の温暖期に当たり今より1.5℃位気温が高かった。この時期に泰澄和尚や行基和尚が出て白山に登り、一気に白山信仰は開花したのではないかということでした。

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コメント

ものすごく特殊な考えと思います
安田さんも梅原さんも有名ですがアマチュアです
一般の考えは、畿内から山を越えたエリア
越(こし)の国が語源です
紀伊が木の国(木のあるくに)、摂津が津の国(みなとのあるくに)、肥後などが火の国(火山=阿蘇山=のあるくに)など、古代の国名は大和言葉で解釈するのが普通です
越のボートピープル説はおもしろいけど、中国の苗字や地名がいっぱいあるとか、風習で連続性があるとか、傍証になるものが余りに乏しいですね

投稿: | 2008年11月 4日 (火) 13時27分

専門的なご意見ありがとうございます。
地名が大和言葉からきていることはよく理解できます。
畿内から山を越えたエリアと言っても広すぎるのではないでしょうか。
その広いエリアのある地点、現在の「富山県」の南部を「越」と呼んでいます。
ということは、大和人はここに越人の子孫が住んでいたことを知っていて「越」とよんだということも考えられます。
安田先生は、富山県から予算をもらって、その研究をしたと言っておられました。

投稿: がまがえる | 2008年11月 7日 (金) 20時24分

こんにちは。越の国になぜ加賀が?というある方の論文を読んで、私も何故かしらと興味を持ち検索してこちらまでたどりつきました。
前回というか古い記事の方も読ませていただきました。ありがとうございました。勉強になりました。
私はがまがえるさんがクンクンと嗅いでおられる匂いに賛同ですよ。あまり詳しい知識もありませんが。
せっかく巡りあいましたので、またときおり、伺わせていただきますね。

投稿: ママさん | 2010年3月17日 (水) 11時47分

ママさん
応援ありがとうございます。
私も素人です。
皆さん、大和朝廷以降ことはについて色々文献があるようで、その文献をもとに話をされているようです。
でも、地名は文字ができる前から話ことばとしてあったのではないのでしょうか?
北海道の地名のいわれはアイヌ語ですね。縄文人は越の地を何と読んでいたのでしょうか。
現在、この地域の地名をつけたのは弥生人のようですが、DNA鑑定など、日本人のルーツの研究が進むと、また違った見方がでるような気がします。

投稿: がまがえる | 2010年3月18日 (木) 18時53分

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