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2007年7月13日 (金)

男は「旅」、女は「旅行」

もう3年位まえだろうか。
娘が母の日にお母さんに2人分の旅行をプレゼントしたという。

こちらは、定年も過ぎたので夫婦2人で旅行でもしてこいというのだろうか、気の利いた娘だと思っていた。
しかし、女房からは何の知らせもない。そのうちに「私、友達の○○さんと3日ほど旅行に行ってくるからね。」という。

そこで、自分の早とちりに気がついた。
バツが悪いのを通り越して「自分でなくて何で友達なんだ」と腹が立ってきた。

しかし、よくよく考えてみると、自分の永い間の行動がそうしたのかもしれない。
会社をやめてから家にいると、その友達から時々電話がかかってくる。その会話が自然と聞こえてくる。なんとすごい電話だ、大きな声で、時にはお互いをけなしあいながら好くなことを喋っている。
これがストレス解消なんですね。
亭主と旅行すると、こんな会話はできない。

男は「旅」、女は「旅行」 とはよく言ったもの。

青春18切符で一人旅、チェリンコで日本一周、トラクターで日本一周など、こんな事をするのは殆ど男だ。
いわゆる貧乏旅、目的地が目当てではなく、その過程を楽しむ。

しかし、女房殿は旅の過程を楽しむのではなく、目的地に行くまでの間、好きなことを喋ること。目的地についておいしいものを食べること、美しい景色を見ること、が目的。これは「旅」ではなくて「旅行」ですね。

自分も男、「旅」派だ。
以前、女房殿に「ピースボート」で世界一周したいといったら、私はそんな貧乏旅行をしたくないという。
最近になって、中国の九寨溝へ行きたい、とか、イタリヤ行きたいという。
これも、「旅行」をしたいというのであって「旅」をしたいというのではない。

もはや接点がない、そんな話を聴いても心を動かされることはもはやない。
「お互いにつかず離れず」が付き合うコツと悟った。

そう思っていると定年学におなじことが書かれているのを発見した。

7月4日経ライフ「土壇場の夫学」 心理カウンセラー 山崎 雅保先生の『夫の配慮は妻の厄介』

BP会員でないとアクセスできないかもできないので、一部抜粋引用します

----------------<ここから引用>------------------------

定年となったらささやかな夢の実現。夫婦水入らずでゆったり旅だ。アクセク働き続けた俺様へのせめてものご褒美だからね、少々ゼイタクしたってバチ当らねえだろ。

 熟年夫婦旅ねえ。どうだかなあ、バチは当たらねえだろうけど、壁に突き当たって頓挫するのがオチじゃねえか。

 オメエってヤツはいつだってそうだ。嫌なヤツだね。俺がなんか言えば、さあどうだかなあとばかりに眉ひそめるね。悪いクセだよ。野暮だね。他人の夢打ち砕いて水差すなんてのは、野暮も骨頂だよ。

 じゃ、なにかい、そっちのカカアってのはアレかい? ハイと健気に頷いて、三歩下がってオメエの後につき従いて、アチコチ共にさまよってくれるってか。

 そりゃあオメエ、妻子のために誠心誠意働いてきた俺の切なる思いくらい、いくらあのカカアだって聞き入れてくれるはず…だろうと信じたい。…やっぱダメかね。

 ダメだね。俺がみるところ、オメエのカカアはしおらしくうなずくタマじゃねえ。行くなら1人で行ってちょうだい、とくるね。
 やっぱりそうくるかねえ。

 そうに決まってるの。しかも老後の蓄え最優先だからね、予算も厳しく制限されるよ。カカア族ってのはそういう生き物なの。
 なんだか、いやに自信ありげだね。
 そりゃよオメエ、こればっかは自信大ありコンコンチキよ。現に俺のカカアがそう言い放ったんだから。

 なんでえ、そうなの。オメエは夢砕く男じゃなくて、すでに夢砕かれし哀れを知る男だったのね。へへ、そうかい。お~いオヤジさん、お酒ちょうだい! 俺のオゴリ。こいつに一杯注いでやってちょうだい。

 定年後の典型的かつ身近な夢といえば「夫婦2人で水入らずの旅」。けれど妻たちの大半は「そんなの嫌」と拒むとか。「今さら冗談じゃないわ。旅行だったら気の置けないお友達と行きますから」。

 女は「旅行」。男は「旅」。ここにも微妙な行き違い。しようがないかな。男が「妻にも配慮した」つもりで思う、今さらながらの夫婦一緒のアレコレなんて、女にとっては厄介事でしかないんです、きっと。

 もしかして、仕事を離れた人の輪を培えなかったばっかりに、妻を頼りに思うのが「夫婦仲良く」の舞台裏だったりもしかねませんね。「長年培った人の輪を愉しみに熟年期を生きる」のが女だとしたら、相容れるわけないんです。

 あの一期一会のオヤジさん(注)は、夫婦の折り合うところで、あの「旅」を見出したのでしょうね。機嫌いいたわむれ上手だし、旅で出会った仲良もたくさんいるらしいし。

それにしても、今ごろどこの空の下なんだろ。

(注)前日、長野県北安曇郡白馬村「倉下の湯」で出あったワンボクスカーで寝泊りしながら1人貧乏旅をしているオヤジのこと。

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