2009.10.10

ワールドカフェを使ったエンパワーメント研修

 前のブログ「エンパワーメントの開発手法」で紹介したワールドカフェにトライしました。
私がISO9000QMSのコンサルした50人程度のある製造業の会社です。品質マニュアル等はできているが、まだ実施運用に入っていない段階です。社名を仮にA社とします。
0910rimg0060
この会社では、この不況で仕事が減っている。週1回は休日を増やしているが、その日は国の休業補助助成金をもらった研修です。これまでは、社員全員を一同に集めた教育の機会ななかなかとてなかったが、この機会を通して、社員全員に方針の理解と徹底を図ることが目的です。

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2009.08.31

エンパワーメントの開発手法

 私は日本アクションラーニング協会のアクティブステータスに登録しています。
協会では毎月研究会が開催されているが開催場所は東京なので殆ど参加する機会がない。8月27日は、たまたま東京出張中に開催されたので参加させてもらいました。
当日は丸ビル8階のコンファレンススクエアで午後6時30分より約2時間、関東学院大学経済学部大住莊四郎教授より「自治体職員を対象としたアクションラーニングの実践例」というテーマでお話を伺いました。
内容はアクションラーニングというよりは、住民が参加して行う街づくり、エンパワーメントの話でした。
(エンパワーメント=個人や集団が自らの裁量を拡大し、自主的な意思決定を促す能力をつけること)
大住先生は2009年2月、人口3万人以上の全国871の自治体にアンケートし541団体より回答をもらった。
 ⇒ アンケート調査結果
その結果、殆どの自治体ではマネジメントスタイルが確立していないことが判明した。
多くの自治体では先導管理型のマネジメントを指向しているが、実際はガバナンスの強化(事業仕分け)であってマネジメントにも至っていない。
大住先生の話では、マネジメントには、先導管理型のマネジメントと、エンパワーメント型のマネジメントの2通りがあるとの説明でした。

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2008.11.03

企業に人材育成担当部門は必要か?

 10月31日(金)は、東京大学安田講堂で開催された産学協同シンポジューム「ワークプレースラーニング2008」に参加しました。

当日の参加した人は800名、個人的な感触ですが、企業人材育成部門の人5割、企業に教育を提供する機関やコンサルタント4割、その他1割 とみました。
参加費用4千円だったので、これだけ集まればイベントとしては十分採算がとれる。さすが商売がうまいなあ!

ワークプレースラーニングとは、研修の学びに加えて、現場の学びを重視した考え方で
1) 実務を通した学びのあり方
2) 研修と連動した現場の学びのあり方
のことを指している。

最初に主催者の東京大学の中原先生がプレゼン:
企業内に働く人は、どこで学び成長しているかを調査した結果
「実務を通して70%を学んでいる。研修からは30%しか学んでいない。」
「企業の人材育成担当者は研修だけやっていてよいのか、どうしらよいのか。」
という問いかけです。

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2008.10.30

アクションラーニング 年次カンファレンス2008

0810rimg0175_2 10月30日東京秩父宮ラグビー場のすぐ隣TEPIAホールで開かれた日本アクションラーニング年次カンファレンスに参加しました。
参加者は約140名。アクションラーニングコーチが半数、アクションラーニングに興味を持つ一般参加者が半数といったところでしょうか。以下、自分の振り返りを含めて概要を紹介します。
 

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2008.09.29

インターネットを活用したアクションラーニング

 先のブログで紹介したアクションラーニングの解説本「質問会議=なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか? 」が9月22日に発売になりました。

週刊誌AERAの9月29号の特集で紹介されたこともあって、瞬間風速かもしれませんがアマゾンマネジメント・人材管理部門のベストセラーになっています。

なぜ質問会議は意見会議よりも問題が解決できるのか?
なぜ質問会議は意見会議よりもチーム(職場)のコミュニケーションが良くなるのか?
なぜ質問会議は意見会議と違って能力が開発されるのか?
そして、その質問会議の手順の紹介。

私自身、数年間アクションラーニングを学んでいますが、読んでみて、今までの自分自身の進め方の振り返りとして良い勉強になりました。

しかし、アクションラーニングは本を読んだだけでは納得と言うところまではいきません。やっぱり、セッションに参加し体験して見なくてはよくわかりません。

そういう意味で、大阪ではマインコンサルタンツの田淵さんが、毎月アクションラーニングの体験セッションを開いています。

しかし、地方から大阪まで出かけてという訳にはいかないと思います。

そこで、新しい試みとして無料通信ソフトを利用したインターネットによる体験セッションのサイトを開設しました。  
Skypeを使用すると最大10人までの音声チャットを行うことができます。Skypeは携帯やIP電話に広く使われています。しかし、電話番号を使わないでインターネット上のパソコン同志で音声或いはテレビ電話として使用する場合は無料です(但し、パソコンから番号電話にかけると有料になる)。
GoogleにもGoogleトークという名称の似たような無料サービスがありますが、これだと最大5人までしか同時会話できないのでSkypeにしました。

なお、Skypeの使用は体験セッションでなくとも、無料のテレビ電話としても使えます。旅費交通費・通信費節約(そしてCO2削減)の有効な手段ともなります。
最初はとっつきにくいかも知れませんが、手順を追って一つ一つやっていけばできます。何と言っても、現在66歳の私でさえできたのですから。

皆さんも、やってみませんか。

 ⇒ アクションラーニング活用研究会
  (この中の「インターネットの多人数音声通話を活用した体験セッション」をクリックして下さい。)

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2008.09.12

アクションラーニングの体験セッションと本の紹介

 1997年に前の会社(2社目)を退社しコンサルタントになりました。
コンサルタントになって、ある時、福祉サービスのスタッフの問題解決・スキルアップをどのようにしたらよいかという問題に出会いました。
私は以前コマツに勤めていた関係でTQCの経験は豊富にあります。QCサークルの地区幹事をしたこともあります。しかし、QCサークル活動は製品の問題を科学的に分析し改善していく手法です。しかし、サービス業や管理職にはなじみません。
コーチングという方法もありますが、コーチングは上司対スタッフ、1対1となり主任さんは忙しくて、とてもそんな時間をとれません。
そんなときJQAA大学(経営品質アセッサーの勉強会)でアクションラーニングに出会いました。
アクションラーニングについては下記URLを参照ください。
 ⇒ アクションラーニングとは何か

早速、基礎講座、ALコーチ講座を受講し2006年3月に日本アクションラーニング協会の認定コーチの資格を頂きました。
アクションラーニングは、物事を生き物ととらえ、本質に気づく力を養うよい方法です。
これまでは主として自分のコンサルティングの一環として活用してきましたが、最近はどこから嗅ぎつけてこられたのか体験セッションの依頼もあります。

 アクションラーニングセッションコーチ実績

 2006年2月  コンサル会社(体験セッション)
 2006年上期 保育園及び児童養護施設職員(コンサルの一メニューとして)
 2006年9月  染色会社の管理職(コンサルの一メニューとして)
 2007年2月  大手病院の放射線科技師(コンサルの一メニューとして)
 2007年11月 金沢ラポール会(体験セッション)
 2008年2月  介護施設サービスの主任さん(コンサルの一メニューとして)
 2008年8月  石川県中小企業同友会(体験セッション)

皆さんの中で、体験セッションのご希望があれば出向いて体験シッションをしますので、画面左上「がまがえるのプロフィール」よりメールでご連絡ください。

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2007.11.03

アジア アクションラーニング フォーラムに参加しました

Rimg005211月2日、スペースアルファ神戸で開催されたアジアアクションラーニングフォーラムに参加しました。

アクションラーニングは、グループで現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる、実際の行動とそのリフレクション(内省)を通じて、個人、そしてグループ・組織の学習する力を養成するチーム学習法です。
内容の詳細は、NPO法人日本アクションラーニング協会のホームページを見てください。

私は、この協会のメンバーズでアクションラーニングコーチです。

当日の参加者は約50名、実は1日、2日の両日行われていたのですが、1日は通訳なしで英語が分らないので通訳の入っている2日のみ参加しました。

フォーラムでは、ジョージワシントン大学のマイケル・J・マコード教授(アメリカでアクションラーニングを研究し、アクションラーニングGIALメソッドを開発者)の基調講演と、2日間で9件の事例発表がありました。

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2007.07.10

学習する組織「自己実現」を支援する実践本

Image2 1年ほど前、このブログで学習する組織の5つの能力
シシテム思考 その1  その2
自己マスタリー(自己実現)
共有ビジョン その1  その2
メンタル・モデルの克服
チーム学習
についての概要を紹介しました。

これらの能力の基本となるのが自己マスタリー(自己実現)で、自己マスタリー、共有ビジョン、メンタル・モデルの克服、チーム学習の4つの統括するコアコンセプトは「システム思考」である。

経営品質フォーラムのセミナーでは、最終目標は「システム思考」であるが、いきなりシステム思考から入っても、うまくいかない「自己マスタリー(自己実現)」入るとよい、アドバイスされた。
しかし、フールドブックを読んでも「自己マスタリー(自己実現)」のコーチ方法として「個人の価値観チェックリスト」の例が載っているだけでなかなか取り付きにくいように感じる。

今年4月になりますが、突然スコラコンサルタント・パートナーの「香本裕世」氏(以下僭越ながら香本さんと呼ばせていただきます)よりメールが来た。
内容は、先日、日本経済新聞から 「人事が変われば、会社は変わる」 というタイトルの単行本を出版したという知らせと、その内容の簡単な紹介でした。

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2007.03.24

「学習する組織」入門セミナー(金沢)のご紹介

学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)というは、ピーター・センゲ氏の著書『最強組織の法則』が元祖ともいわれています。
このブログ”コーヒー・ブレーク”のカテゴリー「k 学習する組織」でも、その概要を紹介させていただいています。
この「学習する組織」のブログは、2005年秋と2006年春の2回、日本経営品質協議会が日本に広めようとJQAA夜間大学で「学習する組織」のセミナー開催されました。
私は、その2006年春のセミナーに参加し、その後に紹介したブログを書きました。

「学習する組織」は米国では、相当普及しているそうです。

環境ジャーナリストの枝廣さんが、2006年6月ワシントンで開催されたWBCSD後援の「ビジネスと持続可能な開発会議」に参加された後メルマガNo.1217「米国出張の所感」で、次のようなことを述べられている。
 

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2007.01.08

内部コミュニケーション

ISO9001 には、内部コミュニケーションの要求事項がある。
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5.5.3 内部コミュニケーション
 トップマネジメントは、組織内のコミュニケーションのための適切なプロセスが確立されることを確実にすること。
また、品質マネジメントシステムの有効性に関しての情報交換が行われることを確実にすること。
---------------------------------------------------------------------------------

一般的には、これらのプロセスとして、方針説明会、品質会議、部門内会議、社内LAN、掲示板、ポスター、改善提案制度などの体系をマニュアルに記載されているようです。

しかし、最近の日本の企業では成果主義の導入の副作用として、個人主義の横行、組織力の低下、モチベーションの低下といった弊害をもたらしたいる。

そこで、エクセレントを目指す企業は、新たなコミュケーション体系の構築に挑戦している。
日経BP「コミュニケーション進化論」特別号(2006.11.27発行)によると野村総合研究所がプロジェクトチームを組んで日本のモチベーション企業数十社を取材して分析したキーワードはVOICE
Voice_2
以下、日経BPの記事を一部引用して、VOICEの概要を簡単に紹介します。

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2006.09.03

学習する組織 その9 システム原型の紹介

先のブログの続きとして、逆効果の応急処置、成長の限界、問題の転化、共有地の悲劇、 予期せぬ敵対関係 の5つのシステム原型を順番に紹介していきます。

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2006.08.31

学習する組織 その8 システム思考

前回までに、自己実現、メンタルモデル、共有ビジョン、チーム学習について紹介してきました。
これらのテーマは、組織の自立性を高め内部の対話を促進して改革が起りやすいようにする上で重要なことです。
今回紹介するシステム思考は、その上に立って戦略的な構想力そのものを高めていくという点で、変革の中核をなす部分です。

一般的に、システムと言うと、制度、体制、ネットワークのようなものをイメージされるかも知れませんが、「システムとは、要素がお互いに結びつきあって全体として認識されるもの」のことで、自然界、社会、企業組織といった種々のものがあります。人間の体もシシテムの典型的な例です。
組織においては、制度、ネットワークとは目に見える表のシステムで、メンタルモデル(人々の意識)のような目に見えない裏のシステムもあります。
このシステムがどう動くかを理解していれば、問題を回避して目的に達することができます。

システム思考は、サイバネテック、カオス理論、システム・ダイナミクスといった学問に基づいており、それらに共通しているのは「すべてのシステムの行動は、特定の共通原理に従っている」と言う基本的な考え方です。

先ずシステム思考を理解するには、幾つかの基本的な言語を理解しなければなりません。システムの原理・パターンはこれらの言葉を通して目に見えるようになり問題を認識できるようになります。

System01_1因果ループ図
 システムにおける各種変数の関係を関係づける。
  
 
  
System02拡張循環
 一つの変数の影響が他の変数の指数的な成長や衰退を生み出し、それが加速度的に進む。
一般的に好循環、悪循環といっていることです。

System03並行循環
 一つの変数の影響が抵抗する力を生み出し、その力は成長を制限する。この力は問題を調整し、安定的並びに並行をもたらす。
  
  
  
遅れと矢印の向き
 しばらく時間がたってから影響の効果が現れるとき、矢印が逆向きの効果を現すことがある。

システム構造
 システムの中の主要な要素間から導き出されるしくみ

問題が発生したシステムのシステム構造には、次の5つのシステム原型があります。
 逆効果の応急処置
 成長の限界
 問題の転化
 共有地の悲劇
 予期せぬ敵対関係
フィールルドブックでは、これらのシステム原型を詳しく解説しています。

組織で優れたシステム思考をする人は、出来事、パターン、システム構造、メンタルモデルの4つのレベルを同時に見ることができる人であるといわれています。
言い換えれば、思い込みではなく事実に基づいて、広い視野で柔軟に物事を見ることができる人ということでしょうか。

組織の中の改善活動が行き詰ったとき、発生した出来事、パターン、メンタルモデルからシステム原型を類推し根本的解決策を考案する、日頃から、そのような思考ができる訓練が大切でしょう。

次回は、これらのシステム原型を簡単に紹介します。

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2006.08.04

学習する組織 その7 チーム学習

前回までに「自己実現」「メンタルモデル」「共有ビジョン」の話をしてきました。
ここまでくると、次に行なうのが「チーム学習」となります。

日本では昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言われてきました。ところが実際には、専門家集団といわれているところで、その逆のことが起る。
先の、ワールドカップサッカーでも日本チームは、1人1人の技術レベルが高いが、チームとしてはその実力が出し切れなかった、と言われています。
ビジネス界では1人ひとりのIQが120を超えていても、チーム全体ではIQ85の力しか発揮できないことがあります。
チーム学習はそのパラドックスに立ち向かい、一人ひとりのIQが85であっても、チーム全体としてIQ120を発揮することを目指します。

チーム学習は、ダイアログから始まる。ダイアログは、メンバー同士が個々のメンタルモデルを保留して共同思考に入るために必要なプロセスです。

チーム学習が大切なのは、現代の組織では個人ではなくチームが学習の基本単位だからです。チームが学べなければ、組織は学ぶことができない。
以下は「学習する組織」326ページからの引用です。

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2006.07.04

学習する組織 その6 共有ビジョンの構築

先ず、最初に断っておくことがあります。これは、TQMやISOとは違う概念です。
それは、ビジョンの構築は経営トップの仕事ではないと言うことです。
組織の人々がそこに参加し、個人のビジョンと組織のビジョンを対話(ダイアローグ)によって結びつけていくプロセスの中で「共通のもの」になっていく。
それによって「個人」は「全体」と結ばれる。

共有ビジョンを構築するステップには5つの段階がある。

 命令 → 説得 → テスト → 相談 → 協創

命令:
「これが私たちのビジョンです。私の言うことを聞きなさい。このビジョンに賛同しない人は、会社を辞めて自分のあった職場を探した方がよいよ」

説得:
「これが望ましい行動です。私はそれを信じています。しかし、皆さんが賛同してくれて始めて実行できるのです。」

テスト:
「このビジョンのどこに興味をそられますか?興味のない点はどこですか?言ってください。」

相談:
「皆さん、私たちはどんなビジョンを採用したらよいでしょうか?」

協創
「あなたにとっても、みんなにとっても望ましい未来を一緒に作っていこう。」

最初の命令タイプの組織は、軍隊や製品設計のない製造業では多いのではないでしょうか。
物が相手の商売では仕事の仕方をマニュアル化して、命令方式で仕事を進めた方が効率的かも知れません。
しかし、人が相手の業種ではこれではうまく行かないと思います。

共有ビジョンを構築するには、組織の現状の状態に合わせて、このステップのどこから始めてもよい。
しかし、最後の段階「協創」に入るには、その前に個人の メンタルモデル が確立されていなければなりません。

いずれにしても、これを実施していく過程において、トップと社員との間で数多くの対話(ダイヤローグ)が必要になります。また、その対話が価値を共有したコミュニティを生み出す過程です。

構築の期間は、開始前の組織の状態により異なります。
「学習する組織 フィールドブック」の中で、ハノーヴァー保険会社で後に社長を勤めたビル・オブライエン氏は、典型的な命令タイプの会社組織を改革し共有ビジョンを構築し業績が出るまでに10年かかったと述べています。

ビジョン構築後は、ビジョンを特定の「日常的目標」に落とし込む。
この過程はTQMやISOにおける方針展開とほぼ同じです。

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2006.07.03

学習する組織 その5 共有ビジョンとは

数年前、経営品質アッセサーコースを受講したとき、3人の石切工の逸話が出てきた。
(どのテキストに出ていたかは覚えていませんが)
あるお坊さんが修行に歩いているとき、石切り場で仕事をしている3人の人達に出会った。
その人に「あなたは何をしているんですか」とたずねると

1人は 「見れば分かるだろ、石を切っているんだ、これで家族をくわせているんだ。」 と答えた。

もう1人は 「わしはこの国で一番の石切り工だ、おれの仕事ぶりをみてくれ。」 と答えた。

最後の1人は 遠くをみつめて、瞑想するように、「わたしはこの場に、皆のために、この国一番の寺院を作っているんだよ。」 と答えた。

この例で言うと、各石切工は働く目的を持っている、始めの2人の石切工は個人或いは家族のために働いている。

最後の石切工は寺院を建設する組織及び社会のために働いているといっている。石切工は、寺院を建設する組織・社会と働く意味を共有している。
その共有化された意味が共有ビジョンです。

この共有ビジョンには次の要素が含まれている。
 ビジョン:自分たちが望む未来のイメージ
 価値観:目指す場所までどのように旅をするか
 目的又はミッション:組織は何をするために存在しているのか
 目標:近い将来に到達する一里塚

組織の中に共有ビジョンが構築されたとき、組織に創造的緊張が生まれ、そして、目的・貢献意識を生み組織を目的集団に変えていく。
その様子は「鳥が木から一斉に飛び立つ」ように動き始める、と表現されている。

では共有ビジョンはどのようにして構築したらよいか。次のブログで紹介します。

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2006.06.13

学習する組織 その4 メンタルモデル

メンタルモデルとは、私たちの心の奥に住みついているイメージや仮説のことであり、私たちが世界をどのように見るか、意識づけるかと言った認識を形作るだけでなく、どう行動するかまでをも決定する。

問題なのは、それが単純化されたモデルになり、意識の下に隠れて暗黙の了解になっていることである。
例えば、ビジネスの中で長年にわたって幅を利かせてきた原則や常識は、支配的なメンタルモデルとなって企業の変化を妨げている。
それを検証して、正しいメンタルモデルを形成する必要がある。

メンタルモデルの例
<うまくいった例>
キャノン(御手洗社長)    部分最適にメスを入れ、全体最適に導く
ホンダクリオ新神奈川    会社は家庭、社員は家族
<問題を起こした例>
改革前の日産自動車    悪いのは自部でなく、どこかの部
村上ファンド(村上世彰氏) 会社は株主のものである
ライブドア旧経営陣      法すれすれでも儲ければ勝ち

以上は会社全体の話ですが、最近聞いたもう少し身近な例では、多くのISO審査員は「審査では付加価値のある指摘しなければならない」と思い込んで審査をしている。
ところが、受審側かからから見ると付加価値ではなく負荷であったり、適合審査の何でもない一言が付加価値であったりする、ということがあるらしい。

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2006.03.26

学習する組織 その3 自己実現

学習する組織 5つの能力 の中で、成果を左右するものは「システム思考」です。
しかし、組織は「システム思考」を身につけようとしても何から手をつけてよいかわからない。
ここでは、自己実現→メンタルモデル→共有ビジョン→チーム学習→システム思考 の順番で手順を追って考えて行きます。

2004年5月の私のブログ「エンパワーメントの矛盾と幻想」で述べたように、これまでトップ(又は上司)が具体的に指示を出し、社員はこれに従うと言う形で仕事が進められてきた組織では、今になって自立型人間(自分で考えて仕事をする)と言ってみても、社員は戸惑い混乱するだけです。

vision社員個人々人の中に、自分は何をやりたいかと言う個人ビジョンを自覚させ、そのビジョンと現状の間に緊張感を持たせることが学習の第一歩です。
 
このことを、クリエーティブテンションと言う。
 

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2006.03.15

学習する組織 その2

学習する組織の5つの能力に入る前に「学習する組織」とは、そもそも何なのかを考えてみる。

ピーターセンゲ教授の定義では
「人々が継続的にその能力を広げ、望むものを創造したり、新しい考え方やより普遍的な考え方を育てたり、人々が互いに学びあうような場」「人々が強い意欲を持ち、コミュニケーションの方法を学びながらシステマティックなアプローチによって共通のビジョンの実現を目指すチーム組織」
となっている。

基本はチームである。チームの集まりが組織となる。

学習する組織の特徴

一つは組織における人間関係の親密さである。
昔から(今でもそうかも知れないが)日本では、5時から帰りに一杯のみながら仲間と仕事の話をする。これができないと一人前の仕事ができないようにいわれてきた。
このような人間関係は大切ではあるが、ここで言っているのは、飲まなければ云えないのではなくて、しらふの状態で上下へだてなく気楽に、深刻な話をし合える関係になっている。
と言うことである。

二つ目は、権限の共有化である。
命令によって仕事をするのではなく、共通のビジョンのもとに一人ひとり個々に、或いはチームとして意思決定をするが、結果に対して「共同責任」をもつと言う関係にある。

そして、組織内では常に下図のようなチーム学習の輪が廻っている。
この学習によって、個人とチーム力が向上し、結果的に卓越した業績を残すようになっていく。

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2006.03.10

学習する組織 その1

 今日は東京でJQAA夜間大学(日本品質協議会アセッサーの勉強会)で「学習する組織」の勉強会がある。
明日はEA21の審査人研修会があるので、前日に出かけて参加した。
この勉強会は昨年も行なわれたが、今年は3月、4月の2回に分けて行なわれ、今日はその第1回目である。
18時に御茶ノ水 総評会館に行くと60人位が集まっていて、ほぼ満席。

ピーター・センゲの学習する組織「5つの能力」フールドブックを購入し事前に目を通して出かけたが何しろ分厚いテキストなので十分理解できない。
一昨年以来JQAA理事の自主学習会があり、その学習結果をもとに寸劇・ワークショップなどを織り交ぜて紹介していただいた。

「学習する組織」は米国の経営手法で、特にサービス業や研究開発においては有力な武器となる方策であると聞いている。その歴史的経緯は、次の3つの流れからきている。
・1980年代の日本発 経営革新の手法 TQC、QCサークル
・1978年 クリス・アージリスドナルド・ショーンによる組織学習
  1983年 アリー・グースによる長寿企業の4つの法則「企業は生き物である」
・1960年代から研究された システム・ダイナミックス
これらの理論をもとに、MITピーター・センゲ教授が「学習する組織の考え方」を研究した。
1990年研究結果を「最強組織の法則」で発表し、世界的ベストセラーとなった。
なお、日本ではこの著は1995年に発行されている。

その著の読者より、では、前書の最強組織はどうして作るのかと言う問い合わせが数多く出され、その4年後にその方策(フィールドブック) 学習する組織「5つの能力」が発表された。

その書に従って組織改革を進めていくうちに、推進上の幾つかの課題が出てきた。1999年その難問についての解決策を提示したフールドブック 学習する組織「10の変革課題」が発行された。
なお、この書は日本では2004年に発行されている。
これらの書は、このブログの左下に本の紹介がありますので興味のある方は見てください。

 私自身、学習する組織「5つの能力」のフールドブックを購入し、勉強を始めたばかりです。
このブログに連載で、自分の勉強をかねて、感じたことを紹介させていただきます。

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2006.03.02

つくる-考える-気づく-やって見る

 今日は金沢日航ホテルで開催された 産学連携「製造中核人材育成事業報告会」 に参加した。
趣旨は、2007年の団魂の世代の一斉定年退職に向けて、製造業の技術の伝承をどうするかという命題に向かって経済産業省の支援を受け、金沢工業大学と地元企業との連携で開発した人材育成プログラムの紹介と研修人員派遣の呼びかけであった。

内容は、講演、人材育成プログラムの紹介、パネルディスカッションで午後1時に開催され4時半に終了した。
100名の会場に9割程度の入り、PRの割りには参加者が少ないようだ。
聞いていて自分が興味を引いた点を次にのべます。

以下は金沢大学の飯島先生の話です。
 最近中国の深センに行ってアップルの生産工場を見た。女子社員がチームを組んで本当に無駄なく作業が行われていた。そして、各チームのQCDの成績が別の場所に表示されコンテストが行われている。本当に効率的である、でもこれは工場労働者の負担の上に成り立っているのではないかと思い尋ねると「大丈夫です。中国にはどれだけでも人はいますから」ということだった。
でも、日本ではこんなことはできない。
日本では、もっと付加価値の高い生産工程を作っていく必要がある。たとえば、昨年、金沢IT活用優秀企業として谷田合金さんを表彰した。谷田合金さんでは、アルミ鋳物を受注から加工完品までやっている。そこではCADAMを用いて生産計画を組んでいるが、生産計画は社員誰もがいつでも変更ができるようになっている。顧客の要望に応じて臨機応変に日程を組み変えたり、自分の能力に仕事の担当を変わったりできるようにしている。
このような、顧客のニーズに気づき社員自らが工夫できる生産工程というのもひとつの回答ではないか。
――――――――――<話はここまで>――――――――――

実は、自分は7~8年前勤めていた会社が谷田合金さんと取引があり、生産工程を見せてもらった事がある。そのとき、確かにそうなっていたのを思い出した。

この話の関連で、ベアリングのローラーを作っている(株)東振の中村専務の話も面白かった。
東振では、「つくる ― 考える」ということを徹底しているということです。
 
「学ぶ ― つくる」ではないですね。 作ってから考えるということから新しい気づきを発見する。
「ものづくり→人づくり→価値づくり」という連鎖が強い日本の中小製造業を作るということでしょうか。

なぜ、こんなことを思ったかというと、私が別に受講したALセミナーの内容と似ていて共感したからです。
以下に自分のALセミナー、課題レポートの一部をお見せします。

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2005.10.12

変革を成功に導くダイヤローグ(対話)

今日は、東京神田である商社様の引き合い打ち合わせにきたあと、JQAA大学(日本経営品質協議会セルフアセッサー研修)の月例研究会に参加させていただいた。
今月のテーマは「ダイヤローグを成功に導く」、講師はスマートワーク社代表の千田彰氏です。
千田氏は、リクルート社役員を経て、2001年にこの会社を立ち上げられたとのこと。

セミナー内容は、ファシリテータ手法のひとつで、米国バイカル・スマート社で開発され、これまで米国ビジネス界で広くも用いられてきた。

米国での調査では、シックスシグマなどの改革プロジェクトを社内に導入するが、その成功率は25%しかない。
成功する企業と、失敗する企業の差がどこにあるか調査したところ、どの会社にも当てはまるある共通の事柄が見つけられた。
成功する企業には上司・部下の間で「気楽にきまじめな話ができる」という風土がある。
人間は、何か新しいことをやろうとすると抵抗する。成功する会社では、その抵抗に対して上手に対応する風土(コミュニケーションスキル)があるが、失敗する会社にはその風土がない、という点だ。その調査研究結果にもとづき、そのコミュニケーションスキルを体系化してプログラム化したものが今回の紹介内容であった。

この研修を聞いて、暫らく前に読んだ香本裕世筆「会社を変える人材開発」に出てくる事例と同じことを言っていると感じた。
 
香本さんとは、7月に同じく東京で開催されたGIALアクションラーニングコースで同じグループセッションを受講した。コース受講中は、香本さんが、それ程有名な方とは知らなかったが、帰ってから氏の著書を購入し読んでびっくりした。

このブログの後段で、スマートワーク社の研修の骨子を紹介しますが、骨子だけでは中身は余り良くわからないと思います。 実戦編として香本さんの著書の事例を読んでいただくとよく理解できると思います。

  ⇒ 香本裕世筆「会社を変える」人材開発

以下に、ダイヤローグ(対話)を成功に導く手法のポイントを紹介します。
しかし、このスキルは理論だけ理解してもやれない。ひとつずつ何回も何回も繰り返し練習していくうちに習得できるそうです。

続きを読む "変革を成功に導くダイヤローグ(対話)"

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2004.10.06

褒めることが人を輝かせる

日経ビジネスのメールマガジンを表題をながめていたら酒井光雄氏の「褒めることが人を輝かせる」という記事の紹介が目にとまった。開けてみると、ザ・リッツ・カールトンホテルの顧客からの「称賛の手紙」の食堂への掲示や、助けてもらった人に感謝の気持ちを伝える「ファーストクラス」システムの例で、褒めることが如何に相手のやる気を引き出すかを解説している。
確かにそうだ。自分の友達を見ていても、仲のよい夫婦は褒めることがうまい人が多い。
 そんなことは解っている、という人は多いだろう。しかし、頭では解っていても、実際には、行動が伴わない。
自分も、仕事の面では、意識して使っているが、家庭では余り気を使わない。それでは、ダメなんですね。日ごろから常に使って、褒める言葉の数を増やさなければ!
この記事の詳細は私の業務ホームページデータベース6-09 に掲載されています。

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2004.05.23

エンパワーメントの矛盾と幻想

 日本経営品質協議会のアセスメント基準書によると、エンパワーメントとは「組織の戦略目標が社員に理解された上で、現場に大きな権限が委譲された状態を指します。激しい経営環境の変化に対し迅速で柔軟な経営を実現するため、現場が主体的かつ迅速な意思決定を促すしくみです。社員の自立によるやる気を通じて、組織の生産性向上に結びつく側面を持つとともに社員の無力感を取り除き、モチベーションを高める効果があります」とある。
実際、経営品質の向上を目指す企業は勿論のこと、ISO9000:2000年版でも、表現は明確でないが、要求事項の随所にその考え方が入っており、最近の日本における経営の1つのトレンドとなっている。
ところが、自分が、コンサルティングで色々の企業様にお伺いしていると、経営者の方々は「うちの社員には、もっと自主的に提案し行動するようになってほしい」といったエンパワーメントを求めるお話をされるが、実際の決定権限は、認めておらず、本心はそうなってほしくないのではないかと思われることに出くわす。
これは、日本に限らずその源流であるアメリカでも同じことらしい。
 最近読んだハーバード・ビジネス・レビュー・ブック「エンパワーメントの幻想と現実」(クリス・アージリス筆)の中に、エンパワーメントに対する経営者側と従業員側の複雑な心理が紹介されている。
エンパワーメントに対する極端な例として、東ドイツに逸話がある。
ーーーーーここから引用ーーーーー
外因的コミットメント(トップダウンの指示にもとづいて仕事を進めるという意味)というのは、多くの従業員の場合、生き残りのための心理的よりどころ、すなわち組織に適応し、身を守っていくための行動一形式となっている。彼らは、これを処世術とすることによって、たいがいの環境で生き延びていけることになる。
その実態は、旧東ドイツで現在起こっている”ドラマ”で証明できる。ベルリンの壁が崩壊すると共に、東ドイツの労働者のそれまでの働き方がガラリと変わることになった。人部分の労働者はそれまで、上層部からの指示に従うことによって自らの人生を全うすることができると信じていた、つまり、東ドイツの工場はそれまでの40年間、ほとんど例外なく中央からの指令を受け、その指示に従って生産活動を維持していた。もし労働者のだれかが、自らの"運命"を自らの手で切り開くために、そのために必要な権限を与えてほしいと言い出したりすれば、彼は自分の生命をすら危うくしたことだろう。その結果、東ドイツの労働者たちは、自分たちに求められる仕事のうち最低レベルのものを成し遂げれば任務は完了という"労働倫理"を打ち立てたのである。
共産主義政権が消滅した後、私は旧西ドイツの経営トップたちと何度かディスカッションの機会を持ったが、彼らは口々に旧東ドイツ労働者の覇気のなさ、取り組み意欲の乏しさを訴え、驚きと困惑の声を上げた。そして、外因的コミットメントに浸り切り、そのルールに従って何十年も生きてきた人々が、内因的コミットメント(自分自身で仕事のやり方を創造し決定実施すると言う意味)と正面から向き合い、これを新たなルールとして受け入れるというのは、彼らにとって肝をつぶすような、あるいは恐怖の出来事であるようだと言い、そうした事態は、自分たちの理解を絶するものだと嘆いた。
ーーーーーここから引用ーーーーー
 これは、東ドイツだけでなく日本においてもワンマン社長に率いる殆どの中小企業が同様の状況ではないかと思われる。
そのような会社では、早急にエンパワーメントを進めることは失敗につながる。トップダウンによる業務管理の中に、エンパワーメントを織り込んでいくというのが現実的である。そして、時間をかけてゆっくりとエンパワーメントを拡大するというプロセスをとらなければならない。
 結局のところ、エンパワーメントというのは、経営の理想であって完全なエンパワーメントはありえない。そしてトップダウンによる業務管理を行うか、社員のエンパワーメントによる業務管理は、業態やこれまでの組織文化によって違ってくることになると思う。

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