2013.08.14

生物多様性って何だ!

 地球環境問題で「気候変動」や「資源の消費」というのはよく分かる。しかし「生物多様性」というのは、今ひとつい腑に落ちない。
生物多様性には、生態系の多様性、遺伝子の多様性、種の多様性がある。「種の多様性」は「生態系の多様性」と「遺伝子の多様性」の結果であって、種が減少しているという現実は、生態系が破壊されたか、遺伝子の多様性が喪失した結果である。
「生態系の破壊」は、水、食料、木材等の恵みが減少するという形で我々の生存環境に影響を及ぼす。「遺伝子の多様性の喪失」は、医薬品開発やバイオプロセスによる技術開発の機会損失という形で我々の生存環境に影響を及ぼす。
これは人間が自然から受ける便益(恵み)が少なくなることを説明しているものであるが「気候変動」や「資源の消費」より重要度ランクが低いように感じる。
「生物多様性の喪失」が重大問題であるという本当の理由はなんであろうか。

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2009.07.29

eco検定・エコピープル・エコユニット

 私はISO14001のコンサルやエコアクション21の審査人、環境カウンセラー、地球温暖化防止推進員と、有償ボランティアに近い立場で環境に関わっている。
またISO14001の自己適合宣言に移行する企業や、何年もISOをやっている企業には内部監査員のレベルアップのためにeco検定を受験することをお勧めしている。顧客に勧めている自分が受けていないのは問題だと思って、7月26日第6回のeco検定を受験した。
環境を業としている私のような立場では、何も勉強しなくても合格するのが当たり前である。でも、正直なところ、もし落ちたらどうしよう、日頃生意気なことを言っている手前、恰好がつかない、と不安が頭をよぎる。そこで、事前勉強をしようと思って、昨年テキストと問題集を買った。しかし、仕事や町内会など忙しいことにかまけて殆ど勉強しないまま、試験日直前まで来てしまった。

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2009.03.24

環境コミュニケーションで利害関係者の満足度を上げる

エコアクション21には、「環境活動レポート」の発行が義務付けられています。また、2006年8月にISO14063「環境マネジメント-環境コミュニケーション-指針及びその事例」が発行され、2007年6月には環境省の「環境報告書ガイドライン」改訂されました。環境マネジメントの中で環境コミュニケーションが段々と強調されてきています。
でも環境コミュニケーションって何だろう。
私は、こう思います。
現代は私たちの生活スタイルそのものが地球のキヤパシティを超え、地球温暖化を初めてとする多くの問題を引き起こしています。
我々人類のすべてがこの問題の解決に当たらねばならない。それにはどうしたら良いか。
今NHK大河ドラマで「天地人」が放映されていますが、この言葉になぞらえて言うと
「天」-温室効果ガスの削減等、国連を通してその理念と具体的目標を設定する。
「地」-これを達成する仕組みの整備や技術を開発する。
「人」-人のこころ、互いの理解と納得を深め問題意識を共有する。

地球温暖化対策等に関するこれまでの経緯では、「天」「地」は段々と見えてきており、問題は次の「人」のところに移ってきているからではないかと思います。

では、企業にとってはどのようなことが必要なのか。
人でも企業でもコミュニケーションの第一歩は、自分の内面を開示することです。良いところ、悪いところを含めて自分の内面を開示しなければ誰も信用してくれません。
このためのツールは大企業では「環境報告書」であり、中小企業では「環境活動レポート」です。
でも、環境報告書や環境活動レポートの発行はコミュニケーションの第一歩でしかありません。
企業の環境保全活動の本質は、企業活動におけるステークホルダー(社員、取引業者、顧客、行政、地域の人など)に対して地球環境の尊さを訴えかけ、自らが率先垂範しながら地球環境保全活動の輪を広げていくことです。また、その過程のなかで、製品・サービスの環境的付加価値を高め、新規顧客の獲得や顧客の囲い込みを行い収益に結び付けていくことです。
先日エコアクション21の審査で小さな造園業ですが、このことを非常にうまく行っている事業者に出会いました。
事業者の了解をえて、その一部を紹介します。

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2008.11.06

生物多様性とは、何をするの?

 11月5日、環境カウンセラー資格更新に必要なため、名古屋国際会議場で開催された環境カウンセラー研修に参加しました。
0811rimg0182 研修のテーマは2010年10月名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が開催されることもあって「生物多様性」でした。

生物多様性という概念は難解であるが、一口にいうと、生物のつながり、個性のことを指し、生態系、種、遺伝子の3つのレベルがある。

現在、この多様性が急速に失われつつあることが問題である。
その原因は、地域の乱開発、外来種の人為的持ち込み、急速な気候変動(温暖化)などである。
と言っても、私個人として、今すぐ我々人間の生活に実害がないので、なんとなくピンとこない。多分、大部分の一般の人もそうではないかと推測します。

いったい何をすることなのか?ということがこのテーマへの参加の動機です。

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2008.02.24

産業界に対する温暖化防止施策の動き

18・19日、近畿地方のある市役所様へ自己宣言移行に伴う内部監査員養成研修のお手伝いに行ってきました。
自己宣言では、何よりも内部監査がキッチリしていることが肝要ですから。

ところで、研修の準備をしているときに、産業会に対して、急ピッチで温暖化防止に対する政府の施策が出ていることに気がつきました。

省エネ法改正予定については先のブロク「二酸化炭素排出量と省エネ法改正予定」で紹介しました。

もう一つは、平成19年11月22日施行、12月7日基本方針が閣議決定された「環境配慮契約法」です。

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2006.12.09

環境への認識度の変遷

私が環境問題に関心を持ったのは今から約20年前、つくば科学万博の頃だったと思います。
毎日新聞社が万博記念懸賞論文を募集していたので、勉強がてらに書いてみようかと思って図書館に行ったとき、たまたま見つけたのがアメリカ合衆国特別調査報告書『西暦2000年の地球』でした。

これはカーター大統領が米国政府内部の諸機関のデータを総動員して20世紀末の「世界全体にわたる人口・資源・環境についての諸傾向を予測した報告書の日本語訳です。

かなり分厚い報告書で、わかりにくいところもあり何度も読み返しているうちにビックリ仰天。

その中には1975年の世界人口40億人が2030年には百億人をこえるであろうこと。
1940年代に始まった世界的な寒冷化の傾向が、20世紀の最後の四半世紀になって逆転する。大気中の二酸化炭素の増加による温室効果によって、著しい温暖化が進む。
この間、地球上の環境、とりわけ土地と水と大気のいずれにも大きな変化が起こり得る。
土壌環境ではほとんどの土地で地力の全般的な減退が進み、地域の生態系への負荷が重くのしかかると見込まれる。こうした変化は、当然に食糧問題とも連関する。
・・・・・等。
今日問題になっている環境問題の殆どが網羅されていました。

これほど重要な報告書なのに、当時日本中はバブルに浮かれ、そんなことを心配する風潮は全くない。
アメリカもカーター政権退陣後は、環境問題にふれることが殆どなくなった。

しかし、私はそのことが頭から離れず、その後英国ウエールズ通信制大学院環境マネジメント学科に入学し、その後環境を仕事の一環とすることになりました。
(通信制大学院の方は、仕事との両立等の関係から結局デュプロマまで行ったところで中退してしまいましたが)

その後、今から5年程前、環境コンサルタントをやり始めた頃は、ISO14001を取りくむに当って、なぜ環境問題が重要なのか、地球温暖化・資源枯渇・化学物質の毒性など環境問題の解説から始めなければならなかった。

ところが、最近は環境問題への認識が随分と変わりました。

先月から社員15名位のあるプラスチック製造会社様にISO9001/14001のシステム構築のお手伝いにお伺いしています。

その会社で入門教育の時に、試しに地球温暖化について「100年後に地球が今のままの温度を保つには炭酸ガス排出量をどれだけ削減しなければならないでしょうか?」と聞いてみました。
なんと「おおよそ70%です」という答えが即座にかえってきた。

専門家でも、中々正確に答えられないです質問です。それが小さな一般事業所の社員の方が正確に回答された。

もはや、環境問題について「知る」時代は過ぎました。ほとんどの人が環境問題の存在とその原因や取るべき対策を漠然とながらも知っています。

いま必要なのは、環境問題、特に資源・エネルギーの消費に対しての「具体的な改善手段を提示すること」と「行動すること」だと痛感しました。

そのようなことから、このブログでは
 省エネルギー・新技術
 資源循環(ゴミとリサイクル)
の具体例を紹介していますが、何しろ力不足です。
皆様の方でよい事例がありましたら、コメントやメール等でご連絡下さい。ご紹介させていただきます。

よろしくお願いします。

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2006.07.31

「環境にやさしい」をどう考えるか

7月29日、30日、2日間に渡って山形メトロポリタンホテルで第1回エコアクション21全国大会が開催され、私も参加しました。参加者はEA21審査人、地域事務機事務局、EA21を運用している企業の方など約400名。

この中で、基調講演で行なわれた国連大学副学長の安井教授の「『環境にやさしい』をどう考え、どう判断するか」という基調講演が、今後環境保全活動を行って行く上で参考になる点が多々あるように感じました。

また、安井先生自身、皆さんからもこの状況を他の人に話してほしいとの話がありましたので、以下に私が聞き取った講演の骨子を掲載します。
なお、この講演内容の大部分は、安井先生のホームページ「市民のための環境学ガイド」講演資料「企業戦略とCSR」の中に入っています。

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2005.06.10

種の多様性

地球温暖化と並んだ大きな環境問題として生物の多様性の危機ということを聞く。
ダーウインの進化論では、環境に適応して新しい種が生まれると、従来の種が滅びるという進化を繰り返しているという。しかし、現在は1つの種が生まれると、30種もの種が消えているという。こんな状態は人間にとっても良くないといわれている。
ところが、どうして、これが良くないのだろうか余りピンとこない。

今日、社友会から送られてきた「よーそろ」という交流マガジンを見ていたら植物学者の宮脇先生のエッセーが載っていた。
その中で「生物多様性」の大切さの例をあげておられる。

今、外来種のセイタカアワダチソウが日本中にはびこっているが、鎮守の森などの本物の植生の森には入ってこられない。松林には松食い虫や春先の山火事が続出しているが、これも松が本来生育すべきポテンシャルな自然の領域の250倍以上に増えすぎてしまったからで、松食い虫を退治するために幾ら消毒をしても根本的な解決にはならない。

日頃、セイタカアワダチソウの氾濫や、加賀海岸線で松林が松くい虫で次々と伐採されていくのを見ているので、この例は身近な問題として非常にわかりやすい。
そういえば、花粉症の多発も同じ原因だそうで、私たちの子どもの頃は、お腹の中では回虫など、いろんな寄生虫と同居していた。 現在では、無菌状態になって体内の抗体が攻撃するものがなくなって、本来攻撃対象となりえない花粉などに異常反応しているとか。

このまま、近代文明が作った環境に部分適応していると、かの恐竜と同じように環境に異変が生じたときに近代文明の中で育った人種は絶滅してしまうかも知れない。

そう考えると、種の多様性は重要な問題ですね。

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2005.06.06

世界を変えるお金の使い方

東大 山本先生の「世界を変えるお金の使い方」という本が出版された。 山本先生は日本の環境政策の知恵袋として活躍され、講演も聴いたことがあるので親しみを覚えて買ってみた。
私たちは、日ごろ自己の利益のため、金儲けのためにあくせく働き、何かあると罪滅ぼしのように募金をする。しかし、そのお金がどのように使われたかには余り関心を払っていない。
この本では、私たちそれぞれが、そのお金がどのような使い方がされるかを知って有効な使い方をする手引きをしている。
本の中から、解説を省略して、幾つかのテーマとアクセス先を紹介します。

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2004.06.30

有機農法のすすめ

 小泉内閣の「何があってもアメリカについていく」という姿勢の背景には、北朝鮮などに対する安全保障の問題があるといわれているが、も1つ指摘されることは、食糧安全保障の問題も絡んでいる。
このことは、マスコミに取り上げられることが少なく、一般に知られていないようである。
「我が国の食料自給率-平成14年度 食料自給率レポート・食料需給表」によると、日本の食糧自給率はカロリーベースで、1960年80%であったものが、現在40%に落ち込み世界173ヶ国中130番目である。
食糧の輸入先のトップはアメリカが群を抜いて36%、中国、オースラリヤ、カナダと続く。
しかし中国は急速な経済発展から食糧自給国から輸入国に転落、開発途上国を中心とした人口爆発も続いている。アメリカに逆らったら日本の食糧供給は保証されない。
この問題はこれからどうなって行くのであろうか。
このようなときに、日経ビジネス6月28日号に特集記事「農業再興」で、国内の農業が抱える構造的な問題が紹介されている。
これまでの農政及び農協を中心とするしくみが破綻し、崩壊の過程にあることが紹介されている。
特に、自分がアッと思ったのは、農業の農業就業人口の年齢構成の問題である。下のグラフに見られるように65歳以上の高齢者が55%を占めており、後5年で70歳を超え多くが引退すると見られることである。
耕地が放棄され益々荒れていき、食糧自給率も更に下がるのではないか、心配である。
 この状態をどうすればよいか、ということだが、2つの動きがあるようだ。
1つは、農産物を農協を通して市場に出すのではなく、自営農家として、消費者に直接販売するマーケートが形成されつつある。これらの自営農家では、消費者に顔の見えるということや、有機農法を取り入れていることで安心感を与えている。そんな農業経営を目指す若者が増えている。また、規制緩和により、カゴメ、キリンビール、ワタミといった企業の農業分野への新規参入が増えつつあるようだ。・・・・・これは日経ビジネスの記事です。
 もう一つは、有機農業の普及の機運である。EUは持続可能な農業を目指して有機農業への転換を指導してきた。現在日本では、有機農法の耕地面積率は0.1%であるのに対して、ヨーヨッパッパでは国によって違うが1~8%台になっている。ここへきて、ヨーロッパのように有機農業を広げようというNGO団体の活動が目につくようになってきた・・・・・これは枝広さんのメールマガジンによるものです。
 有機農業の普及がどうして食糧自給率の向上に貢献するのか?
自分なりに考えてみたことは
(1)有機農法は環境に優しくまた、有害化学物質が含まれないという安心があり、顔の見える市場の形成に貢献する。顔の見える市場では価格変動が小幅となり農業経営が安定する。
(2)日本のカロリーベースの自給率の問題で1番問題となるのは、穀物の大量消費により育った食肉の輸入です。有機食品は自然の味を大切のする。日本人に食生活の習慣を、肉食中心から自然本来の味中心に戻す役目を果たす。
ということではないかと思います。ヨーロッパのように有機農業拡大への政策転換を望みます。
 かくいう私も家庭菜園で有機農法をやって見ようと、エコプロダクト展で推奨された京大西村和夫博士の 「ぐうたら農法のすすめ」 を買って見たのだが、いまだやらずじまいで、こんなえらそうなことはいえないのですが(ι´Д`)。

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