2012.09.10

大阪市廃棄物処理場 舞洲工場見学記

 9月8日「ウェールズ大学大学院OB有志の会」のお誘いを受け、大阪市環境局廃棄物処理場舞洲工場を見学しました。
舞洲工場は大阪北港のユニバーサルシティのすぐ近くにある。

Rimg0286入口の写真です。外観をみるとユニバーサルシティと間違える。
事実、ユニバーサルシティと間違えて入ってくる人もいるとのことです。
こんな奇抜なデザインをしたのは、大阪にオリンピックを誘致するということで、オーストリアの一流デザイナーのフンデルトグァッサー氏(画家)にデザインを依頼したことです。デザイン料だけで1億円弱と聞きました。
オーストリアに旅行した人がこれを聴いて、東京からわざわざ見に来ていました。
 

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2008.11.20

意識改革の進め方

 19日は石川県地球温暖化防止活動推進員研修に参加した。
「石川県内の環境活動団体の地球温暖化防止活動を知ろう」というテーマで、自治体と市民の接点となっている団体から活動紹介があった。スケジュールでは4つの団体の説明が予定されていたが、1つの団体が急用で欠席したため、次の3つの団体となった。
1)こまつ環境パートナーシップ
2)かが市民環境会議
3)金沢市地球温暖化対策推進協議会
これらの発表の中で、1)「こまつ」、3)「金沢市」についてのプレゼンは、市の環境基本計画と、その計画に基づいたNPO等の環境保全活動についての説明であった。内容は、論理的によくできている。しかし、活動をやっているのは一部の人で市民全体活動になっておらず迫力がない。
2)の 「かが市」 については色々説明があったが、目玉は「生ごみの堆肥化=食品リサイクルシステム」で、この活動は、市民全体の活動になっていて、大きな成果が上がっている。話が具体的で聞いていても面白い。

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2008.01.03

我家の温暖化防止活動実行計画

みなさま、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

IPCCの報告によると、世界全体で私たち人間は化石燃料(油、石炭、天然ガス)を燃やして、大気中に出している年間72億トン(炭素換算、以下同じ)の二酸化炭素を出しています。一方、地球には、大気中にある二酸化炭素を吸収する力があります。森林生態系と海洋が年間に合計31億トンの二酸化炭素を吸収でしています。
つまり、温暖化を防止するには、その差41億トン(57%)削減する必要があります。

そして、途上国での今後の人口増加や経済成長を考えれば、先進国は排出量を70%~90%を削減しなくてはならないでしょう。

ところが2006年度の温室効果ガス排出量の速報値をみると、日本全体では、京都議定書の基準年度の対して6.4%も上回っている。なかでも業務部門が41.7%、家庭部門が30.4%も上昇している。

私自身は省エネルギーセンターの省エネ指導員に登録させてもらっているが、その関係からか、昨年末省エネルギ―センターより「家庭・学校の省エネコンテスト」に応募するよう矢のような催促があった。

今は地球温暖化は「知っているから行動する」という段階に移ったと思います。
私自身、今までは自分のことよりも事業部門の温暖化対策ということに力を入れてきましたが、今年からは本腰を入れて自分の家庭の炭酸ガス排出量削減に取り組みます。
省エネコンテストの宿題を兼ね、今年の正月に我家のデータを分析し「我家の温暖化防止活動実行計画」を作成しました。
検討してみると、多少お金がかかるが「今まである技術を使って2012年までに55%削減できる」という結果を得ました。
以下、その計画です。

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2007.11.06

古紙100%は環境にやさしくない?その2

前回のブログ「古紙100%は環境にやさしくない?」について日本製紙様へ内容確認を依頼した所、日本製紙環境安全部より、このブログの最下欄に掲載の大変丁寧な返答がありました。また、古紙100%配合廃止について記載した日本製紙CSR室発行の「紙季折々」を送っていただきました。

「紙季折々」では、古紙は大変貴重な資源であることや、海外植林を積極的に進め、そこからバージン紙の原料を調達すること、また2008年までに国内外のすべての自社植林地で森林認証を取得することが紹介されていました。

どうもありがとうございます。

しかし、地球温暖化の影響では、先の私のブログの掲載記事と同じグラフで「バージン紙は古紙100%品に比べると二酸化炭素排出量が3分の2となっており、温暖化に与える影響が少ないと見て取れます」と断定されています。

私は、ここのところの見解が異なっている。
「日本製紙のループ内で二酸化炭素排出量を算出すれば、そのような結論になるかも知れませんが、製紙業全体の原料調達の問題、紙の消費者の意識への影響を考えれば、古紙100%の方が二酸化炭素排出量が少ない。」
ということを言っている訳です。

「古紙は貴重な資源であるし、リサイクルすることでバージン紙に比べて生産段階の二酸化炭素排出量は多いが、廃棄段階までを含めた二酸化炭素排出量は少ない。しかし、古紙100%は資源・エネルギーを余分に使い無駄が多いので、最適な配合率にする。」
と説明していただければ納得できたと思います。

日本製紙様のような説明ですと、古紙100%をやめた本当の理由はコストの問題ではなかったか。そのことが言いにくいので、二酸化炭素排出量にすり変えて説明をされた。
消費者を騙しているのではないか? という風にも受け取れます。

なぜそう考えるかというと、古紙100%にこだわると、歩留まりが悪くなり、漂白のために余分のエネルギーが必要になり大幅なコストアップとなる。
加えて、最近の原油高、経済発展の進む中国などで古紙需要が高まり輸出量の増加などで昨秋から古紙価格が急上昇している(新聞紙古紙を例に取ると9円→14円になっている)。これらのコストを消費者に付け替える訳にはいかないので、古紙100%を断念した。
と推測されます。
現に、今年に入って日本製紙も王子製紙も減益、株価は急降下している。
だから、そんなことを言っているのではないか?

消費者の立場からは、
環境とコストのバランスが必要で、古紙100%にこだわれば価格が上がるということであれば、古紙70%で結構ということになる。

もう少し、全体的な影響を考慮した説明をしていただきたかったですね。

以下は日本製紙様からの返答です。

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2007.10.19

古紙100%は環境にやさしくない?

今月はリサイクル月刊です。
リサイクルに関する話題です。

先月、ある方より
「当社名刺に、一社員より『再生紙を使用しています。』という文言を付け加えた方が会社イメージと環境意識の向上によいのではとの提案がありました。しかし、横浜市のある有名なお寺さんの環境についてのホームページをみると
1)古紙配合率100%は、必ずしも環境にはやさしくなく、むしろ環境負荷が大きいということが、今では一般常識になりつつあること
2)製紙業界では古紙配合率100%の製品は生産されなくなっていること
が紹介されている。
再生紙100%の表示は逆効果でないでしょうか? 」
という相談を受けた。

ことのおこりは、新日本製紙グループが「古紙100%配合紙の製造段階における化石燃料由来のCO2排出量は、バージンパルプだけで作る紙の約2倍」と発表し、その後日経エコロジー誌がこの主張を6月にニュース記事として紹介したことにある。

Koshi_ところが、このほど発刊された日経エコロジー11月号では「リサイクルの競争力」を特集として取り上げている。
その中に「古紙100%でCO2が増加?」という記事で右のようなグラフが載っており、新日本製紙の主張を支持するような表現になっている。

この記事は新日本製紙のホームページの図1のグラフをそのまま転載したもので、新日本製紙の調査結果として
■バージン紙を生産する際にパルプの他に、製造工程で使える「黒液」と呼ばれるバイオマス燃料がとれる。この燃料は「カーボンニュートラル」、つまりCO2を増やさない。
これをカウントすると、古紙リサイクルの方がバージン紙の方がよりも1.6倍CO2を排出するとしている。
また、再生紙は森林保全など環境に良いといわれているが、森林認証を受けた取扱先から原料調達すれば問題ない。
と紹介している。

本当に、バージン紙の方が古紙100%よりもCO2排出量が少ないのだろか?
私は、この主張はCO2排出量の計算の範囲を、狭い範囲しか見ておらづ誤りがあると思います。

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2007.10.06

「生産能率の向上」と「二酸化炭素排出量削減」の関係

先日、製造業でISO14001を5年以上やっているお客さんより「”紙・ごみ・電気・水”はもうやりつくして活動が停滞している。何か良い方法がないか。」という質問を受けた。
そこで、
「環境の改善活動を本業に移したらどうどうですか。例えば、環境目的として”生産高あたり二酸化炭素排出量の削減”を中期目標に設定すると、その活動内容は生産能率の向上となり、なかば永遠のテーマとなりますよ。」
というお話をさせていただきました。
 
そのお客さんでは1996版でISO14001を取得し、その後、2004年版に切り替えておられるが、環境側面の本業への適用という点については、まだ十分に行っておられない様子で 「現場では小集団活動として改善活動を行っているが、これを環境に結びつけて考えたことはなかった。」 とのお話でした。

日本では、一般的に、ISO14001:1996年版では「管理できる環境側面」が中心で「紙・ごみ・電気」が三種の神器といわれてきた。
その後、2004年版の移行の過程で「活動における環境改善」から「本業における環境改善」への移行することが強調されてきたが、最初に1996年版で認証取得された事業所では、まだその点の意識づけが十分浸透していないのかもしれませんね 。

という自分も、数年前は環境と生産能率の向上を結び付けて考えてはいなかった。
この意識が変わったのはエコアクション21(以下EA21と記載)の審査人を始めてからである。

EA21が、ISO14001と異なる点の一つは、環境パフォーマンスの改善を要求事項としている点である。
ISO14001では、規格の目的として「結果として環境パフォーマンスを向上させることである」と記述されているが環境パフォーマンスの改善が要求事項にはなっていない。

EA21では、二酸化炭素排出量の削減、廃棄物の3R、水資源の節水をテーマとして取り上げることが必須事項となっている。

製造業では、環境負荷の自己チェックで二酸化炭素排出量を調べると生産現場の設備等による電気から発生するものが80%~90%を占める。
この費目を、余りお金をかけずにどうやって改善したらよいかを考えていくと、行きつくところは生産能率の向上になる。

大企業でも同じで、2年ほど前、講演で、CANONはセル生産方式導入(生産能率向上)で二酸化炭素排出量を3%削減したという話を聞いた。
また、先のプログ「意欲的な温暖化ガス排出量削減目標」の中で、リコーが生産プロセスの革新で二酸化炭素排出量を5年間に26%削減する計画をたてていることを紹介しました。

中小企業では、こんな訳にはいかないので、私のコンサルティングでは「5S活動で無駄とりをする」ことから始めることを推奨しています。

以上について、“まだ、しっくり行かない”と感じる方には、省エネルギーセンターの省エネ改善事例を見ていただくと納得すると思います。

省エネ改善事例のトップは「生産能率の改善」事例です。
以下にその例を紹介します。

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2007.03.30

EMSでの塩化ビニールの取り扱い

5年ほど前は、「塩化ビニールは燃やすとダイキシンが発生する」「塩ビ製造過程で添加するフタル酸エステルが環境ホルモン作用を起す疑いがある」ということで環境に悪い材料とされてきました。
一方、塩化ビニールは安くて耐久性があり省エネ性能もよいという相反するメリットがあります。

私がコンサルで訪問した車イス製造会社でもシートに塩ビを使っていて他の材料に切り替えようとするとコストが合わない。
フイルムヒーターを開発・生産している会社でも同じ問題で苦慮しておられた。
また、建設会社を訪れると器材倉庫に保管されている水道管などは殆ど塩ビである。

ところが、ここにきて風向きが変わったようです。

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2007.01.12

省エネ・リサイクルQ&A

 いつもお世話になっている社会福祉サービス関連お客さまより、内部監査員を追加したいので研修して欲しいとの依頼を受けた。

環境への認識教育の内容について、今更環境問題の重要性を話しても目新しさはない。具体的な方策の話をしようと「省エネ・リサイクル」についての問題を作りディスカッションすることとした。
この際、他のお客さまへも活用できるよう問題は一般的な内容を網羅し、その中から該当組織に合ったものを選択して問題集とする。

<作った問題を公開します>

Q1.使用済みの天ぷら油カップ1 杯(500cc)を排水口に捨てると、魚が住める水質に戻すためには浴槽何杯分の水が必要でしょか。

Q2.平成16年9月に古紙回収ルートの中に新しく追加にものがあります。それはどんな種類の古紙ですか。

Q3.日本国内のレジ袋を全廃すると石油はどれだけ節約できますか。

Q4.日本で使っている割り箸はおもにどこで作られていますか。

Q5. 私たち日本人は、1年に何本ぐらいのペットボトルを使い捨てているでしょうか。

Q6.電池には回収義務のある電池とない電池がありますが、回収義務のある電池とはどんな電池ですか。

Q7.ビールびんの回収・再使用率はどのくらいでしょうか。

Q8.家庭から1年間に出る生ごみと、日本人が1年間に食べているお米の量が同じって、ほんとうですか。

Q9.私たちは平均して1日にどのくらいの水を使っていまか。

Q10.携帯電話1台には、何グラムの金が入っていますか。

Q11.「リサイクルマーク」がついていないパソコンを廃棄するにはどうしたらいいの?

Q12.フロンの生産中止になってから、もう20年もたつのになぜオゾンホールが史上最大になるのでしょうか。

Q13.エコキュートは、どうして熱効率がよいの?

Q14.太陽電池の発電コストが、電力会社の電力料金より安くなるのは何時ごろでしょうか。

Q15.液晶、プラズマ、ブラウン管 最も省エネな大型テレビはどれですか。

この問題の出展は、日経エコロジー「2006年10月号技術事始」「2007年1月号環境Q&A」及び枝廣淳子筆「回収ルートをたどる旅」の掲載内容の一部を要約してあります。
詳細を見たい方は、上記図書を購読下さい。

回答(及び簡単な解説)は以下にあります。

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2006.05.03

廃棄物のリサイクルの現状

4月25日~28日まで、大阪で産業廃棄物処理業の認可申請に関する講習会を受けてきました。
エコアクション21で廃棄物処理業を審査する審査員は、この講習を受けることが必要条件になっている、と言う理由によるものです。
大阪コースの受講者は90名、東京コースと合わせると300名弱で、登録されたエコアクション21の審査員の半数が受けられたと言う計算になります。
講習の内容は、廃棄物処理業に係わる専門的内容になりますのでここでは取り上げませんが、テキストの中に排出物の再生利用の状況が出ていました。

ISO14001やEA21でゴミのリサイクルを取り上げている事業所は多いと思いますが、事業所を出た後どのように処理されているか、その実態はよくわからないと思います。

という私もこのデータを見るまで、実態を良く知りませんでした。
廃棄物のリサイクルはこの10年間で3割以上増えている。この効果があって最終処分量(埋め立て)はほぼ半減している。
このデータを見ると、ふん尿、紙、廃油、廃タイヤと言うのはリサイクルの優等生ですね。
紙は段ボールは大変よいが、印刷に使用する紙は余り良くないですね。
以外に悪いのが廃プラスチックでしょうか。
再生利用31%、埋め立て37%、残りは単純焼却。 これから益々原油不足になってくる見通しにあり、もっと廃プラスチックのリサイクルに力を入れる必要があるようですね。

以下は平成15年のデータで、成績のよいものから順に並べます。

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2006.02.24

オフィスペーパー・リサイクル

今日の午後は、金沢ニューグランドホテルで金沢商工会議所主催の環境セミナーに参加した。

13時30分開始、無料ということもあったのか、150名の席は満席の盛況。

先ず、最初は財団法人古紙再生促進センターの大野次長の講演でした。

話の概要は、半分は古紙再生推進センターの業務内容の紹介で、古紙再生促進センターのホームページに掲載されているので省略します。

話を聞いていて、私は"おや"と感じたことを以下に紹介します。

1.古紙リサイクルの現状
 古紙の回収率は年々上昇し、現在70%までに達したとのこと。ところが、利用は60%止まり、その差10%はどうなっているかと言うと、中国に輸出されている。
古紙リサイクルセンターが心配しているのは、中国では慢性的に古紙が不足しており中国の景気次第で輸出価格が変動する。日本の古紙の価格がこの影響を受けて変動するのではないかということでした。

2.オフィスペーパーのリサイクル窓口
 オフィスペーパーのリサイクルは自治体では引き受けてくれないので、古紙問屋に持っていく必要がある。
ところが運搬トレーの関係で問屋の取扱単位は1トン単位で少量のオフィスペーパーはなかなか取りに来てはくれず、リサイクルが進まない。
そこで、オフィス町内会のような企業有志グループや、一部の意識の高い問屋により回収を頼っている現状である。
オフィスペーパーについて、どこにどんな回収組織があるかは、2004年12月の私のブログ 「ゴミの削減」 で紹介していますので、そちらをご覧ください。

3.シュレッダーにかけたオフィスペーパーのリサイクル
 個人情報保護法の関係で、オフュイスペーパーをリサイクルしたい気持ちはあるのだが、シュレッダーにかけ、廃棄物として処分してしまう会社が増えているようです。
古紙問屋がシュレッダーにかけたペーパーをリサイクル古紙として取り扱ってくれない理由は、シュレッダー古紙に含まれる異物の存在を警戒しているためだそうです。
そこで、シュレッダーを数台用意し、上質紙、コピー用紙、カーボン紙等のように分けてシュレッダーにかけるようにすれば、上質紙、コピー用紙はリサイクルできると言うことでした。
しかし、問屋が、異物が混入しないと確信しないと引き取ってくれないので、行きつけの古紙問屋の責任者の人とよく話しあってください。

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