2009.12.12

ISO14001規格の問題点

 環境マネジメントシステムとは、一般的に環境パフォーマンスの継続的な向上を目指すものと思われる。しかし、EMASやEA21は、特定の環境パフォーマンス基準に言及しているが、ISO14001では、環境パフォーマンスの向上を要求事項としていない。
小職の経験では、国内大手の認証機関の判定でも、環境パフォーマンスの向上は組織の自主性に任され過ぎていて、極端な場合、環境リスクの管理がキチンとできていれば、環境パフォーマンス向上の取組がほんの僅かあればISO14001規格に適合と判断される例を時々みかける。
果たして、それでよいのであろうか、常々疑問を抱いていた。
以下、EMAS、ISO14001、EA21の目的・適用範囲を比較し問題点を考えてみる。

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2009.11.28

影響を及ぼすことができる環境側面 その5

私のブログ“コーヒー・ブレーク”の過去1ヶ月のアクセス件数ベスト3は
1 ISO9001:2008年改訂                1,293アクセス
2 現状打破・経営革新&課題達成型QCストーリー 461アクセス
3 影響を及ぼすことができる環境側面        391アクセス
となっています。

 1,2は1年程前に書いたブログで、現在企業は取組中のテーマでアクセスが多いのはある程度、理解できるが、3番目の
「影響を及ぼすことができる環境側面」は4年半前(2005年2月)に書いたもので、そのブログが今でも沢山の方にアクセスいただいていることに感謝しています。
それ程、この表現は紛らわしく分かりにくいということでしょう。

 ところで、ある大手企業のISO事務局の方より、このブログに対して反論のコメントをいただきました。反論の内容は、当時私自身、分からなくて混乱し大変迷った事柄です。
どうもありがとうございます。よい機会なので、私の記述の経過を説明します。

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2009.10.25

本来業務の環境側面

 JAB ISO14001適合組織データによると、ISO14001の認証登録件数が2009年第一四半期をピークとして、減少に転じている。この要因は、先のブログ 「ISO14001認証維持の費用対効果の検証」 「ISO14001自己適合宣言への移行事例」 でも紹介しているように景気停滞の折から、認証維持に対して「十分な効果が得られない」ということが最も大きいと推測される。
 この対策として、「環境ISOの有効性の内部監査」で、認証機関は、環境リスクを中心とした審査から有効性審査に重点を移そうとしていることを紹介した。
EMSの有効性とは、がまがえるの個人的の定義ですが
「環境法規制等の要求事項及び本来業務の環境側面がその組織に合ったように適切にとらえられていて、かつ、それらが環境方針と整合し、 環境パフォーマンスの改善が達成されるようにEMSが継続的に向上していること」であると思います。

ここでは、本来業務の環境側面をどのようにして特定すると効果的かを紹介します。

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2009.08.10

環境ISOの有効性の内部監査

 先のブログ「有効性監査ができる内部監査員を養成する」では主としてISO9001品質マネジメントシステムの内部監査で有効性監査を行うにはどうすればよいかを述べました。
しかし、環境マネジメントシステム(EMS)については触れていませんので、EMSの有効性監査について考えてみたいと思います。
 
ISO14001には、規格本文の中にはISO9001のように「マネジメントシステムの有効性を継続する」という表現はありません。

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2008.10.13

戦略的CSR

 - 副題 「影響を及ぼすことができる環境側面」の発展型 - 

「ISO14001認証維持の費用対効果の検証」において、「本社が中心となって、製品開発や販売などの経営戦略にのっとって環境対策を立案する。」という会社が増えつつあるというお話をしました。
これはISO14001規格に当て嵌めてみると、多くの場合「影響を及ぼすことができる環境側面」の発展型になると思います。
「経営との一体化」といっても、どのようにしたらよいか、私自身明確なイメージがわいてきませんでした。

最近、 競争戦略の第一人者、米ハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーター氏の「競争優位のCSR戦略」とダニエルC・エスティ&アンドリューS・ウィンストン筆「GREEN to GOLD」を読みました。
この本の中では、その手順がかなり詳しく紹介されています。

「競争優位のCSR戦略」はハーバードビジネスレビュー誌の2006年12月号に掲載され、2006年度のマッキンゼー論文賞を受賞した。日本語訳は2008年1月発行されています。

⇒  「競争優位のCSR戦略」(日本語訳)

これまでのCSRは、社会貢献という名目で企業にとって都合のよい部分のみを公開している例が多く不祥事の発覚が絶えない。これでは何のためのCSR活動か分からない。

「競争優位のCSR戦略」では、このような事業活動とは別に社会からの要請を受けて行う従来のCSR活動を「受動的CSR」と位置づけている。そして、受動的CSR からさらに進み、社会問題と事業活動とを結びつけて、事業活動を通して社会問題の解決に能動的に取り組むCSR活動を「戦略的CSR」と名づけている。企業は「戦略的CSR」によって持続可能な競争優位を創り出すことができるとしている。

詳細はこの本を読んでいただくこととして、簡単にその手順を紹介します。

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2008.10.09

カーボン・フットプリント表示制度

 従来から、環境影響の「見える化」の用語として、フートマイレージ、ウッドマイレージ、エコロジカル・リュックサック、エコロジカル・フットプリントという用語が使かわれてきました。
以下はECIネットからの抜粋です。

フートマイレージ
 輸入食糧の総重量と輸送距離を掛け合わせたものである。
食料の生産地から食卓までの距離が長いほど、輸送にかかる燃料や二酸化炭素の排出量が多くなる。
  2000年の日本のフードマイレージは約5,000億トン・キロメートル
  韓国の約3.4倍、米国の約3.7倍になる。

ウッドマイレージ
 木材の量と木材の産地と消費地まで輸送距離を乗じたものである。
日本の木材に対する自給率は18.2%と低く、南米、アフリカ、欧州、オセアニアといった、8,000キロメートル以上離れた輸出国から輸入する割合が 40%と非常に高い。
 日本のウッドマイレージは384億キロメートル
 米国の4.6倍、ドイツの21倍にもなる。

エコロジカル・リュックサック
 最終的な目標であるサービスに関連付けて、製品の全ライフサイクルにわたって集計される物質量(MIPS: material input per service)を論じるために導入された概念で、ある製品や素材に関して、その生産のために移動された物質量を重さで表した指標。
 例えば1トンの銅を得るためには鉱石、土砂などの自然資源500トンを移動する必要があり、この場合のエコリュックサック値は500と表される。

エコロジカル・フットプリント
 人間1人が持続可能な生活を送るのに必要な生産可能な土地面積(水産資源の利用を含めて計算する場合は陸水面積となる)。
例えば、あるエコロジカル・フットプリントでは、1)化石燃料の消費によって排出される二酸化炭素を吸収するために必要な森林面積、2)道路、建築物等に使われる土地面積、3)食糧の生産に必要な土地面積、4)紙、木材等の生産に必要な土地面積、を合計した値として計算される。
 アメリカ  5.1ha
 カナダ   4.3ha
 日本    2.3ha
 インド    0.4ha
 世界平均 1.8ha

 ところが、ここへきて「カーボンフットプリント」というという用語が出てきて、ISO14001やエコアクションに取り組んでいる皆さんにも影響を及ぼしそうです。

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2008.08.14

ISO14001自己適合宣言への移行事例

前回の「ISO14001認証維持の費用対効果の検証」で、認証取得後に認証機関の審査に物足りなさを感じている企業様に、次の3つの方法を提案しました。
 1.成熟審査に移行する。
 2.エコアクション21に移行する。
 3.自己適合宣言に移行する。

今回は私がお手伝いした静岡県の中堅化粧品メーカーA社で自己適合宣言への移行の実例を、環境管理責任者のお許しをもらって紹介します。

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2008.08.13

ISO14001認証維持の費用対効果の検証

 2008年8月時点の日本のISO14001の認証取得件数は約3万事業所となった。
日経エコロジー8月号の特集に、この中より無作為に抽出した「全国3000事業所実態調査」のアンケート結果が掲載されています。

 アンケート実態調査によるとISOを通して本業の環境負荷に取り組んでいる事業所は85%である。ところが、認証取得・維持費用に対して期待するほどの効果がないと考えている事業所が半数にのぼります。

 どうしてこのようなことになるか自分なりに考えて見ると、ISO14001は環境マネジメントシステムつまり仕組みの規格です。認証取得時点では、業務負荷の関係から、環境リスク・法規制の順守を中心にシステムを組み、パフォーマンスの改善は組織内の紙・ゴミ・電気・水の使用量改善を主体に行います。しかし、このような活動は3年もすればやり尽くしてしまい、次第に環境マネジメントシステムへの関心が薄れていきます。
ISO14001の本来の目的は、二酸化炭素排出量の削減、グリーンマーケティング(環境配慮製品の開発や販売)といった、すなわち本業と環境パフォーマンスの改善にあります。
(これは、別の言い方をすると「環境効率の向上」とも言います。)

 一方でISO14001は、何に着目して環境負荷を削減するかは企業が個別に判断してよいことになっているので、誰かがトップにこのことを提言しなければ、環境経営(本業と環境の一体化)には移行できません。
これは、組織の担当者からはなかなかいいにくいことです。認証機関はどうかというとパフォーマンスまでは審査しないことになっている。規格が要求する記録文書があるかどうか、記述内容が要件を満たしているかどうかといったことに集中して、分かっていてもそんなことは言ってくれません。

 経営者にすれば、「高いお金を出した重箱の隅をつついているような状態=費用を払った割りには効果がない。」ということになります。
認証を取得・維持するためという意識のままでは、ISO14001は膨大な文書類を作成する負担を現場に押しつけるだけの無用の長物になりかねない。

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2008.07.17

影響を及ぼすことができる環境側面 その4

私のブログの中で「影響を及ぼすことができる環境側面」という記事へのアクセスが断トツに多い。1日平均12アクセス、多い日には50アクセスもある。
もう一度紹介すると、
「影響を及ぼすことができる環境側面 その1」では、影響を及ぼす環境側面の考え方について説明してあります。
「影響を及ぼすことができる環境側面 その2」では 影響を及ぼすことができる環境側面を洗い出す方法を説明してあります。
「影響を及ぼすことができる環境側面 その3」では、製品についての影響を及ぼすことができる環境側面の意義と洗い出し方法を説明してあります。
「サービス業の本業エコ」では、販売店における影響を及ぼすことができる環境側面としてリコー販売の「エコひいき」活動を紹介しました。

どうして、このようなことになったのかその原因は分からないが「影響を及ぼすことができる環境側面」というキーワードをGoogle検索すると第一位、Yahoo検索すると第2位である。
そうなると、その内容について責任を感じるので、これまでの説明で、欠けている点を補足します。

今までの「影響を及ぼすことができる環境側面 その1~3」の中で、もうひとつ抜けているのは「社員の自発的行動による環境側面」です。

一つめは「地球温暖化(正確には気候変動)」に関する環境側面についての事柄です。

環境省「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン試案Ver1.6参考資料」の温室効果ガス(GHG)プロトコル~事業者の排出量算定及び報告に関する基準~第4章 活動境界の設定では、
温室効果ガスの算定の範囲を次の3つに分けて説明しています。
範囲①(直接排出量) <必須>
 サイトからの直接排出量(CO2及びそれ以外のGHG)
範囲②(間接排出量) <必須>
 電力・熱の購入・販売による間接排出量
範囲③(間接排出量) <可能な限り>
 a) 製品輸送
 b) アウトソーシングした主な生産工程等からの間接排出量
 c) 社員の業務上の移動

この中の「範囲③(間接排出量)」の殆どは影響を及ぼすことができる環境側面となる。
「a)製品輸送」とは、 製品、原材料、廃棄物の輸送中の排出量、
「b)アウトソーシングした主な生産工程等からの間接排出量」とは、契約生産先、フランチャイズ店が出した間接排出量、製品の使用過程や使用終了時に起こった排出、埋立てされた廃棄物からのメタンの排出、食品廃棄物の堆肥化による化学肥料の購入抑制(化学肥料生産・輸送時の排出量)等を指し、この点は「影響を及ぼすことができる環境側面 その1、その2」で説明してきた通りです。

これまでの説明で抜けていたのは、「c)社員の業務上の移動」即ち、社員の出張や通勤時にどのような移動手段を使用するかによる温室効果ガス排出量の改善です。
例えば、出張時の移動を社有車からJRやバイスクルに変えた。社員の通勤時のエコドライブや、ノーカーデーの設定などがこれに当たります。

もう一点は、CSR 企業の社会貢献に関する事柄です。
多くの事業所では、社員の自発的な行動による会社周辺の清掃、町内会が行う側溝の泥上げ、海岸の清掃への参加という活動が行われていると思います。
環境影響には「地域の景観」という項目がありますので、これらも影響を及ぼしことができる環境側面です。

企業の持続性という観点からは、地域社会との協働は避けて通れないことなので、このような観点から環境側面を特定することも忘れないでください。

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2008.05.22

環境マネジメントについての○○県職員研修

 先月、○○県環境政策課の知り合いの方より、今度昇格した課長補佐の方に環境マネジメントについての研修を予定しているが、事情があって内部ではなく、外部講師に民間の事例を入れて説明したほしいという打診があった。
環境カウンセラーとして、やってほしい。説明してほしいことは
・ISO14001に取り組む意義
・民間企業における環境配慮の実例
・事務事業における環境配慮の意義(必要性)
・事務事業の実施におけるPDCAサイクルの活用方法
時間は1時間程度、ことでした。

 民間の事例ならば、いくらか知っている。自治体の方は余り多くの経験はないが、ある市より、これまで3年間、自己宣言移行に際しての内部監査員研修やらせていただいたことがある。2日間15時間の研修のうち、私の受け持ち時間は1時間なので、どれほどの優先度か分からないが、お引き受けすることにした。
50人~70人にグループに分け3回、それぞれお話させていただき、今日その3回分が終了しました。全部で170名強になる。「随分と人数が多いですね」と言ったら、昨年は能登地震の対応で受けられない人が沢山いて、その人も今年受けているとのことだった。
50分程一方的に話をして、終わった後、質問を受ける時間をとったが質問は1回だけだった。こんな形式ではなく、受講者参加型の方がよいように思ったが、時間的に無理なのだろうか。
以下に、そのスライドを紹介します。

 ⇒ 環境マネジメントシステムと事業活動での活用事例

このスライドの中に「市民のための環境学ガイド」の安井至先生のスライドの転用がありますが安井先生にはメールで了解をいただいています。
また、民間の具体的な活動事例が実名入りで載っていますが、これらの事業者様は私自身がコンサルティングをした会社で、掲載について、それぞれ了解をいただいています。

なお、○○県の名誉のために、申し添えて講師料は、1回8,000円で、決して税金の無駄遣いではありません。
西村経営支援所のビジネスライクの研修案件とすると、決してペイする金額ではありませんが、自分の勉強を兼ね環境カウンセラーの立場として、お引き受けしたものです。

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