プロセスとは
私が運営している西村経営支援事務所のホームページの中に「適合性と有効性を同時に監査するプロセスアプローチ型監査のすすめ」というページがあります。
ISOのマネジメントシステムの用語を使用しており、用語の知識がないと分かりにくいと思いますので、その予備知識を5回に渡って解説します。
第1回目は「プロセスとは何か」について解説します。
プロセスとは
ISO9000:2015規格 3.4.1項では、プロセスを以下のように定義しています。
「インプットを使用して意図した結果を生み出す、相互に関連する又は作用する一連の活動」
相互に関連する又は作用する一連の活動は、プロセスが単一の場合とサブプロセスが複雑に絡みあっている場合があります。図-1はサブプロセスが絡みあっている場合の図示です。
図-1 プロセスの図示例
プロセスの種類と階層
プロセスには幾つかの種類あり、また階層構造で構成されています。
組織の最上級階層のプロセス
組織を俯瞰するプロセスで、3つのプロセスがあります。
- マネジメントプロセス: 組織全体の経営活動を支えるプロセス群です。戦略立案、リスク管理、経営資源管理などを含みます。
- コアプロセス: 組織の主要な価値を生み出すプロセス群です。製品・サービスの開発、生産、販売などを含みます。
- 支援プロセス: コアプロセスを円滑に運営するための補助的なプロセス群です。人事管理、財務管理、情報管理などを含みます。
サブプロセス
最上級階層のプロセスは、さらに細分化されたサブプロセスで構成されています。組織の規模や業種によって、具体的なプロセス構成は異なりますが、基本的な階層構造は共通しています。
図2 最上級階層のプロセスとサブプロセス例
図2 最上級階層のプロセスとサブプロセス例
活動レベルのプロセス
サブプロセスの下に「活動レベルのプロセス」があります
「活動レベルのプロセス」は、サブプロセスを構成する具体的な作業や手順を指します。
「活動レベルのプロセス」は、一般的にプロセスの目標、インプット、アウトプット、基準及び手順、人的資源、物的資源、監視・測定、改善で構成されています。
これをわかりやすく図示してものが、「プロセス活動図」です。
図-3 プロセス活動図
監査用にプロセスの構成要素をダイアグラムにしたものを「タートル図」と言います。
図-4は、製造プロセスの「タートル図」の例です。
図-4 製造プロセスのタートル図(監査用)
プロセスとは、何かをご理解いただいたところで、次のブログで「プロセスアプローチ」について説明します。
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