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2015.01.22

改正フロン回収・破壊法

 1月21日午前中、石川県地場産業振興センターで環境省・経済産業省・日本冷媒環境保全機構が主催する第1種特定製品の管理者(所有企業・法人)向け説明会が開催された。
私自身は管理者ではないが、エコアクション21やISO14001のコンサル・審査の際に必要となるため参加した。
なお、第1種特定製品とは、事務所で使用されているルームエアコン(パッケージエアコンなど、家電リサイクル法対象外の全てのエアコン)、スーパー・レストラン・工場・病院・学校等で使用されている業務用冷凍機、地下鉄構内・鉄道・特殊自動車・船舶等の空調機や冷凍庫、自動販売機などを指します。


今回の改正の背景
 フロンにはオゾン層の破壊につながる特定フロン(CFC、HCFC)と、オゾン層の破壊には関係しないが二酸化炭素の100から10000倍(種類毎に異なる)の地温暖温暖化係数をもつ代替フロンがある。
 
Fig01

これまでの改正フロン回収・破壊法は、モントリオール議定書に従って特定フロンの生産の中止、特定フロンから代替フロンへの移行を進めてきた。
Fig02

また、第1種特定製品の特定フロン・代替えフロンの回収・廃棄を定めてきたが、回収率は30%代と低迷している。
Fig03

低迷の理由は、回収が完全に行われていないということもあるが、回収より以前に使用中の漏洩が約50%を占めていることである。
2009年に経済産業省が機器別の漏洩率を調査したところ、例えば食品売り場で見かける別置き型ショーケースの年間の漏洩量は平均で16%に達する。冷媒のフロンが6年で全て大気中に漏洩していることになる。業務用エアコンの場合はそれより少ないが年間漏洩量は3~5%程度ある。
Fig04

冷媒として使用さされるフロンが特定フロンから代替フロンに推移してはいるが、代替フロンは二酸化炭素の1000倍程度の地温暖温暖化係数(GWP)を持っており、地球温暖化防止の観点から放置できない。

改正のポイント
1.フロン類製造業者は、冷媒を代替フロンから低GWP・ノンフロン化の製品を開発する。
機器製造業者は、どのような冷媒を使用しているかを製品に表示する。
この方策として、省エネ法のトップランナー制度と同じ仕組みが導入された。

2.機器使用者(管理者)は、使用中の漏洩を極力なくするため、簡易点検、定期点検、漏洩量の記録保存が義務付けられた。
フロンを充填するときは、第1種充填回収業者が行うことが義務付けられた(機器使用者の充填は不可)。

3.これまで回収されたフロンは「フロン破壊業者」で破壊されていたが、「フロン再生・破壊業者」と名称が変わり、再生が推奨され、再生した場合のインセンチィブが規定される予定とのことです。


ここでは、第1種特定製品の管理者(原則として機器所有者)が行わねばならないことを説明します。

●機器の簡易点検
 第1種特定製品の該当する全ての機器について、四半期毎の管理者(使用者)点検し記録を残す。
簡易点検は異音、外観の損傷、腐食、錆、油にじみ、冷媒の効き具合等の簡単なものです。実施方法の詳細は下記のページを参照ください。

 簡易点検の手引き(業務用エアコン編)

 簡易点検の手引き(冷凍冷蔵ショーケース・業務用冷凍冷蔵庫編)


●機器の定期点検
 一定規模(下記)を有する機器については、十分な知見を有する者が定期点検を行い、記録を残す。
また、点検や修理をしないまま、繰り返し充填することは禁止されました(罰則規定あり)
 ・定格出力が7.5kW以上の圧縮機が付いている冷凍機   年1回以上
 ・定格出力が7.5kW以上、50kW未満の圧縮機が付いているエアコン 3年に1回以上
 ・定格出力が50kW未満の圧縮機が付いているエアコン  年1回以上

十分な知見を有する者についての基準は定められていますが、漏洩が発見された場合の充填は「第1種フロン回収充填業者」でなければならないので、実質的には「第1種フロン回収充填業者」に登録するか、委託することになる。

●点検・整備記録簿の作成
 機器ごとに、点検や修理、冷媒の充填・回収等の履歴を記録し、機器の定期点検・整備の前には整備者及び充填回収者に見せる。
Fig05

●フロン漏洩量の記録と報告
 事業者(会社)単位で、毎年4月1日から翌年3月31日までの、全ての対象機器についての漏洩量を「充填・回収証明書」から集計し、記録を保管すること。

集計した漏洩量が1,000 CO2-t 以上の場合は都道府県知事を経由して国に報告すること。
(報告しなかったり、虚偽の報告をした場合の罰則規定あり)

各地に支店や工場がある場合は、クラウド方式の電子帳票システムを構築中とのことでした。但し、このシステムを使用すると1回当たり幾らかの使用料が必要になる。
台数が少ない場合は、自社でEXCELを使って集計した方がベターと思います。


以上です。
詳細は環境省ホームページ「フロン回収・破壊法改正(平成27年施行)」をご確認ください。

なお、本ブログの中の画像は「説明会資料」の中から抜粋し、転載させていただきました。

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