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2013.03.03

カーボン・オフセットは役に立つか

Offset01 2月27日、金沢市尾山町の石川県文教会館で農林水産企業環境対策協議会と環境省中部地方事務所の共催による「カーボン・オフセットによる地位づくりと環境貢献のすすめ」セミナーに参加しました。
参加者は主として石川県、福井県の市や地域の環境関係担当者、企業の担当者、環境カウンセラーなど60名程度です。
内容はカーボン・オフセットの制度の説明と事例紹介です。
 環境貢献を金銭でやり取りする制度には、排出権クレジット、カーボン・オフセット、グリーン電力証書などがある。
これらの構図は以下のようになっている。

Offset02  図 全体の構図 【出典 (財)日本エネルギー経済研究所 2009】

上図で、クレジット制度とJ-VERは今年システムが統合され新クレジット制度となる。現在そのホームページが立ちあげられている。
⇒ 新クレジット制度

 私はこれまで、カーボン・オフセットは役に立つ制度だ、と思う一方、環境貢献を金銭でやり取りする制度は、環境貢献の意思とは縁のない人間の欲望の上に成り立っているようで、なんとなく胡散臭い感じがして頭の整理がつかずモヤモヤした気分でいた。今回参加して感じたことは、カーボン・オフセットとは、クレジットという道具を用いてお互いのニーズを充足する制度で、特定の条件が揃えば役に立つ仕組みであると感じました。

 特定の条件とは「クレジットの売り手と買い手の思いが一致したとき」である。
最近の傾向として、次の2つのケースで、この条件が成立しカーボン・オフセットが有効に活用されているようです。

1.イベント
 イベントを行ったときに発生する資源の消費、エネルギーの消費、ごみの処分による二酸化炭素排出量をカーボン・オフセット(クレジットを購入すること)によって相殺する。
これまで、各地の祭り・花火大会・スポーツイベント・展示会などで活用されている。
イベントというのは、もともと主催者や参加者の善意で成り立っているものなので、少し位お金がかかっても「このイベントは環境保全に貢献します」ということが参加者の思いと一致するのだろう。

2.地域貢献(里山保全や自然保護)
 荒れた里山を間伐材の伐採等によって復元し、復元した森林の二酸化炭素吸収量をクレジットに変換する。森林事業者は、このクレジットをクレジット市場に出して得た収入を、次の間伐材の伐採費用に補填したい。
クレジットの買い手は、主としてイベントの主催者や商品の販売者である。イベントの参加者や消費者(商品の購入者)は、自分も何らかの形で里山保全や自然保護に役立ちたいという思いがある。カ―ボンオフセットはそのお互いの思いをつないでいる。
活動事例としてカルビーが中心になってプロモーションしている「EVI森のクレジット」の紹介があった。
⇒ EVI森のクレジット
 カルビーのEVI事業で、消費者アンケートをとったところ、環境に興味のある消費者の90%強は、価格アップが10%以内ならばCO2排出量の少ない商品を買う」という結果を得たので自信を持ってプロモーションネットワークを作ったということでした。
2010年から活動を開始し、かなり苦労されたようですが、現在は成功している。

 その他、廃棄物処理にカーボン・オフセットを付けて販売(廃棄物処理)をする話、金庫にカーボン・オフセットを付けて販売する話があったが、このようなケースで、お互いの思いが一致するマーケットがどれだけあるのか、単なる売名行為ではないか、正直な所、良く分からなかった。
 いずれにしても儲けようと思ってはじめても、その行為を評価するのは第三者であるから結果がどうなるかは分からない。事業者は社会貢献という純粋な思いから始めなければならないのではないか、と感じました。

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コメント

 カーボンオフセットは今や短期的、長期的、両面で重要なんじゃないのかな。短期的には輸入燃料が円安で高騰しつつあるし。国内エネルギー調達の流れも原発が動かせないから重要だし。それに機械を高性能化するトライボロジーって分野にもっと光を当てるべきなんじゃない?

投稿: 地球大好き | 2013.04.17 20:09

コメントありがとうございます。
トライポロジーが省エネの鍵を握るということでしょうか。

投稿: がまがえる | 2013.04.18 10:24

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