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2013.03.27

“幸せだ”と思うことが良い結果を生む

 1年ほど前、日経ビジネスオンラインでアメリカではポジティブ心理学が大人気という記事をみた。その記事によると、2002年にペンシルベニア大学のセリグマン教授の自著『オーセンティック・ハピネス(ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』がベストセラーとなり、その後ハーバード大学の「ポジティブ心理学」が最も人気のある授業となったと紹介されていた。
その直後、ハーバード大学で、ポジティブ心理学の主任講師をしていたショーン・エイカーさんが「幸福優位の7つの法則」を発刊し、その書評が日経BPに掲載されたのをみて面白そうだと思って買ったが、時間がなくて積読の状態でした。
今年に入って取りだして読んでみると心の持ち方について意外と役に立つことが書いてある。

先ず幸福とは何か、エーカーさんは幸福とは「自分の可能性を追求して努力する時に感じる幸せ」と言っている。
50年程前、小松高専時代、教養講座で
 幸福とは Y=aX
  ここでdy/dx すなわち目標に向かって努力している状態が幸福なのだ。
 と習ったことを思い出しました。
このこと自体は、別段新しい知見ではない。

しかし、その次の成功と幸福に関する記述がこれまでの常識を覆す内容であり、重要なポイントです。
私たちは、「努力すれば成功する。成功すれば幸せになれる」
という順番で考えてしまいがちです。
しかし、それは間違いです。

成功した結果として幸せになるのではない。幸福なポジィティブな気持ちを持っていることが結果として成功する。

エイカーさんは1600人のハーバード大学生と、 フォーチュン500に選ばれた世界的大企業10社を対象に行った研究で、これを実証している。

そこで、どうやってポジティブな感情を持ち続けることはできるか。そのノウハウが幸福優位の7つの法則です。
調査結果によると、日頃ポジィティブな(幸福な)気持ちで生活している人と、そうでない人では平均寿命で9.4年の違いがあるとのことです。
今更という感じもしないが、ピンコロ願望の自分には役に立つ内容で実践したい。
以下にそのさわり程度ですが紹介します。

法則1. ハピネス・アドバンテージ
 一言でいうと、幸福感を持っている人間と持っていない人間が競争すると、幸福感を持っている人間の方が優れた結果を出す、という研究結果だ。
では、ポジティブな気持ちでいるにはどうするか。
 1. 瞑想する
 2. 何かを楽しみにする
 3. 意識して他人に親切にする
 4. ポジィティブな感情が生まれやすい環境を作る
 5. 何かをするためにお金を払う
 6 .固有の強みを発揮する
  エーカーさんの場合、学ぶのが好きなので、地方に出かけると博物館に行くことを楽しみしているそうです。
 ポジィティブな気持ちがあるかないかで、チームの成績も違ってくる。ロサ・サラダインさんの研究では、ポジィテイブとネガティブの割合が 2.01013:1 の比率を割るとチームの成績が一気に落ちるそうです。


法則2. 心のレバレッジ化
 この法則は、一言でいうと「気のもちようを変えよう」ということになる。
「うまくできる」と思っている人はうまくできる。そして「ダメだろう」と思っている人はうまくできない。
であれば、自分の中にある「小さな自信」の「てこ」の場所を変えて支点をずらすことで、「心のレバリッジ」がかかり、徐々に大きな事柄にも自信を持って取り組めるようになる。
楽しい時の時間は短く感じる。てこの位置をずらすとは
 1. 自分を伸ばすことができると信じる
 2. 自分の仕事をどう認識するか(寺院を建てる3人の石工の話) 
 3. 潜在能力を信じる(ピグマリオン効果)
といったことです。


法則3. テトリス効果
 いつも「幸福」「感謝」「楽観性」を持てるように脳を鍛える。
テトリスというゲームには強い中毒性がある。はまってしまうと、街を歩いていても、本屋の本から電気屋の段ボールまで、何でもテトリスに見えて組み合わせたいと思ってしまう。同じように、僕らは繰り返し行なうことを無意識に「型」して実行する習性を持つ。これを「テトリス効果」と呼ぶ。

テトリス効果は良い方向にも悪い方向にも働く。
税理士は仕事で毎日細かい数字のあら探しを続けるため、家に帰ってからも家族のあらを探してしまうようになる。
これは負のテトリス効果ですが、良い方向に働くと、テトリス効果は抜群の効果を発揮する。
一日の終わりに3つ今日あった良いことを書き出す。これを毎日続けると、脳にポジィティブな考え方が定着する。


法則4. 再起力
 すべての物事が思うように行くことはありえない。
うまくいかない下降への勢いを上昇に転じる。
アフリカへ靴を売りに行った二人のセールスマンの話
一人は、ここでは誰も靴を履いていないので売れないと考えた。
もう一人は、ここでは誰も靴を履いていない。みんなに履いてもらえる膨大な市場があると考えた。
下降から上昇へ転じるABCD
 A:Adversity 困難な状態
 B:Belief 信念
    これは自分が信じていることに過ぎず、事実ではないと言い聞かせる
 C:Consequence 結果 それに対して疑問を呈し反論を行う  
 D:Disputation 反論  第3の道を選ぶ


法則5. ゾロ・サークル
 「怪傑ゾロ」はアメリカでは古典的ヒーローなのだそうだ。日本でいえば石川五右衛門か月光仮面。
ゾロは最初から無敵だったのではなく、荒削りで隙が多かった若者時代に、師匠に徹底的に鍛えられて一人前になるのだという。
その時の訓練手法として使われたのが「ゾロ・サークル」だ。小さな円を自分の周りに書き、その中で自在に動けるように鍛練をする。
そして十分自分をコントロールできるようになったら、円を大きくして、さらにダイナミックな動きができるように訓練のレベルを上げる。


法則6. 20秒ルール
 習慣は意思の力だけでは替えられない。すぐに効果の出る方法を考案する。
例えば、ギターが趣味だが、忙しくて弾くことができない。一番の問題は、ギターがギターケースに入れられ、リビングのソファーから歩いて20秒かかるクローゼットにしまってあるので、取り出すのに億劫になってしまうことだ。
そこでギタースタンドを購入し、ソファーの自分の座る位置から手が届くように配置したことで手軽に弾くことができるようになった。
このように変化へのバリヤーを最小にして悪い習慣をよい習慣に替える。


法則7. ソーシャルへの投資
 人と人との絆に投資する。
人関関係の絆がストレスをやわらげてくれる。
周囲からの支えを唯一最高の資産とする。

以上ですが、これを日頃から心がけている人と、そうでない人とは、長い間に結果に大きな差が出てくるということです。

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