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2013.02.11

ISO MSSの理解 その2 ビジネスプロセス

ISO MSS では、追加要求事項として、次の項目がある。

5.1 リ一ダーシップ及びコミットメント
 トップマネジメントは、次の事項によって、XXXマネジメントシステムに関してリーダーシップとコミットメントを実証しなければならない。
✓・ ・ ・
✓組織のビジネスプロセスへのXXXマネジメントシステム要求事項への統合を確実にする
✓・ ・ ・

この項目を、どのように解釈し、統合マニュアルにどのように織り込むかを述べます。

英語のプロセス(process)という言葉は、日本語に直すと意味が良く分からなくなる。
英語のプロセス(process)には、2つの意味がある。一つは生産工場で使う「工程」という意味である。もう一つは「業務」に近い意味である。
プロセスアプローチやビジネスプロセスで使われるプロセスは、後者の意味を指す。

ISO9000ではプロセスを以下のように定義している。

ISO9000 3.4.1プロセス(process)
 インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
  注記 1 プロセスのインプットは,通常,他のプロセスからのアウトプットである。
  注記 2 組織内のプロセスは,価値を付加するために,通常,管理された条件のもとで計画され,実行される。

プロセスを管理し成果をあげていく活動をプロセスアプローチという。
プロセスアプローチについては、私の先のブログ「プロセスアプローチのやさしい説明」を参照してください。

では、ビジネスプロセスとは、どういう意味であるか。
 山本哲郎氏は著書「ビジネスプロセス革新の極意」の中で、ビジネスプロセスを
「価値を生むアクティビティ(活動)のバリューチェン(価値連鎖)」と定義している。
また、先ブログ「ISO MSS の理解 その1」では、ドラッカー言葉として『企業の目的は「顧客の創造」である。顧客を創造するには「マーケティング」と「イノベーション」の機能が必要である。』と説明した。
従って、ここでいう価値とは「顧客を創造」という価値である。
欧米流のグローバルスタンダードでは、ビジネスプロセスを「価値創造のプロセス(コアプロセス)」「支援プロセス」「管理のプロセス」あるいは、「価値創造のプロセス(コアプロセス)」「支援プロセス」「評価プロセス」「戦略/実施のプロセス」で構成していると説明している。
これを図にすると以下のようになる。

P01

 図-1 ビジネスプロセスマップ

企業の業績は、ビジネスプロセスの結果である。
業績の悪い企業は、ビジネスプロセスが顧客にフォーカスしていないという見方もできる。
また、ビジネスプロセスには階層がある。

ビジネス(業務)プロセス
 ┠― サブプロセス
 ┠― サブプロセス
    ╒-------╩‐------------------╕
     活動 活動 活動 ・・・ ・・・

 山本哲郎氏は、過去に日本の一人勝ちであった日本企業の業績がアメリカ、韓国の企業との競争においてことごとく負けているのは、ビジネスプロセスが顧客にフォーカスしていないことが原因であると指摘しておられる。
これまでプロセスは旧態以前としておきながら、安易にプロセス(業務単位)の効率向上ばかりが追ってきた結果である。
日本企業は、真の意味で自社のビジネスプロセスが顧客に対して価値を提供しているかを問わねばならない。ビジネスプロセスをゼロに戻して以下の点からリエンジニアしなければならない、と指摘されている。
 1.顧客起点の徹底
 2.全体最適
 3.プロセス革新の徹底追及
 4.ITの効果的な積極活用(特にナレッジマネジメント)
 5.意識・行動変革プログラム(チェンジマネジメント)の同時並行実施

 話を「組織のビジネスプロセスへのXXXマネジメントシステム要求事項への統合を確実にする」という本題に戻すと、先ず、ISO MSSの要求条項とビジネスプロセスの構成プロセスを対比する。
コアプロセスは 条項「8運用」
支援プロセスは、条項「7支援」
評価プロセスは、条項「9パフォーマンス評価」「10改善」
戦略/実施のプロセスは、条項「4組織の状況」「5リーダーシップ」「6計画」
に該当する。

そこで、「図-1 ビジネスプロセス図」を、ISO MSSの条項に合わせて修正し、そこに該当規格の要求条項の番号を割り当てていく。
下図は、製造業のISO9001/ISO14001統合マネジメントシステムにおいて、規格の要求条項をマッピングしたビジネスプロセス図です。

P02

 図-2 ISO9001/14001統合マネジメントシステムを網羅したビジネスプロセス図
     (製造業の例 クリックすると拡大します)

 このビジネスプロセス図及び、そのサブプロセスが顧客価値の創造にフォーカスしておれば、結果として業績は上がるが、そうでない場合、業績は悪化する。

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