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2012.05.29

グリーン購入目標の指標について その1

 私はエコアクション21の審査人をしているが、1月から5月までに9社の審査をさせていただきました。なぜか、審査時期が上期に集中していて、下期には殆ど予定がない。こんな関係もあって、ブログはしばらく中断していましたが、久しぶりに記事を書いています。
 エコアクション21は2009年版になり、環境目標に「化学物質使用量の低減(化学物質を使用している場合)」「グリーン購入」「自らに生産・販売・提供に関する製品及びサービスに関する項目」を設定することが必須要件となった。
これまでの審査の過程で、このことに関して受審事業者の方々の中に幾つかの戸惑いがあるように感じましたので、以下に解説します。

 環境目標に追加となった項目の中で「化学物質の使用量」については、どのように調査するかという点で戸惑っておられるようでした。この点については、化学物質が含まれていると思われる原材料や副資材についてMSDSを取り寄せ、調査すればよい。
具体的な方法は、私が作成したEXCELシートを公開しますので参照ください。
 ⇒ 化学物質使用量の調査方法

 「自らの生産・販売・提供に関する製品及びサービスに関する項目」とは、ISO14001の「影響を及ぼすことができる環境側面」とほぼ同じことなので、その事例については、このブログの「影響を及ぼすことができる環境側面」を参照してください。

 ややこしいのは「グリーン購入の対象品目の決定と目標指標の設定」です。
グリーン購入の対象は「文房具・オフィス用品」「自らが生産・販売する製品の原材料や資材」「事業のインフラとしての設備・機材」の3つに分けることができる。

 「文房具・オフィス用品のグリーン購入」については、次回に説明しますが、このブログでは「自らが生産・販売する製品の原材料や資材のグリーン購入」について、私の見解を説明します。

事業者の方々が「原材料や資材のグリーン購入」について戸惑っておられることは
(1)「原材料や資材のグリーン購入」と「環境配慮製品の販売」との境界線をどのように線引きするか。
(2)グリーン購入の基準は何か。
という2点であると思います。

(1)「原材料や資材のグリーン購入」と「環境配慮製品の販売」との境界線
 具体例で説明します。
例1) ある機械装置・機器の卸売り商社の場合
 卸小売業では、基本的に購入製品=販売商品となる。
この商社では従来から、省エネ性能の高い装置・機器を調査して「省エネ商品」として顧客に紹介し、環境配慮型製品の販売を促進してきた。
しかし、購入製品=販売商品であるからと言って、これを持ってグリーン購入を実施しているということにはならない。
この商社が購入する製品の7割は、カタログ等より顧客が指定したもので、残り3割が商社自らが商品を選択購入したものである。この部分がグリーン購入の対象になる。
この場合、顧客のニーズや取扱商品の種類から言って、グリーン購入の基準は、有害化学物質を含まないこと(製品の安全性)であると思います。

例2) ある自動車整備・販売業の場合
 この場合も、例1)と同じことが起きていた。
自動車の整備・販売の過程で、顧客の指定によるものと、自社が選択できるものに分けて考える。
エコ整備、エコタイヤ、エコオイルは、標準のサービスや製品より、価格が高くなり顧客の選択により採用、不採用が決定されるので「環境配慮製品の販売又はサービス」になる。
一方、修理に使うパーツ(中古部品かどうか)、バッテリー、電装品は、整備する会社が主導権を持って選択するのでグリーン購入製品の対象になる。

例3) ある住宅建築業の場合
 この会社では、高機能、高断熱、人にやさしい安全・安心の住宅を“売り”にしている。これは「環境配慮製品の設計・施工・販売」そのものである。ところが、グリーン購入ではエコアクション21の環境負荷表に記載されている「循環資源」という言葉に捉われて、再生石材、再生ボードしか対象にしていなかった。
グリーンな材料・資材は「循環資源」に捉われる必要はない。自社のエコ住宅のコンセプトに合わせて、自社で設定した基準に合致したものをグリーンな材料・資材と位置付ければよい。
調達する材料・資材の中で、地元産の木材の採用、水まわりや電化製品については価格との関係で顧客側が選択するものなので「環境配慮製品の販売」の方に入るが、断熱材、フローリング、殺虫剤などは、自社で基準を作り選択するのでグリーン購入の方に入れる。

(2)原材料・資材のグリーン購入の基準
 これは自社が生産・販売する製品の、環境に関する製品の目標に合わせて自社で設定すればよい。
前記の機械装置・機器の商社の場合は、顧客に輸出をする製品を製造するメーカーが多くRoHS指令、REACH規則などが重大関心事項となっているので「有害化学物質が含まれていないこと」が第1番目の基準となる。
また、前記の住宅建築業の場合は、自社のエコ住宅の設計・建築にあった建材であることがグリーン購入品の基準となる。
一方、公共工事など事業上、自社製品を持たない(施工のみの)場合もある。
この場合は 国土総合政策総合研究所 より「公共工事におけるグリーン調達について」でグリーン調達品の基準が示めされているので参照されるとよいでしょう。

 ⇒ 「公共工事におけるグリーン調達について」

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