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2010.12.09

総量目標と原単位目標

 ISO14001やエコアクション21で環境目標を設定するとき、総量と原単位のどちらで目標を設定すべきか。
地球温暖化防止を考えると総量目標であり、環境省はそのような指導をしている。
一方、経済産業省は省エネ活動を推進する立場から、原単位目標で目標設定するよう指導している。
私はエコアクション21の審査人をしている関係上、小企業にお伺いする機会が多いのですが、環境目標(年度目標)を総量で設定したため、実際の発生量は仕事量の変動で振れて目標達成見込みの評価(測定)ができないという事例をよく見かける。
それでは、売上高当たりで評価したらよいかというとそれも適切ではない。
製造業の例で言うと、照明電力や冷暖房電力は就業時間や人員に比例する、固定費に近い。一方、機械動力は生産量に比例する変動費である。
実績値は、固定費部分からの排出と変動部部分からの排出が合計されて排出されるので、どちらでやって外乱要因が入ってきてうまく評価できず、PDCAが回らない。
このような場合は、固定部分と変動部分を分けて負荷データをとり、固定部分は総量、変動分は原単位とすることが望ましい。
 

 エコアクション21ガイドライン2009「別表1 環境への負荷の自己チェックシートの使い方等について」には以下のように記載されている。
--------------------<ここから引用> -------------------------
 事業者は、環境負荷の総量を削減することが求められていますが、一方、事業経営の観点から、経済効率性の高い環境への取組も求められています。そのため、事業者の環境への取組結果等を把握・評価する場合は、環境負荷の総量を示す指標だけでなく、経済価値を反映しながらその環境への取組の効率性を表す「環境効率指標」を把握・管理することが重要になります。代表的な環境効率指標には次のようなものが考えられます。
環境効率指標の設定については、事業の特性に応じて、適切なものを選んでください。

 二酸化炭素排出量(トン)            二酸化炭素排出量(トン)
――――――――――――    又は   ――――――――――――
 生産高 もしくは 売上高 (円)          付加価値(円)

 廃棄物排出量(トン)
――――――――――――
 付加価値 (円)
  (注)付加価値の値としては、「売上高-原材料費等(外部からの購入費用)」もしくは、「営業利益+人件費+減価償却費」等を用いることができます。

--------------------<引用終わり> -------------------------

上記の記載は、大変分かりにくい表現で具体的にどうすればよいか良く分からない。
この件について自分は、以下のやり方が正しいと思っており、審査の際はそのようにアドバイスしています。

---------------------------------------------------------------------
 二酸化炭素排出量・廃棄物排出量・水使用量・農薬使用量についての中期目標(3年間or5年間)は、総量目標であるべきです。
しかし、短期目標(年度目標)を総量で設定すると、総量は仕事量や移動距離、季節要因で変動するため取組評価ができない。中期目標は総量、年度目標は原単位で設定されることが現実的と思います。
なお、総量目標と原単位目標の関係は以下のようになります。
        排出量
原単位=――――――――――――
       排出量と密接な関係を持つ値
総量中期目標=原単位目標の3年間又は5年間累計
               ×排出量と密接な関係を持つ値の中期的な増減率の計画値
------------------------------------------------------------------------

 排出量と密接な関係を持つ値については、省エネ法の関連で、省エネルギーセンターの「定期報告書記入要領 別添資料(2)(3)」に原単位の設定例が掲載されている。
このページの下に幾つかを紹介します。しかし、このように設定しても改善活動を適切に評価できるかどうかは分かりません。
ある絹・人絹織物機械染色業にお伺いした時、織反(㎡)当たりを原単位としているが、顧客からの織物の密度を上げる要望が強くなり、織反(㎡)だけでは評価できないので(㎡×密度)当たりを原単位としていると話されていた。

どうしても、このような適切な単位が見いだせないときは、総量で設定しておいて、監視・測定の段階で、改善プロセス単位で指標を設定するという方法もあります。
この内容については先のブロク「プロセスの有効性指標、KPI、OPIの共通性」を参照下さい。
 
省エネルギーセンター「定期報告書記入要領 別添資料(2)(3)」に原単位の設定例」
工場等
 ・非鉄金属鉱業      トン
 ・絹・人絹織物機械染色業/毛織物機械染色整理業  ㎡
 ・綿状繊維・糸染色整理業/ニット・レース染色整理業  kg
 ・合板製造業       ㎡
 ・サッシ業          トン
 ・石綿スレート製造業   枚
 ・非鉄金属製造業     トン
 ・一般機械器具製造業/電気機械器具製造業  生産金額(円)
 ・自動車・同付属品製造業              生産金額(円)
 ・鉄道車両製造業等   両又は個
 ・造船業          トン使用鋼材重量

業務用ビル
 下記のエネルギー使用量と関係を持つ項目を参考として設定する
 ・事務所ビル
    延床面積(㎡)/空調面積(㎡)/貸室面積(㎡)/入居率(%)
    在室人数(人)/就業時間(時間)/空調必要時間(時間)/売上高(円)
 ・病院
    延床面積(㎡)/部門別面積(㎡)/入院ベッド数(床)
    従業員数(人)/外来患者数(人)/入院患者数(人)
    病室稼働率(%)/利用時間(時間)/売上高(円)

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