大気汚染浄化植物「サンパチェンス」の利用
6月に大気汚染を浄化する植物として紹介されている「サンパチェンス」の苗を5株買ってきてプランターに植えた。
1株500円だったので2,500円でした。
梅雨明けから花が咲き始め目を楽しませてくれるようになった。
「サンパチェンス」はサカタのタネが開発したもので、他の園芸植物に比べ浄化能力は二酸化窒素(NO2)が5~8倍、二酸化炭素(CO2)の吸収能力は4~6倍、シックハウス症候群の原因物質のホルムアルデヒド(HCHO)が3~4倍高いこと報告されている。
⇒ 『サンパチェンス』シリーズの高い環境浄化能力を実証
⇒ 2010年上海万博を環境浄化植物『サンパチェンスR』が鮮やかに彩る
私がサンパチェンスに最初に注目したのは二酸化炭素の吸収能力で、サンパチェンス1株が年間約760gのCO2を固定できる。私は5株植えたので3.8kg-CO2、これは32Wの蛍光灯の点灯を1日1時間短縮するのと同じ効果となる。
ところが、サカタのタネと一緒に共同研究した東京大学大学院の浦野豊農学博士によると、サンパチェンスの大気浄化効果については認めているが「この結果が直接大気中の炭素固定に役立つとは言えない。植物は枯れた後微生物によって分解されその時に二酸化炭素を放出するので基本的に炭素収支はゼロである。」と断っている。
⇒ 「サンパチェンスの大気汚染物質吸収浄化実験」
では、植林が地球温暖化に有効であるといわれているが、これはどうなのだろうか?
植物は大気中の二酸化炭素を吸収し蓄積するが、枯れた後は微生物によって分解されその時に二酸化炭素を放出するが、全てが放出される訳ではなく土壌においても植生中の炭素量に匹敵する程度の量が蓄積された状態で平衡状態となる。即ち、森林を形成するようになれば地球温暖化に有効である。
⇒ 植林による温暖化対策効果
以上を考察すると、サンパチェンスは森林を形成する訳ではないので、長期的に見ると二酸化炭素吸収効果は期待できない。
しかし、「サンパチェンス」には打ち水と同じ効果があり、地表の温度を下げてくれる。その効果は従来の園芸植物よりも3.0~4.5℃低いとのことで、これは一種の「緑のカーテン」です。窓際での植栽やビルの屋上緑化植物として利用すると省エネ効果があり、ことらの観点からは温暖化対策に有効である。
一方、サンパチェンスは、ディー-ゼル車から出るNOxや、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒトを吸収してくれるという効果があり、大気浄化作用である。
幹線道路の交差点付近や車の出入りの多い駐車場に植えておくとNOxを吸収してくれる。また、新築住宅のベランダなどの植えておくとシックハウス症候群の対策にもなるようだ。
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コメント
私の住む城北町も2年前からサンパチェンスを町の公園や町の辻々に鉢植えを置き、CO2削減の取り組みをしてます。先生の近くですので一度ごらんになってはいかがですか?
投稿: セ*カンS | 2010.08.03 07:50
情報ありがとうございます。見てきます。
投稿: がまがえる | 2010.08.04 12:02