« サービス業における持続的な環境経営の進め方 | トップページ | 原因分析における「プロセスの要因」と「外乱」の区別 »

2010.02.08

「エコアクション21全国交流大会in静岡」に参加して

1002rimg0056 2月6日(土)・7日(日)静岡コンベンションセンターで開催された「第4回エコアクション21全国交流大会」に参加しました。
主催者側の発表によると、当日の参加者はエコアクション21審査人、地域事務局、事業者合わせて約700名とのことでした。大会を盛り上げていただきました静岡県の関係者の方々、どうもありがとうございました。
 エコアクション21は、2004年11月に認証登録制度は発足し今年で5年目になる。認証登録件数も今年末には5,000件に達すると予測されている。発足当初は、環境パフォーマンスとしてCO2排出量、廃棄物、水を必須取組項目とする環境マネジメントシステム(EMS)として出発したが、5年も経つと先行する事業者では、お金をかけてやれる紙・ごみ・電気・水といった取組項目の改善はやりつくし、更に活動を継続してするためには制度の変更が必要な状況になってきていた。このような状況を踏まえて今年6月1日より新しいガイドライン2009版が発行になる。2009年版では環境パフォーマンスとして、本業(製品・サービス)の環境への取組、化学物質が必須となり、生物多様性についても推奨事項として追加になった他、要求条項の記述方法の見直しや追加があった。
この交流大会も、前回までとは少し違って「本業の取組を如何に支援したらよいか」という内容が多かったように感じました。
 認証登録件数5,000件と言っても、80万と言われる日本全体の中小企業全体に占める割合は0.6%に過ぎない。中央事務局の後藤参与が行っておられたが、地球温暖化防止や資源の枯渇などの喫緊の課題に対応するには日本の半数位の事業者に何らかの形でEMSに参画してもらう必要がある。エコアクション21としては、登録事業者が現在の20倍位まで増えないと政策的には実質効果がない。
 そのような意味から、今回の研修では「自治体との連携によるエコアクション21の普及」というプログラムが組み込まれたものと思います。静岡県の成功事例の紹介は良かったとは思いますが、地域により事情が異なり、地域ごとの特性に合わせなければ成功しないと思います。というのは私の地元石川県では、2008年より“いしかわ事業者版環境ISO”という制度が発足し、費用が安く(1万円)、取組が簡単(CO2排出量・廃棄物・水だけ、環境法規制は対象外)であることと、石川県知事を筆頭とする県当局の強力な推進により発足2年間で300件、今年度中には500件に達する見込みです。エコアクション21は影が薄く、逆にエコアクション21から“いしかわ事業者版環境ISO”に乗り換える事業者も散見される状況です。
しかし、いしかわ事業者版環境ISO”は、本業には踏み込んでいないので、数年して紙・ごみ・電気のようなすぐにやれる改善をやりつくすと行き詰まりをきたすことが予測されます。
一方、エコアクション21は、本業への取組みによる環境経営の推進による経営効率の向上という方法に舵を切り替えたことにより、そのような問題は回避されると予測されるが、こことが、これから取り組もうとする中小企業にとってより敷居がより高くなったと感じてはじめから諦める事業者が出てくる可能性がある。この点について研修では「審査人が適切の状況を判断して、状況に合った指導をしなさい」というニュアンスであったが、これはかなり高度なスキルであり、現場を見ていない判定委員会や中央事務局の理解度も考慮すると機能するとは思えない。
 これは個人的な提案ですが、いしかわ事業者版環境ISO・南信州いいむす21・板橋エコアクション・めぐろグリーンエコアクションプログラム・水俣エコショップ認定のような導入版と、エコアクション21:2009のような本格版をシリーズ化して、事業者が段階的に活動内容をレベルアップし、持続的な改善活動が進むようにしていただくことがよいと思います。
そのためには、中央事務局と自治体当局間の協業や、国のチャレンジ25の政策の中で取り上げていただくことを望むものです。

交流大会当日のスケジュール及び自分自身が気づいた概要を以下に紹介します。

■ 2月6日午後~7日午前

「行政との連携によるエコアクション21の推進」
 静岡県のEA21認証登録件数は2009年末で540件と全国でトップである。これは行政の率先垂範とグリーン化プログラム(グループごとの無料共同コンサル)等による支援が利いている。西原茂樹・牧之原市長、北村正平・藤枝市長、望月良和・伊豆の国市長を交えてパネル討論会が行われた。
 中でも西原市長は、「環境対策を進めれば、企業はコストダウンを図れるし、行政は無駄を削ることができる。『環境対策はもうかる』という意識の浸透が制度普及につながる」と力説さ、更に温室効果ガス25%削減するには国がEMS構築事業者に対する支援する政策が必要とも発言された。
さすが先進地域のですね。

「EA21ガイドライン改定2009年版」
 EA21中央事務局 森下事務局長より改定の背景と概要についての解説があった。詳細については4月~5月に開催される「審査人力量向上研修会」への参加が義務付けられており、その後でないと内容を解説することができない。

「審査人力量向上研修」
 審査のポイント、法規制、アドバイスの仕方などの講義や事業者へのアンケート結果の紹介がありました。

■ 2月7日午後

記念講演「環境経営の原点に立ち返って」 静岡大学 大橋教授
 学者であると同時に静岡県のEA21の判定委員の経験から、現在の取組まれているエコアクション21EMSの問題点とあるべき姿を解説していただいた。
幾つか解説していただいた中に「PDCAサイクル(デミングサイクル)とは、目標を設定し科学的な仮説を設定して、実施してみる。この結果から、原因を分析して、どこに改善が必要で、それをどのように取り組んでいくかを知り、次の計画に織り込むことである。これまでの経験では、データをとって達成したかどうか○×を付け、×の言い訳をしている事例が多いがこのようなことではない」とのご指摘がありました。
このご指摘は全く同感です。ISOの用語でいえば、これが「有効性の改善」と言うことでしょう。

記念講演「富士山の自然環境と生物多様性」 富士常葉大学 山田教授
 この講話は大変面白かった。富士山にかかる雲は樹海を創る。樹海には海や川にいる生物が上がってくる。中でも樹海の中で展開されるヒメ蛍の光景は神秘的らしい。
ヒメ蛍は2年間樹海の中で幼虫として暮らし、成虫となって夏に地上に夜中の11時頃から一斉に点滅する。明け方になって雄と雌の点滅が同期したときが恋の成立、子孫を残して2日間で死んでしまうそうです。これに比べると人間の老後とは一体何なのか考えさせられました。

|

« サービス業における持続的な環境経営の進め方 | トップページ | 原因分析における「プロセスの要因」と「外乱」の区別 »

b エコアクション21」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« サービス業における持続的な環境経営の進め方 | トップページ | 原因分析における「プロセスの要因」と「外乱」の区別 »