« エコアクション21ガイドラインの改訂 | トップページ | 「21世紀の歴史」から見える日本の課題 »

2009.12.28

「オープン・スペース・テクノロジー」を活用する

 問題解決法には、現状の悪さやあるべき姿を明確にして、そのギャップを、論理解析を行って解決していく方法と、モヤモヤとしたもの中から本質を掴みだし解決する方法がある。
「前者はニュートン理論で、後者はカオス理論に例えられる」といわれている。
前者の代表的なものがQCストーリーで、後者はポジティブアプローチと言われる方法です。

ポジティブアプローチには、ワールドカフェ、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)、OST(オープン・スペース・テクノロジー)、アクションラーニングなど手法があり欧米では古くから使用されているが、最近日本でも、これらの方法が急速に普及しているように感じられる。
かく言う私も2006年にアクションラーニングコーチの資格を取得したのですが、実際の場面ではアクションラーニングだけでは使用する場面が限定されるように感じてきました。

ワールドカフェは、比較的多人数の集まりで設定したテーマに関して参加者の意識づくりのためによい方法である。先のブロク”ワールドカフェを使ったエンパワーメント研修”で私がお手伝いした事例を紹介しました。

これに対して、OSTはテーマがハッキリしているのだが、何からどのように手をつけたらよいか分からない場合に有効であるといわれています。
 ⇒ OSTとは(HUMAN VALUEの紹介ページ)

 先々月、ある中堅企業の経営者の方よりリーマンショック以来、顧客よりコスト低減の要請が強くなり、社内の『原価管理や発注管理』のやり方を改善する必要を感じているが、何が問題なのかよく分からない。休業教育を兼ねて、社内の話し合いと改善手段の研修をしてほしい」という依頼を受けました。

このテーマは、ポジティブアプローチが最適と思って、次の2日間の研修を企画しました。参加者は会社のマネージャークラス約15名です。

<研修カリキュラムの概要>
全体テーマ「原価管理を効果的に行うには、どんな改善を行ったらよいか」
第一回目(一日目)
・OSTを使って会社の原価管理の改善課題(及び行動計画)を洗い出す。
・出てきた課題を重要度ランク付けする。
・重要度の高い課題を次の3つに層別する。
 A) とるべき具体的な行動は大変明白なので、後はそれを実行するだけ
 B) とるべき行動はハッキリしたが、もっと多くの情報を集めることが重要
 C) その課題についての先が見えず、合理的な次のステップがよく分からない

第二回目(二日目)
・課題層別Aに対して付随的な研修を行う
・課題層別B、Cに対して、アクションラーニングを用いて問題の本質の明確化と行動計画を策定する。

 12月24日(木)8時30分~17時まで、その第一回目を実施しました。
進め方は、ヒューマンバリュー社発行、ハリソン・オーエン筆
「オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション」~を参考にしました。
OSTの経験がなかったのですが、この本を読むと「これをよんだらすぐに実践せよ」と書いてあるので、実践してみました。
以下、簡単に実施の手順を説明します。

先ず実施のために、前もって「コミュニティ掲示板」「4つの原理と一つの法則の貼り紙」色つきマーカーペン、マスキングテープ、重要度評価用のシールを準備しました。

当日は最初に、私が意識合わせのため「原価管理と発注管理」というテーマで1時間程パワーポイントを用いて講義をしました。

Ost_pic その後で、机を片付け、円状に並べた椅子を並べる。中には何も置かない。
 
 
 
●オープニング
最初に専務さんの挨拶を受ける。
テーマを再度説明した後、目標(行動計画の提起)を説明しました。
全体スケジュール、4つの原理と一つの法則について説明しました。

●コミュニティ掲示板の開設
0912rimg0069 全員の自分が話し合いたい議題をカードに書いてもらい、コミュニティ掲示板に張ってもらう。議題の重複を除くと全部で9つの議題が出てきました。
議題を出した人に、なぜその話をするか説明をしてもらいました。
当初、午前3スペース、午後3スペースでコミュニティを開設し参加希望を募ったのですが、実際にやってみると、今回の人数では一つのコミュニティの人数が少なく過ぎる。参加者より自然発生的に類似議題を集約して4スペースにし、そこで複数議題の話い合いをしようということになりました。

●セッションの開催
0912rimg0071 各スペースに分かれてセッションを実施する。
全体進行の関係から、午前中のセッションは1時間15分、午後のセッションは2時間という設定になりました。
やってみた結果として、1時間15分は少し時間が足りない、2時間は長すぎる、といった感じです。

●各セッションの討議結果の発表と全体討議
ハリソン・オーエン筆「オープン・スペース・テクノロジー」には、書かれていなかったがセッション結果の発表と全体討議を入れました。
やってみると、参加者人数が少なかった関係からかも知れませんが、セッション同様、熱心な討議ができて参加者の理解が深まり大変良かったですね。

●出てきた課題(行動計画)の重要度ランク付け
0912rimg0083 赤マルのシール1人50個を渡し、最重要8個、その次7個、・・・のようにシールを貼って貰いました。
参加者は、最初は保育園の子どもようだと照れていましたが、シールを張ってみると何が重要なのか一目で分かるようになり、これはよかったですね。

●課題のA,B,C層別
 全員で話し合って次の行動に対する項目を前に説明したA、B、Cに層別しました。
Aが6課題、Bが2課題、Cが1課題となりました。

次回は、A課題に対する付随的な研修と、B、C課題に対するアクションラーニングを行う予定です。

 今回の実施結果を振り返ってみると、予想以上に成果があったように思います。
気付いた点は、参加人数によって同時に開催するコミュニティの数が制限されるということです。今回は午前・午後各1回のセッションでしたが、同時に開催するセッション数が制限される問題を解決するは、80分程度のセッションを3回計画した方がよかったと思いました。

|

« エコアクション21ガイドラインの改訂 | トップページ | 「21世紀の歴史」から見える日本の課題 »

k 学習する組織」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。

私は最近アクションラーニングを知り勉強をはじめ、2月にはセミナーに初参加する予定です。
とりあえずの目標は、アクションラーニングの本質を理解し、それを実践できるようにすることです。

これが達成できたら、ポジティブアプローチに属するものを学んで視野を広げるのも良い方法なんじゃないかと気づかされました!

投稿: きいろ | 2010.01.29 13:54

コメントありがとうございます。
アクションラーニングもファシリテーション技法の一つです。
ファシリテーション技法は奥が深いようです。

投稿: がまがえる | 2010.01.29 20:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« エコアクション21ガイドラインの改訂 | トップページ | 「21世紀の歴史」から見える日本の課題 »