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2009.09.09

鳩山代表の「中期目標25%削減」の発表に賛成

 民主党の鳩山代表が、2020年の二酸化炭素排出量を1990年比25%減(2005年比30%減)とすることを発表した。
7日のNHKテレビでは、斎藤環境相が賛成、二階堂経済産業相が反対を述べ、鉄鋼メーカーの首脳がとても無理だ、海外に出ていくしかない、と述べている様子を放映していた。おまけに、25%削減とは日本の化石エネルギー消費量を1970年のレベルに戻すことで、このためには一般家庭では省エネ機器の導入等で一家庭年間36万円の経済負担になると解説していた。
この報道を聞いて、なんとなく納得いかない。報道が片手落ちではないかという感想を抱いた。というのは、今から50年前、私が高校生の頃だったが当時池田首相が「国民所得倍増計画」を発表、テレビで「皆さんがポケットに200円持っていたら、その金を使いなさい。そのことで経済が豊かになり、回りまわって皆さんも豊かになるのです。」ということを言っていた。節約、節約という風潮の中で育ってきた自分には、180度反対の話を聞かされ、びっくり仰天、経済とは、そんなものかと、妙に感心した。50年経った今でもその放送のことを覚えている。事実、その後5年位で所得が倍増した。
これと、同じで一家庭年間36万円の支出増になるということは、消費がそれだけ増え、経済がその分、豊かになるということであり、悪いことばかりでないと思う。
 でも、その金がどこに回りまわってどこへ行くかというと環境関連のイノベーションを起こす産業や地産地消であって、化石燃料を多量に使う産業ではないことは確かかも知れません。
低炭素社会≒グリーン・ニューディールとは、グリーン(環境関連)に向けた産業の仕切り直しのことであり、この政策により伸びる産業がある一方、衰退する或いは海外に移転する産業があることを意味している。

 しかし、よく考えてみるとグリーン・ニューディールがあろうとなかろうと、現在のグローバル化した産業の日本国内での生産は、このままではBRICSや開発途上国の追い上げを食って立ちいかなくなるのは時間の問題である。
世界経済はグローバル化した。かっては世界の2割の先進国が、知的・物的ツールを手に入れ、安い資源を購入し、先進国内及び残りの8割の途上国に高く売ることで豊かな生活を甘受してきた。 今ではBRICSをはじめとする途上国の発展や情報網の発達で半分以上の国々が、知的・物的ツールを手に入れ、自国及び世界中の他の国に売るようになった。世界中の他の国といっても先進国は人口減少で需要が縮小していくので、主として途上国に売るようにしなければならない。当然、供給過剰で需給バランスがくずれる。価格は安い方に収斂し、物価がどんどん下がる。世界的なデフレで途上国と同じものを国内で作っていても勝ち目はない。じっとしていても何れ立ちいかなくなる。これはGMなどアメリカの自動車産業に例を見ていると分かる。
それならば、政府が他の国が真似できない分野、将来の経済の糧となる分野に、グリーン・ニューディールの名のもとに間接的に支援する施策を講じることが必要と思います。
聞くところによると、京都議定書の日本の削減分を達成するために、我々の税金を使って海外(他の先進国)から1兆円のGHGクレジットを購入するという。なんという馬鹿げた話であろうか。
こんなことをするのなら、その1兆円を使って最初から温室効果ガス削減の戦略を決めて国内産業を支援すればよかったのではないか。また、立ちいかなくなることが予想される産業に対しては別途早めに、それなりの支援策を講じることも必要かも知れない。
 また、鳩山代表の25%削減というのは真水ではなく、途上国の温室効果ガス削減の支援分を含むということを言っているが、これもよくわかる。
下図を見ていただくとお分かりと思いますが、2050年までに温室効果ガス排出量を半分にするには、先進国が排出量をゼロにしても実現できない。途上国への支援が不可欠である。
Co2goal

  国連大学副学長 安井先生「市民のための環境学ガイド」HPより転載

我国にとっても途上国支援分は公共投資の海外版との言えるもので国内産業の輸出支援の一環ともなる。
日本が2050年までに、温室効果ガスを70~80%を削減するということは義務としてやらねばならないことなのであるから、後追いでやるのではなく、今後の産業育成・国家戦略の一環として中期目標を決定し計画的にやることが必要だろう。
少し痛みが伴うかもしれないが、産業の構造転換を早くやる。早くやることで先行者のメリットを甘受することができる。

 そういう意味で、鳩山代表の「2020年の二酸化炭素排出量を1990年比25%減(2005年比30%減)とする」という発表には賛成です。
目標数値だけが発表されて、その戦略の説明がないのが物足りない。いや、実際に戦略がなくて発表したのなら、この発表は問題発表だったのかも知れませんね。

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