“取組チェックリスト”から卒業すべし!
当地石川県では、旧環境活動プログラムから移行された事業所様が多い関係でエコアクション21の審査は4月~6月に集中している。
私も、この間、15社の審査をさせていただきました。殆どが登録から3年目の事業所様です。
ここで、感じたことは3年以上取り組んだ事業所は「取り組みチェックリスト通りやるな!」ということです。
ある30人程度の印刷会社に行った時、社長様より、「当社の状況を言うと、材料値上がり等で荒利が落ちている。この状態で毎年EA21の10~15万円は痛い。EA21の認証を持っていたからと言って仕事が増える訳ではない。
いしかわ事業者版環境ISOは1万円である。また、印刷業協会からは『グリーンプリンティング認証』を取得せよ、との推奨もある。EA21のメリット及び、これらの関係が一体どうなっているか、説明してほしい」という話があった。
そこで、私は
「いしかわ事業者版環境ISO」は、裾野を広げるための導入編である。『EA21』は、将来的には排出量取引(中小企業向けCDM)にも対応できるようになる、また、グリーンプリンティングに相当する「印刷業向けマニュアル」の準備も進んでいる。何よりも、効果があるところは、炭酸ガス排出量(特に印刷に伴う電力等)の削減や廃棄物の削減は、業務効率の向上につながり企業体質を強化することである。」
と説明し、納得していただきました。
ところが、EA21の取り組みチェックリストは「昼休み消灯や冷暖房の温度管理」と行った内容で、業務効率の改善のチェック項目がない。
実際の現場を見ると、機械稼働率の向上や段取り時間の低減といった活動が、エコアクション21とは別個に行われている。
これらの活動は、エネルギー原単位を下げる活動で環境改善活動そのものであると思います。このエネルギー原単位の改善をEA21の仕組みに入れてP-D-C-Aを回していくならば、経営に寄与し、社長様から上記のような質問が出なかったのではないかと思います。
現在の環境経営システムガイドラインは、本業エコが入っていないので、事業者は本業と環境保全とは、別個のものであると思い込んでしまう。
この点に問題があると思います。
そこで、私はEA21に3年以上取り組んだ事業所に対して、「”取り組みチェックリスト”を無視しなさい。」とあえていいます。
では何をベースにするかというと「環境負荷自己チェック」該当チェック表で構成ウェート大きい費目に着目して、その改善案を深掘りする。二酸化炭素排出量の削減の例でいえば、印刷業では機械稼働率の向上や段取り時間の低減といった活動が結果として省エネ活動になる。
また、サービス業では、サービスのエコ活動そのものです。
こんなことは、取り組みチェックリストにはどこにも載っていない。
「取り組みチェックリスト」を活用しない方法として、もうひとつの秘訣を教えます。
それは、工場・ビルの場合、省エネルギーセンターの実施事例を活用することです。
省エネルギーセンター「工場・ビル省エネ実施事例」 にアクセスして
画面中央右下の検索欄に、自分が知りたい改善案のキーワードを入れて検索する。
例えば 「溶接」「鍛造」「重油」「冷凍庫」「照明」「ホテル」・・・など
この方法で調べると、”取り組みチェックリスト”のようなありきたりのチェック項目ではなく、その場に対応した実際の具体的な改善事例を探り出すことができます。
これをヒントにして完全案を洗い出していきます。
実のところ、これは、私のコンサルティングネタの一つで、該当するクライアントにお伺いするときは、その業種にどのような改善事例があるか事前調査してからお伺いするようにしています。
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