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2008.06.16

ISO審査員に必要な力量

080615dsc053776月15日パシフィコ横浜で開催された弟7回IRCA日本フォーラムに行ってきました。
当日のテーマは ”「適合性」から「エクセレンス」審査及び審査員へ変遷”となっている。

内容は、前段で経済産業省標準化推進室長や月刊アイソスの編集長よりISO認証審査の問題提起があり、その問題に対する基本的取り組みをIAFやIRCAが解説し、後段で各認証機関がその具体的事例について講演するというスケジュールであった。

このテーマの背景は、ISO業界では、認証件数が2005年ごろから横ばい状態である。特にISO9001に限って言えば、建設業の認証登録件数がどんどん落ちている。この関係で認証料金も下降傾向にあり、このままでは将来展望がないという問題意識から出ている。
この原因としては、大きく分けて2つの要因がある。
一つ目は審査を受けた企業の半数が、ISOを取得してもパフォーマンス向上につながらなかったと感じていること。特に中小企業ほどこの傾向が強い。
二つ目は、食品・製紙業界などISOの認証取得している企業が相次いで偽装をしていることが発覚し、消費者がISOの認証そのものを信頼していない、ということである。

これは、日本に限ったことではなく世界的規模で起きている。
この原因として、ISOマネジメントシステム審査のコモディティ化(儲け商品化)による認証の負のスパイラルと、審査員の力量不足があげられている。

ISOマネジメントシステム審査のコモディティ化(儲け商品化)に対しては,
2006年9月に認証機関の倫理規定、ISO17021-1「審査登録機関に対する要求事項」が制定され、全ての認証機関は、2008年9月14日までにこの規格に準拠することが求められている。
この内容はISO/IEC Guide66が改定されガイドラインから規格となったものである。
その大きな変更点は次の点である。
(1) 利害関係者の定義が拡大され「消費者」が入ったこと。
(2) 認証機関は力量ある力量ある審査チームの任命を確実にするためのプロセスを定める。
(3) 認証及び審査プログラム
 -初回認証審査の場合には2段階審査とすること
 -サーベイランスは、実地審査終了日を基準に12ヶ月以内に行うこと
 -更新審査の実施と不適合が特定された場合の是正処置完了と確認を、認証書の有効期限までに行うこと。
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この部分については、既に認証機関より、2008年4月以降に更新審査の予定日が到来する企業に対して、更新審査をこれまでより3ヶ月程度早期に実施するという通知が届いていることと思います。
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(4) 第一段階審査
第一段階審査で満たされるべき7つの目標を確立した(詳細はJISQ17021 9.2.3.1参照)。また、要求事項ではないが、第一段階審査では少なくとも一部は顧客の所在地で実施されることが推奨される。

次に審査員の力量に関しては、アイソスの恩田編集長より、今年2月にアイソスが行った被審査側企業のンケート結果では、非常によいと評価される審査員がいる一方、1割程度審査員が「非常が悪い」と評価されているという紹介があった。
IAFでは、現在ISO17021-2「第3者認証機関の審査員の要求事項」をISO/CASCO(適合性評価委員会)/WG21が開発している。
この規格は現在CD1の段階で、10月にはCD2が発行され投票に持ち込まれる予定で、今回のIRCAフォーラムでは、IAF技術評価議長からその概要が紹介された。

Auditor_2
現在、審査員の力量に関してはISO19001に右の概念図とその基準が定められている。

この規格では、この概念から更に一歩進んでいる。
従ってISO19001の監査員の力量基準は、今後は二者監査や内部監査員のみに適用されることになる。
 
 
 

ISO17021-2の力量の概念図は下記のようなものになる。この中でそれぞれのマネジメントシステムに対応した力量基準が制定されることになる。
その基準は、資格や経験よりも専門能力が重視されるらしい。
専門能力とは
・審査企業に行ってどこにリスクがあるかを気づき、どこを直せば効果が上がるか、事業を助けることができるかを審査できる審査員であって、経営者と話ができる審査員である、といことである。

Auditor_compt

このようなコンセプトを元に、IRCAでは主任審査員・プリンシパル審査員よりももっとレベルの高い「コーポレート審査員」という資格を開発中であり、その内容が紹介された。
これは経営品質のアセッサーとどう違うのだろうか、ISOも経営品質も同じ所に収斂していくような気がしました。

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