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2008.02.24

産業界に対する温暖化防止施策の動き

18・19日、近畿地方のある市役所様へ自己宣言移行に伴う内部監査員養成研修のお手伝いに行ってきました。
自己宣言では、何よりも内部監査がキッチリしていることが肝要ですから。

ところで、研修の準備をしているときに、産業会に対して、急ピッチで温暖化防止に対する政府の施策が出ていることに気がつきました。

省エネ法改正予定については先のブロク「二酸化炭素排出量と省エネ法改正予定」で紹介しました。

もう一つは、平成19年11月22日施行、12月7日基本方針が閣議決定された「環境配慮契約法」です。

この法律は、国・地方公共団体・独立行政法人が、電力、自動車などの耐久財、庁舎・設備の設計・改修を行う場合は、CO2排出量を算出し評価して、排出量の少ないところへ発注することを義務付けるものです。

 ⇒ 環境省「環境配慮契約法」のページ

具体的内容は、1月~3月にかけて、全国各地で、国の各機関(地方支分部局など)、独立行政法人、地方公共団体に対して説明会が開催されていますので、実際に運用されるのはその後になると思います。
建設コンサル業や行政機関に耐久財を納めている事業者の方は、自社の環境マネジメントに織り込む必要があると思います。

今一つは、「炭素税」「排出権取引」の問題です。
日本では、これまで経済同友会が賛成、経団連が猛反対ということで、ストップしていましたが、EUは既に実施済です。
アメリカでもブリティッシュ・コロンビア州が炭素税を導入した。
また、米議会でも急ピッチで導入の準備が進んでいます。

---- 1月21日EcoJapan山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』より引用 -----
 昨年8月から3回に分けて、米国議会に当時提出されていた、 排出権取引を含む10本の温暖化関連法案について、この欄で論じた 。そこでも簡単に触れたが、その後10月18日に、従来の案を統合したかたちでリーバーマン・ウォーナー法案が上院に提案された(S2191、America's Climate Security Act of 2007)。本案は提出前から、他の案に比べて採択の可能性が高いと言われていたが、実際、11月1日には、4対3の小差ながら上院の環境・公共事業小委員会を通過。そして12月5日には、賛成11、反対8で上院の環境・公共事業委員会を通過した。
 上院で可決するには、当然のことながら過半数(51人)の賛成が必要であるが、法案の審議を打ち切って投票にかけるには60人以上の賛成が必要になる。しかも、いったん上院を通過しても大統領が拒否権を行使すれば、上院で再可決するには3分の2、つまり67人以上の賛成を必要とする。このほか、下院の法案との調整もある。したがって、この法案の成立見込みは現時点では不透明である。また、筆者が昨年9月に米連邦議会のスタッフ数人と面談した感触では、「現ブッシュ政権継続中に法律となる見込みはかなり低い」というのが、ほとんどの見方であった。仮に法律となる場合でも、議会を通るのは早くて2009年、施行されるのは2011年か2012年くらいと予想されている。
---------------------- 引用終わり ----------------------------------

ここへきて、日本政府ようやく腰を上げたようです。
2月21日付産経新聞では、以下のようなニュースが載っています。
 「経済産業省は20日、二酸化炭素(CO2)などの排出量削減目標を達成するため、欧州連合(EU)が取り入れているキャップ・アンド・トレード(C&T)方式や環境税の妥当性などを検討する私的研究会を月内にも発足させることを決めた。研究会は排出権取引に詳しい学識経験者や産業界、非営利組織の代表者ら約10人で構成。7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)までに論点を整理する。」

 ⇒ 「CO2排出上限・環境税 経産省が妥当性検討 学識経験者らで研究会」

これはISO導入の時と同じ経過をたどっているようです。

ISO9000規格が制定されるとき、日本にはTQCがあると言って制定委員会に参加しなかった。
制定後、欧州へ輸出するときにはISO9000は必要と分かって大慌てでとりいれた。

排出権も、これと同じ経過にならねばよいがと心配です。
いずれやらねばならないことになるのですから、切羽詰ってやるのではなく、戦略性を持って前倒しでやってもらいたいですね。

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