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2008.01.11

OHSAS18001:2007年改訂

労働安全衛生マネジメントシステム規格OHSAS18001が2007年7月に改訂となりました。

「既にOHSAS18001:1999の認証取得している事業所は、2年後の2009年7月1日までに切り替えすること。また、IRCA登録OH&S審査員はその資格を更新する際に、OHSAS18001:2007の変更点に焦点を当てた移行コースもしくはワークショップを受講すること」が要求されている。

そんな訳で、1月8日テクノファー川崎で「OHSAS18001:2007解説コース」を受講しました。
テクノファーの豊田寿夫氏がWGの日本代表メンバーを務めていて、このコースは審査員登録更新適応コースとなっている。
このような関係からか、このコースは12月から月2回ほど開催されているが、最近のコースでは珍しく盛況のようです。
1月8日の受講者は、OHSMS審査員、OHSMS認証登録組織の責任者の方、コンサルタントなど38名でした。
著作権の関係で、詳細は説明できませんが、今回の改訂の主なポイントは以下のとおりです。

(1)ISO9001やISO14001との整合
 元もとOHSAS18001とISO14001とは同じ規格構成になっていたが、OHSAS規格の2004年の改訂されたISO14001と同じ構成となった。「不適合」「是正処置」「予防処置」などの用語の定義がISO9001と整合が取られた。

(2)OHSAS18001の名称が「Specification-仕様」から、「Standard-標準規格」に変更になった。
 これは、OHSAS18001:1999が多くの国でOHSMSの国家規格として採用されたことが反映されている。

(3)変更管理をより明確に規定された。
 「変更管理」というのは、厚生労働省の用語では「リスク低減措置」と表現されており、この方が素人には分かりやすいかも知れません。
規格では4.3.1と4.4.6に「変更管理」の必要性が明確に言及されるようになりました。

(4)衛生の重要さを明確に記述された。
 「疾病(ill health)」の用語が追加になり、インシデント対象として記述された。日本でもそうだが、最近の労働環境は世界的な傾向としてストレスによるのが増えていることを反映している。

(5)危険源の定義から物資と事業環境に関する障害が削除された。
 これは考慮しなくてもよいということではなく、物損により人に危害が及ぶものは当然入るが、単に物損だけのものは対象としないという意味です。

(6)労働者の参画に関する新しい要求事項
 従業員との協議は当然のこととして、請負者(下請け等)との協議の手順を確立することが追加になった。

(7)「事故」は「インシデント」の包括する定義とする
 これまで日本では結果のパフォーマンスは「事故報告書」など「事故」で管理するのが一般的であったが、今後は「事故」は発生しない状態での管理、すなわち「インシデント」で管理する。
「インシデント」の一部に「事故」が含まれる。

(8)リスクアセスメントに関する変更
 ①「許容できるリスク」が「受容できるリスク」に変更された。
では、受容できるリスクとはどこまでかというと「ALARP(As low as reasonably practicable)」=「合理的に実現可能な程度の低い」ということある。
これには厚生労働省リスクアセスメント指針・施行通達別添2 10リスクの低減措置の検討及び実施(2)項が対応している。

ALARP対応のリスクアセスメント手法は、すでにISO14121(JIS B9702)で制定済みであるので、これを参照するとよい。

 ② OHS計画の一部として、管理策を決定する際の階層(順序)を考慮するという新たな要求事項が追加された。
これにも厚生労働省リスクアセスメント指針・施行通達別添付4 3 リスク見積もり例 が対応している。

Ohsas_risk

 優先度の決定事例(上記RA指針 単独実施の場合より転載) クリックで拡大

これらのリスクアセスメントの関連資料は「厚生労働省のリスクアセスメント等関連資料・教材一覧」で公開されているので参考にするとよいでしょう。

なお、「OHSAS18002労働安全衛生マネジメントシステム実施の指針」は現在ドラフトの段階だそうです。
その審議過程はアイルランドのOHSAS委員が開設しているページで公開されている(但し英文です)。

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