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2007.11.06

古紙100%は環境にやさしくない?その2

前回のブログ「古紙100%は環境にやさしくない?」について日本製紙様へ内容確認を依頼した所、日本製紙環境安全部より、このブログの最下欄に掲載の大変丁寧な返答がありました。また、古紙100%配合廃止について記載した日本製紙CSR室発行の「紙季折々」を送っていただきました。

「紙季折々」では、古紙は大変貴重な資源であることや、海外植林を積極的に進め、そこからバージン紙の原料を調達すること、また2008年までに国内外のすべての自社植林地で森林認証を取得することが紹介されていました。

どうもありがとうございます。

しかし、地球温暖化の影響では、先の私のブログの掲載記事と同じグラフで「バージン紙は古紙100%品に比べると二酸化炭素排出量が3分の2となっており、温暖化に与える影響が少ないと見て取れます」と断定されています。

私は、ここのところの見解が異なっている。
「日本製紙のループ内で二酸化炭素排出量を算出すれば、そのような結論になるかも知れませんが、製紙業全体の原料調達の問題、紙の消費者の意識への影響を考えれば、古紙100%の方が二酸化炭素排出量が少ない。」
ということを言っている訳です。

「古紙は貴重な資源であるし、リサイクルすることでバージン紙に比べて生産段階の二酸化炭素排出量は多いが、廃棄段階までを含めた二酸化炭素排出量は少ない。しかし、古紙100%は資源・エネルギーを余分に使い無駄が多いので、最適な配合率にする。」
と説明していただければ納得できたと思います。

日本製紙様のような説明ですと、古紙100%をやめた本当の理由はコストの問題ではなかったか。そのことが言いにくいので、二酸化炭素排出量にすり変えて説明をされた。
消費者を騙しているのではないか? という風にも受け取れます。

なぜそう考えるかというと、古紙100%にこだわると、歩留まりが悪くなり、漂白のために余分のエネルギーが必要になり大幅なコストアップとなる。
加えて、最近の原油高、経済発展の進む中国などで古紙需要が高まり輸出量の増加などで昨秋から古紙価格が急上昇している(新聞紙古紙を例に取ると9円→14円になっている)。これらのコストを消費者に付け替える訳にはいかないので、古紙100%を断念した。
と推測されます。
現に、今年に入って日本製紙も王子製紙も減益、株価は急降下している。
だから、そんなことを言っているのではないか?

消費者の立場からは、
環境とコストのバランスが必要で、古紙100%にこだわれば価格が上がるということであれば、古紙70%で結構ということになる。

もう少し、全体的な影響を考慮した説明をしていただきたかったですね。

以下は日本製紙様からの返答です。

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△△様

平素より大変お世話になっております。

弊社の説明不足もあるようで、ひとつ大きな誤解がありますので、その点についてご説明させていただきます。

弊社としましても古紙は大変貴重な資源であるとして認識しており、循環型社会の形成のためにも、古紙全体の使用量は増やしていく意向です(弊社の環境憲章にもその点は明記しております)。
古紙は重要な資源である一方、もともとインクのついた古紙を漂白しながら作る古紙パルプは、一度色のついたものなので、白くしようとすればするほど、薬品やエネルギーの使用量が増えてしまう上、洗えば洗うほど痛んで使えなくなる繊維が増え、歩留まりが悪くなってしまいます。つまり古紙パルプはどちらかというと白さがさほど求められない紙(ダンボールや新聞紙)に適しています。その一方、バージンパルプは、色が白く、強度が強いため、古紙パルプの欠点を補うことができます。

つまり、古紙パルプにバージンパルプを混ぜることにより、無理して古紙を漂白する必要がなくなるため、薬品やエネルギーの使用量を増やすことがなくなります。さらに歩留まりが上昇することにより、同じ量の古紙から作れる古紙パルプの量が増えるのです。

弊社が古紙100%品をやめるとしたのは、古紙100%品を無理して作ることによる無駄をなくすことが目標で、古紙自体は積極的に使用していきます。
たとえば、新聞紙では古紙の配合率を75%まで高めることを目標として取り組んでいましたが、その目標を昨年達成し、さらに配合率を高める努力を続けています。

古紙100%紙を廃止した理由について説明いたしましたパンフレットを貴殿宛に送付させていただきます。
ご理解いただければ幸いです。

環境安全部 ○○
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コメント

>「古紙は貴重な資源であるし、リサイクルすることでバージン紙に比べて生産段階の二酸化炭素排出量は多いが、廃棄段階までを含めた二酸化炭素排出量は少ない。しかし、古紙100%は資源・エネルギーを余分に使い無駄が多いので、最適な配合率にする。」
と説明していただければ納得できたと思います。

そのとおりだと思います。
加えて、古紙の流通を後押しすればよいので、R100に固執するグリーン調達法改正に、業界全体で働きかけるべきでしょう。 それが環境対策として優れていると自信を持って。

「市民のための環境学ガイド」でも取り上げていましたが、R100は二酸化炭素に関しては旗色が悪いようです。
リサイクルの旗艦としては、相変わらず推奨されていますけど・・・

投稿: 環蛙” | 2007.11.07 08:54

「市民のための環境学ガイド」でもおかしいと言い始めました。 LCA4種類の比較が出ています。 参考までに。

投稿: 環蛙” | 2007.12.04 10:38

環蛙さま

情報ありがとうございます。
「市民のための環境学ガイド」でも、日本製紙が古紙100%をあきらめた本当の理由はコストだといっていますね。
また、環境面からは「R100(古紙100%)が良い。しかしR70K30(古紙70%間伐材30%)という選択も同じくらい良い。」とも言っているように聞こえますね。

投稿: がまがえる | 2007.12.04 21:28

がまがえる様

本当は「市民のための環境学ガイド」にご紹介したかったのですが、最近、おかしな書き込みが多いので止めました。匿名制度の弊害でしょうか、イヤな世の中になりました。

投稿: 環蛙” | 2007.12.12 09:02

1月16日朝日新聞の一部抜粋
日本製紙のCSR報告書は一体何だったんだ。どうなっているの?

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日本製紙が昨年10月から12月までに生産した一部の再生紙製品を工場の加重平均で調べた。その結果、再生紙の割合が100%とするコピー用紙が実際には11~59%だった。同様に80%としているノートでも35%。封筒も再生率が70%とする製品が11%だったり、40%とする商品が実際は5%だったりしていた。

 環境配慮製品を広める目的のグリーン購入法では、国や独立行政法人に100%古紙のコピー用紙の購入を義務づけている。同社が生産したコピー用紙が契約違反に当たる可能性が強く、環境省は今後の対応を検討している。

投稿: がまがえる | 2008.01.19 08:28

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