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2007.07.18

中越沖地震と原発の緊急時対応について考える

中越沖地震の被災地の皆様お見舞い申し上げます。
さぞ大変と思いますが一刻も早い復旧を念願します。

昨日、今日の新聞を見ると柏崎刈羽原発の問題が多数報道されています。
私は専門家ではありませんが、ISOの観点から(独断と偏見が入っているかも知れませんが)、東京電力の対応はこれでよいのだろうか少し検証してみます。

リスク管理の対応手順は、環境での労働安全衛生でも経営諸問題でもほぼ同じです。
下図はリスク管理の手順を「ISO14001 4.4.7 緊急事態の準備及び対応」に合わせて図式化したものです。
(クリックすると拡大します)
Kinkyu_jitai_3

上図に沿って考えていくと、東京電力は原発建設に当たっては地震を想定され予防措置・緩和措置を講じられている。
それにも拘わらず今回、数多く(約50件)のトラブルが発生している。
 ⇒ 東電発表の地震によるプラントへの影響

この原因として
「今回の地震は想定外であった。東京電力は88年、同原発の国への設置許可申請にあたり、大きな揺れをもたらす地震として、当時の国の指針に基づき、原発直下で起きるマグニチュード(M)6.5の地震や、内陸部の断層による地震などを想定した。しかし、今回は原発から9キロでM6.8の地震が起きた。
建設時の調査では、近くの海底に4本の断層が見つかったが、断層の長さが短いなどの理由で、大きな地震は起きないとみなされた。4本とも、今回の地震を予測させる断層ではなかった。(7月16日毎日新聞ニュース)」
と報じている。

また、経済産業省原子力安全・保安院によると、1号機の地下5階に設置された地震計で東西方向に680ガルの揺れを観測。原子炉など重要機器の設計で想定する273ガルを大きく上回った、とある。

前回の能登半島地震でも同じことが報道されている。
「3月25日に発生したマグニチュ-ド6.9の能登半島地震で、志賀1号炉の原子炉建屋地下2階の地震計は239ガル、2号炉では264ガルを示した。スクラムレベルは、それぞれ190ガル、185ガルである。1号炉は本件で、2号炉は日立製の低圧タ-ビン事故で止まっていたため、幸運にも難をのがれた。国の地震調査委員会は、北陸電力が評価対象からはずしていた断層がもう1本と連動して動いた可能性が高いと発表した。北陸電力は地震対策を甘く見積もっていたと言えよう。」

どちらにしても、電力会社が行なう予防措置・緩和措置はまともなものではなかった、といえる。
断層の存在を知らなかったというのは問題であるが、それは仕方がなかったとして原発直下で起きるマグニチュード(M)6.5と想定しているというのはどうしてなのだろうか。
リスクを想定するときは過去のデータを参考にするのが当たり前ではないか。
気象庁によると今回のような日本海側プレートのひづみによる地震帯は新潟―神戸地震帯と呼ばれ1847年以来過去10回 大地震が発生している。
 1891年 濃尾地震  M=8.0
 1964年 新潟地震  M=7.5
 1847年 善光寺地震 M=7.4
 1995年 阪神大震災 M=7.3 です。
それなのに、原発直下で起きるマグニチュード(M)6.5と想定しているというのは地域住民をバカにしてるように感じる。

次に「緊急事態の準備及び対応」どうだったかを考えてみると、これも問題がありますね。
一つ目は、放射能を含んだ水が海中に流入しながら、東京電力が迅速に情報を開示しなかったこと。
この辺の認識と手順が不十分ということですね。

二つ目は地震直後変圧器の油が発火して黒煙が上ったのをテレビで放映していた。
ところが、これが消火されるまでに2時間以上かかっている。
東電では、初期消火だけして消防署に連絡、消防がくるのを待っていた。しかし、地元消防本部は市内各所からの対応に追われ、消防隊が原発に到着し作業を開始したのは1時間18分後である。
このような地震の際は、消防隊を待っていても中々時間がかかる。
初期消火だけやって後は消防隊に任す、という対応手順には問題があると思います。
或は、刈羽原発には自主防火組織があるが、実際には人・機材・訓練不足なので機能しなかったということかも知れません。

何れにしても原発で事故が起きると、地域を越え、また長期間にわたって影響がでるのでもっとキチンとやっていただくことを切望します。

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