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2007.06.07

温暖化対策と原子力の利用

今日はサミットでの地球温暖化対策のニュースでばかり。
報道されたニュースによると、阿部首相は「日本が得意とする革新的技術で温暖化対策で世界をリードする」といっているがその中味は、火力発電施設などから出るCO2を地下や海底に固定する二酸化炭素回収・貯留(CCS)と、原子力発電のことらしい。

6月1日に閣議決定された「21世紀環境立国戦略」を見ると、次のような記述がある。

-------------------<ここから引用>----------------------------
②美しい星50

提案1:世界全体の温室効果ガス排出量削減のための「長期戦略」の提唱

(世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減)

大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるという「気候変動枠組条約」の究極目的の達成のためには、世界全体の排出量を自然界の吸収量と同等のレベルに抑え込む必要がある。このため、「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減する」という長期目標を、全世界に共通する目標とすることを提案する。
現状の世界の排出量は、自然界の吸収量の2倍を超えており、大気中の濃度が高まる一方であることを考えれば、まず、この目標を国際的に共有すべきである。

(革新的技術の開発)

「革新的技術の開発」は、経済成長と温室効果ガスの排出削減の双方を同時に達成できる技術を国際協力により開発するものである。具体的には、二酸化炭素排出量ゼロの石炭火力発電安全で平和的な原子力の利用を拡大するための信頼性と安全性を前提とした先進的な原子力発電、高効率かつ低コストな太陽光発電や燃料電池、次世代自動車の普及、コークスを減らし水素を用いる製鉄プロセス等に関する技術開発を推進する。
------------------<引用終わり>-------------------------------

しかし、「WWF日本の温暖化対策へ物申す!~緊急セミナー開催報告」を見ると、二酸化炭素回収・貯留(CCS)は実用化まで30年~50年かかること、また地下に埋めたCO2の漏洩リスクがあることから、問題視されていますし、日本が最も力を入れている原子力発電は、温暖化防止に有効な対策になるには世界で1000基以上が稼動しなければならないとのこと。これを10年間で達成しようとすれば、毎週1~2基が運転を開始する計算になり、これは不可能でしょう!という指摘されている。

それにもまして心配なことは、そんなに原子力に頼って大丈夫なのか、という素直な疑問です。

温暖化の原因は化石燃料の大量消費にあることはほぼ間違いないが、では、なぜ、人類は自らの生存を脅かすこんな事態を生んでしまったのか…。
それは、250年前の産業革命にある。
産業革命で、人類は人間の力の何十倍も力を操るツールを手に入れた。
18世紀からは石炭を使い、19世紀末からは石油の利用する。そして、そのことが石炭、石油という化石燃料の大量消費が大気中に温室効果ガスを増大させ、気温上昇を招いてしまった。

この問題を別の技術革新”原子力”で解決する、というのは何とも怖いことではないだろうか。
人類は原子力を新たなツールとすることによって、今度は石油に比べて何億倍もの別の力を手にすることになる。
人間は神様ではない。あるときは善人、あるときは悪人になる。善人が原子力を操作するときはありがたいが、悪人が原子力を操作すると恐ろしいことになる。

2004年度の日本の研究開発予算は約4兆円、その64%が原子力関係であるいう。
ここは、原子力ではなく、もっと太陽光・風力・バイオといった自然エネルギーに目を向ける必要があるのではないでしょか。

私ごとですが、先月から今月にかけて北陸電力と○○商事より「エコキュートにしませんか」という勧誘の電話があった。
市民のための環境学ガイド「エコプレミアム流給湯装置の選択」を見るとエコキュートを導入すると確かに電力料金が下がる。
この要因は、電力会社が原子力発電機を稼動すると止めることができず、夜間は電気が余る。そこで昼25円/kWh、深夜10円/kWhと設定するという電力会社の営業政策によって電力料金が下がるという構図になっている。
Atm_2
右は先に紹介したWWFのページのグリ-ンピース・ジャパン鈴木真奈美氏のスライドの一部です。
エコキュートがそんなに売れる訳でもないから、原子力発電を大量に作っても夜間に無駄なも電力を作り続けることになるかも知れません。

このようなことを考えると、エコキュートを活用するということは、原子力発電の推進に協力するということでもあるような気がして、何となく乗り気がしない。
自分としては、それよりも自然エネルギーがよいのではないかと思い、自然エネルギーが安く供給されるまで待ちたいと考え北陸電力の提案を断りました。

( ´ー`) 追伸
 阿部首相がこれだけ原子力発電にこだわるのは温暖化対策は一つの看板であって、本当の目的は、日本は非核3原則の関係上核爆弾をもてないので「日本は原子力関係技術は世界の最先端にある。いつでも核爆弾を作れるぞ!」という他の國への脅しなのかも知れませんね。
北朝鮮の情勢等、最近の日本の国益だけを考えると正しい選択のように見えますが、100年先の人類全体の将来を考えると間違っているように思いますね。
これも温暖化問題と同じで痛い目に合わないと方向転換できないということでしょうか。

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コメント

米国のシンクタンク、外交問題評議会からこんな報告書が発行されています。
「原子力エネルギーは実質的な気候変動対策になり得ない」
 ⇒
http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070507_213845.html

投稿: もりあおがえる | 2007.07.19 21:59

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