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2007.06.26

ISO9001とISO14001のシステムの基本的な違い

先にISO9001の認証取得をされた組織が、次にISO14001に取りかかるときよく勘違いされることがあります。
「ISO9001の経験から、ISO14001も認証取得するには手順書を作ればよいんだ」と思い込んでおられる。
先日も数年前にISO9001の認証取得済みの企業様にISO14001の追加認証取得のお手伝いをしたのですが、こちらは分かっていただいていると思っていたが、中々進まないのでよく見ると、自分のISO9001の経験を元にISO14001を理解されていることが原因であることが分かった。

私は、これまでISO9001の認証取得済みの企業様のISO14001の認証取得を数社お手伝いさせてもらいましたが、どの会社でも程度の差はあるが同じ傾向があるように感じます。

ISO9001では、マネジメントシステムの有効性の継続的改善を求めていますが、ISO14001の継続的改善では“有効性”という言葉は入っていません。
また「継続的改善」という用語の定義も以下のように異なっています。
 ISO9000 3.2.13 継続的改善:要求事項を満たす能力を高めるために繰り返し行われる活動。
 ISO14001 用語3.2 継続的改善:組織の環境方針と整合して全体的な環境パフォーマンスの改善を達成するために環境マネジメントシステムを向上させる繰り返しの活動。

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ISO9001の基本的な考え方は、プロセスアプローチと、Quality Control です。
ISO9001ではプロセスに対する品質目標を設定することを求めていますが、その改善は不適合に対する是正措置・予防措置を通して実施します。その目的は「顧客要求事項及び適用される規制要求事項を満たした製品を一貫して提供し、顧客の満足を得ること」にあります。
従って、改善のための実施計画書を作成することまでは要求していません。

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ISO14001付属書A.1一般要求事項の解説では「この規格に規定された環境マネジメントシステムを実施することは、結果として環境パフォーマンスが継続的に改善されることをねらいとしている」と記述されています。
この改善の基本概念はデミングサークルと呼ばれる Plan Do Check Action のループを基礎としています。
「環境パフォーマンスの改善」を実施するためには、方針と整合した部門別階層別の改善活動書の作成と構成員全員の認識が必要です。
この点がISO9001と全く異なっていることに注意してください。

・ISO9001の不適合・是正処置・予防処置とは主として製品に対するものです。不適合製品を出さないためには詳細な手順書(QC工程表・作業標準)を作ることが有効です。

・ISO14001の不適合・是正処置・予防処置とは、主として目標指標の未達に対して行なうものです。手順書の改訂ではなく、目標の設定方法や改善実施計画書に対して行う。
そのためISO14001で手順書を要求しているのは、4.4.6項「目的及び目標から逸脱するかもしれない状況を管理するために手順書」だけです。その手順書もISO14004 4.4.6.2には「必要に応じて、例えば、指示書、標識、ビデオ、写真などの形式による、手順の文書化」と表現されおり、ごく簡単なもので十分です。

極論を言えば、ISO14001は手順書はなくても、継続的改善の文書及び記録と法規制等の文書及び順守評価記録があれば認証取得できるということです。

下記に、有害物質を保管・使用していない小規模事業所において、最低限必要な文書及び記録の例を示します。この例では手順書として用意するのは「廃棄物管理手順書」だけです。

 ⇒ ISO14001規格が要求する最低限度必要なEMS文書及び記録の例


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