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2007.05.29

医療FMEA(HFMEA)の支援システム

5月27日(日)日科技連高円寺ビルで、日本品質管理学界の第83回研究発表会を聴講しました。
当日は第2日目で全部で44件の発表が行なわれ、その中から11件の発表会に参加しました。
殆どは大学の研究生や企業やコンサルタントの方の研究発表ですが、特に同業コンサルタントの方の発表は自分の仕事のやり方をレビューするのによい機会でした。

この中で、「医療機関におけるヒューマンエラーの未然防止に関する研究 -調剤FMEA-(中央大学 島村瞬、中條武志)」は医療機関の方には参考になるのではないかと思いましたので紹介します。

私のホームページ「医療のリスクアセスメント」でも医療のFMEA(H-FMEA)の概要を紹介しています。
これは、ある病院の中央放射線部門のISO9001のコンサルに当たって導入することをお勧めしたときに作成したものです。

しかし、これに取り組むには、FMEAを理解した専門家が必要であるが、病院にはFMEAに関する知識・専門知識を殆ど持ち合わせておらず容易なことではない。
結局、将来的にはやりたいが今は断念するということになり、やらづ仕舞いの状態になっている。

このことは、どこの医療機関でも同じ状態らしく、日本におけるHFMEAの第1人者の中條先生他が調剤に関して、FMEAの専門知識を持たなくてもできるようある程度パターン化されたEXCELによるFMEA支援システムを構築された研究結果の発表があった。

やり方としては、42件の調剤薬局の協力を得て、
(1)薬局おける作業プロセスの種類
(2)薬局で発生しているエラーの調査
(3)薬局で行なわれているエラー対策
のデータを元にFMEAのやり方をパターン化し、画面入力でできるようにしたものです。

できたシステムをある薬局の薬剤師に使ってもらったところ、支援システムなしでは半日位かかる所を20分位でできたそうです。

余り簡単すぎて、利用者が考えなくなると別の問題がでてきますが、現実的にFMEAの導入を支援するという点からは、よい試みではないかと思います。

この支援システムは開発過程にあり、ホームページ上に公開されています。

 ⇒ 「調剤FMEA」の支援システムのページ

興味のある方は、試して見られてはいかがでしょうか。

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2007.05.25

ISO14001からエコアクション21への移行

先のブロク「ISO自己宣言の基準」で自治体がISO14001認証登録から自己宣言に移行している状況を紹介しまたが、エコアクション21へも移行が進んでいますね。

今月、長野県(関連機関378か所)が14001からエコアクション21に移行しましたね。
SBC信越放送のホームページに、認証・登録証授与式の模様がビデオつきで掲載されています。

その他、非公式情報ですが、福井県のある市でも14001からエコアクション21への移行が準備されていると聞いています。
やはり、審査費用に見合った効果がないということでしょうか。

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2007.05.23

EMSにおける”環境とは、その範囲”

15名程度の建設業のエコアクション21の審査で環境の定義に関する問題に出くわした。
”緊急事態の想定及び対応策”で”重機が岩石がぶつかって油漏れした場合”を想定し、環境への緊急事態と想定されている。
対応内容は、簡潔に記されている。

審査人:「・・・では緊急時対応訓練をしていますか?」

事業者:「こんなことありえませんからね、していません。」

審査人:「どうして、こんなことを緊急時と想定されたのですか?」

事業者:「他社の事例を調べたら、そう書いてあったから。」

審査人:「では、工事中にこれは大変ということはありませんか?」

事業者:「そうですね。怪我の発生ですね。怪我が起きたら大変ですし
  危険予知訓練をしています。
  また、安全管理組織を作り対応訓練をしています。」

審査人:「では、なぜこれを環境上の緊急事態としなかったのですか。」

事業者:「怪我は環境問題ではないですよ。」

では、本当にこれが”組織における環境上の緊急時の想定及び対応訓練ではないのか”という問題です。

そこで、環境の定義を調べてみた。
環境省のEICネット環境用語を見ると

環境基本法(1992)に「環境」の定義規定がない。これは、環境法がまだ発展段階にあるため、制限的に定義しないままでおく(つまり、「その他」を残しておく)ことが必要と判断されたためと考えられている。
「環境の保全」という言葉は、法律では「地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他」を意味するとされている(環境省設置法第3条、環境教育推進法2条)。したがって、「環境」とは、これらの分野で保全の対象とされているもの、すなわち、大気、オゾン層、海洋、野生生物種、水、土壌、静けさ、景観、原生の自然その他を意味すると解される(環境基本法2条参照)。
環境政策、環境行政、環境白書等といわれるときの「環境」はこうした意味で用いられている。

即ち、ハッキリした定義がないということですね。

しかし、環境マネジメントで用いる「環境」の定義はISO14050(JISQ14050)環境マネジメント―用語 で定められている。

1.1 環境
 大気、水、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係を含む、組織の活動をとりまくもの。
参考として「ここでいうとりまくものとは、組織内から地球規模のシステムにまで及ぶ。」と記述されています。

大気、水、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係とは何か、というと生態系のことではないかと思います。
ですから、先の企業様が怪我は環境問題ではない、といったのは正しいような気がする。
一方、「・・・・・・人を含む、組織の活動をとりまくもの。ここでいうとりまくものとは、組織内から地球規模のシステムにまで及ぶ。」という文面で見れば、怪我は環境影響の結果と捉えることができる。

先の認証機関JACOの判断でも「不二家が掲げる環境宣言の基本理念や食品衛生マニュアルなどのずさんな運用」という理由で人の健康を環境影響と捉え、ISO14001の認証を一時停止している。

では、怪我はどうなんでしょうか?
労働安全衛生マネジメントの著しいリスクであるが、同時に環境マネジメントの問題として捉えていけないということはない。
結論としては、ここはグレーゾーンで労働安全衛生と環境がラップする領域で、どちらかというと労働安全衛生ですね。しかし、労働安全衛生マネジメントシステムを構築していない事業所では環境メネジマントシステムに組みいて管理しても何ら問題ない。

先の企業様には「無駄なことを想定するより、今やっている怪我の問題を”環境上の緊急時の想定及び対応訓練”にした方がよいのでは。その方が実態とあっているのではありませんか」とアドバイスした。

しかし、他の審査人が、この判定はおかしい、といわれると信用問題になる。

共通認識が欲しいですね。

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2007.05.09

プロセスアプローチのやさしい説明

4月に入って2社から相次いでISO9001のコンサル依頼を受けた。
いづれも30~50人規模の製造業です。
EA21の審査のピークも過ぎ、またご指名いただくこと自体大変有りがたいことなので引き受けることにしました。
今時ISO9001は珍しいので、取組の目的を伺うと
① 組織が成長し人員が増えたので規模に応じた組織的な管理ができるようにしたい。
② 製造現場の品質・コストの改善をしたい。
という至極まじめな動機である。

導入教育でISOとは何か、8つの原則などを話した後、どれだけ分かっていただけたか簡単なテストをすると、その中で
「プロセスアプローチとはどんなことですか、あなたの職場の例で説明して下さい。」
という質問に対する答えが殆どできていない。

まあ、この概念は難しいこともあるが、私の教え方も悪いのだろう。分かりやすく説明するということは中々難しい。自分の頭の整理を兼ねて分かりやすい例で説明し直してみました。

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2007.05.02

包括的な温暖化ガス排出量算出プログラム

人(組織)が環境に与える負担を「環境負荷」という。

環境省は2002年に「事業者の環境パフォーマンス指針ガイドライン」でこの環境負荷の指標を9つのコア指標に整理し活用するよう紹介している。

Env_core
  (クリックすると拡大します)

その第一の目的とするところは、事業者が環境に配慮した事業活動を促進していく上で、環境負荷の状況、取り組むべき課題、取組成果を包括的に把握・評価し、それらの活動に関する意思決定に資する情報を得ること、紹介されています。
この考え方に基づいてエコアクション21の環境負荷自己チェック表が設計されています。

 ⇒ EA21環境負荷自己チェック表(Excel)

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