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2007.01.08

内部コミュニケーション

ISO9001 には、内部コミュニケーションの要求事項がある。
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5.5.3 内部コミュニケーション
 トップマネジメントは、組織内のコミュニケーションのための適切なプロセスが確立されることを確実にすること。
また、品質マネジメントシステムの有効性に関しての情報交換が行われることを確実にすること。
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一般的には、これらのプロセスとして、方針説明会、品質会議、部門内会議、社内LAN、掲示板、ポスター、改善提案制度などの体系をマニュアルに記載されているようです。

しかし、最近の日本の企業では成果主義の導入の副作用として、個人主義の横行、組織力の低下、モチベーションの低下といった弊害をもたらしたいる。

そこで、エクセレントを目指す企業は、新たなコミュケーション体系の構築に挑戦している。
日経BP「コミュニケーション進化論」特別号(2006.11.27発行)によると野村総合研究所がプロジェクトチームを組んで日本のモチベーション企業数十社を取材して分析したキーワードはVOICE
Voice_2
以下、日経BPの記事を一部引用して、VOICEの概要を簡単に紹介します。

①バリューシステム・アプローチ(V)
 モチベーション企業への第1のアブローチは、個人と組織の価値体系を共鳴させていくもので、これを「バリュ一システム・アプローチ」と呼ぶ。ここでいう「価値体系」とは、「自分は何のために存在するのか=ミッション」「どこに向かうのか=ビジョン」「何を大切にするのか=バリュー」「どう行動するのか=アクション」といったこと、つまり個人や組織にとっての"精神や文化の設計図"を指す。
 個人にも自分が大事にしたい価値体系があり、組織にもDNAやウェイと呼ばれるような価値体系がある。この個人と企業双方の価値体系の"共感性"を高めていくことで、ワークモチベーションが引き出される。
これは、私のブログ学習する組織
  自己実現 メンタルモデル 共有ビジョン 共有ビジョンの構築
で紹介した内容そのものですね。

 その例として、バンダイが紹介されている。
同社の特徴は「世界一の感動創造企業」になるというビジョンの下に、3つの行動哲学=「バンダイ・バリュー」を設定していることだ。
第1は「チャレンジャー魂」(まず、やってみよう!)
第2は「イノベータ一魂」(そこまでやるか!)
第3は「エンターテナー魂」(やるんだったら面白く!)
である。
たった3つの魂として短く表現されているが、そこからは「この組織では何を最も大切にするか」「バンダイ人としていかに行動すべきか」がはっきりと伝わってくる。
わかりやすく、オリジナリティーがあり、社員の心に張り付く。そしてバンダイが強化しようとする組織文化ともフィットした、優れたバリュー設計といえる。
「バンダイ・バリュー」は起業家的な内容を強く持っているので、社員がこれを実際に体現しようとすれば、当然のことながらプロジェクトの失敗も起こる。ところがこの会社は、失敗者に烙印を押さない。失敗した者こそ次の成功に必要な経験を宿していると考え、"失敗復活人事"が日常的に行われている。バリューとして宣言しているメッセージが人事評価のポリシーや制度ときちんと整合している。

②コミュニケーション・アプローチ(C)
 モチベーション企業への第2のアブローチは、人間でいうと血液循環のように、組織の中に情熱の流れ、リズムを作るもので、これを「コミュニケーション・アプローチ」と呼ぶ。組織は生き物なので、常に情熱が体内を流れているようにしないと、高いモチベーシヨンを保ちにくい。情熱が組織内を環流していれば、「価値観の共有」「一体感」「認知や承認の欲求」「達成感」「勝利の実感」といったモチベーション要素を引き出しゃすい。逆に、情熱の循環が不全になると、人は自己疎外感で疑心暗鬼となり、個々人のベクトルはバラバラになってくる。
ここでの鍵は、情報や知識だけでなく"情熱"を組織に循環させることにある。つまり数値情報だけでなく、顧客の感謝や驚き、自社らしい価値観が表れたエピソード、隠れた組織貢献などを組織に環流させることである。
モチベーション企業へのアプローチとして、コミュニケーション・アプロ一チが最も多用されている。井戸端スペース、職場旅行、独身寮の復活など、いくつかのやり方があるが、最もシンプルかつパワフルなのは、社長自らがコミュニケーションの媒体として、情熱を伝播させるやり方である。

 日本一の弁当業者、玉子屋の菅原勇一郎社長は、従業員700人のうち注文受付や配達など顧客と接触する400人の従業員については、全員と直接面接して年2回の賞与を決めている。これに費やす時間はなんと3カ月間に及ぶ。それでも菅原社長は「これは自分の大事な仕事」と腹をくくっている。
1日6万~7万食(普通の弁当業者は3000食程度)を配達し、廃棄率0.1%未満(普通は5%程度)という驚異的な効率性は、情熱を持った社員たちがマニュアル無しで達成したものだ。

 その他、一時は再生企業となって地獄を見たという熊谷組の大田弘社長が、1年間に130カ所も全国の建設現場を行脚し、現場の長たちと車座になって語り合う例。
メドトロニック(心臓ペースメ一カーなどの体内埋め込み型の医療機器を作る会社)の「メドトロニックの製品がいかにあなたの人生を変えたか」について、"患者の実際の物語"を語ってもらう社員全員参加の年次大会の例を紹介している。

③オポチュニティ・アプローチ(O)
 モチベーション企業への3つ目のアブローチは、自己成長機会を豊かにデザインする方法で、これを「オポチュニティ・アプローチ」と呼ぶ。
これは、「スキルの吸収」「学習機会」「自己成長の実感」といったモチベーション要因を刺激する。
自己成長機会=オポチュニテイの作り方としては、エンパワーメント(権限委譲)に始まり、職務充実(ジョブデザイン)、戦略的ローテーション、コーポレートユニバーシティなどのリ一ダー人材育成プログラム、複線型人事制度などがある。最近は、キャリアカウンセリングの導入もトレンドになっている。
オポチュニティ・アプローチのケースとして、品川女子学院が紹介されている。

④イノベーション・アプローチ(I)
 つ目のアプローチは、イノベーシヨン・アプローチである。
社会に新しいものを生み出していくことそれ自体が楽しいことであり、ワ一クモチベーションを刺激する。これは、「自律性」「創造性」「社会変革性」「達成感」などのモチベーション要素に対応している。

 ここでは、矢継ぎ早のイノベーションで成長している小林製薬の例が紹介されている。
小林製薬は「あったらいいなをカタチにする」というスローガンを掲げる医薬品等メーカーである。
社員約1200人からのアイデア提案数は年間3万7000件という驚くべき数字だ。1人で年間200件以上提案する社員もいる。小林製薬では、ユニークなアイデアを誘い、商品化にまでつなげる優れた経営システムが機能している。優れた提案をして商品化にまでつなげた者には、100万円、50万円など特別報奨金が与えられることに加え、小林豊社長からじきじきの「ホメホメメール」が届く。
アイデアの審査も素早い。既に審査部には独自の評点ノウハウが蓄積されており、主観を排除した迅速な評価を可能としている。また商品化に至ったアイデアは全て単品ごとに収支管理がなされ、赤字を出したら即刻販売終了という厳しくも素早い判断が下される。こうなると、思いついたらどんどんいけ、という社風になってくる。
イノベーション・アプローチのポイントは、
第1に「イノベーティブであることに優先度を置いた精神風土」
第2に「ある種のゲーム性に富んだアイデア提案システム」
第3に「成功体験の連鎖」
この3つが特に重要性を持っている。


以上、モチベーション企業になるための4つのアプローチを紹介したが、これらに加えてもう1つ重要な要素がある。
それは、エンパワー(育てる)、エンカレッジ(勇気づける)といったモチベーション経営の基本思想とリーダ一シップである。
前述のバリユーシステム、コミュニケーション、オポチュニテイ、イノベーションの4つのアプローチの頭文字( V、C、0、I )に、この基本思想(E)を加えて、"VOICE"モデルと呼んでいる。

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