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2006.11.17

顧客とのコミュニケーション

ISO9001の主旨は、不適合の予防を通して顧客の満足を得ることとされている。その中で顧客とのコミュニケーションプロセスを確立することは重要である。

この度、IRCAよりホームページ日本語版の特集ページ、顧客コミュニケーションのプロセスのポイントと、審査に当たっての着眼点の記事の掲載案内が送られてきた。

折から、日経ビジネス11月13日号に”品質の復習”という特集があり、偶然ながらその内容ともあっている。
しかし、IRCAの翻訳は直訳が多くて、分かりにくいですね。

日経ビジネスの中に紹介されているロームの具体例の方は分かりやすい。

 ⇒ ロームの顧客コミュニケーションの例
(PDFファイルです。著作権の関係上印刷不可の設定になっています)

IRCAの方も我慢して読むと、参考になる内容も含まれています。
ところが、字が小さくて読みにくいので拡大して以下に引用します。

----------------<以下IRCA JAPAN のページより>------------------------

 効果的な顧客とのコミュニケーションプロセスは、どの組織においても、品質マネジメントシステムの成功に、そして最終的にはその組織自体の成功に貢献します。
反対に、顧客に関して組織が経験する多くの問題は、元をたどればコミュニケーション不足に行き着くことが往々にしてあるものです。ISO 9001は、顧客とのコミュニケーションを審査するうえでのガイダンス案なのです。

顧客とのコミュニケーションとは何か

ISO 9001 では、組織は、次の事項に関して顧客とのコミュニケーションを図るための効果的な方法を明確にし,実施すること、としています。

■ 製品情報

■ 引き合い、契約若しくは注文、又はそれらの変更

■ 苦情を含む顧客からのフィードバック

顧客とのコミュニケーションに直接あるいは間接的に参照されるISO 9001には、他にも数多くの要求事項があります。
第一に、トップマネジメントは顧客要求事項が決定され、満たされていることを確実にすること。
第二に、組織は,製品に関連する要求事項をレビューすること。このレビューは,組織が顧客に製品を提供することについてのコミットメントをする前に実施すること。これは例えば、提案書の提出,契約又は注文の受諾,契約又は注文への変更の受諾を意味します。
第三に、顧客がその要求事項を書面で示さない場合には,組織は顧客要求事項を受諾する前に確認すること。とあり、組織はこれらの要求事項を入手するのに適切なシステムをもつ必要があります。
最後に、当該の権限をもつ者,及び該当する場合に顧客が,特別採用によって,その使用,リリース若しくは出荷,又は合格と判定することを正式に許可することです。

利害関係者に関するプロセスはISO 9004:2000の指針で包括されています。
ガイダンスノートには次のように述べています。
「管理者は、顧客及びその他の利害関係者との間で効果的で効率よく情報伝達するために、組織が互いに受け入れ可能なプロセスを定めていることを確実にするとよい。」
更に、「組織は利害関係者のニーズと期待とについて十分に理解することを確実にし、(そのための)プロセスを実施し、維持するとよい。」

有効なコミュニケーションを検証する

組織が顧客とのコミュニケーションの有効性を正しく検証できることは必要不可欠です。このことは顧客満足を達成するための重要な要素であります。ISO 9001には文書化された手順についての具体的な要求事項はありませんが、その規模や複雑性、組織の文化によっては、顧客とのコミュニケーションプロセスを効果的な実施を確保するために、文書化された手順を整えておく必要がある場合もあります。

ISO 9000は、顧客を、製品を受け取る組織又は人と定義しています。そして彼らをエンドユーザーと呼ぶことなど、さらなる顧客の例を挙げています。多くの組織が、代理店や小売り業者を通じて製品やサービスを販売しており、エンドユーザーから直接注文を受けていない場合もあります。よって審査・監査員は、エンドユーザーへの製品あるいはサービスの品質について組織がどうコミュニケーションをとっているのか、またエンドユーザーからのフィードバック(苦情に加え)を得るためのメカニズムがどうなっているかを検証することが大切です。

審査(監査)のアプローチ

顧客とのコミュニケーションは3つの一般的なカテゴリーに分かれます。

■ 既存あるいは潜在的な顧客との組織による一般的なコミュニケーション ? 広告やマーケティング情報など

■ 顧客からの引き合い、要求事項あるいは注文に関連する具体的情報

■ 顧客からのフィードバックや苦情に対応するコミュニケーション

審査(監査)員には、組織における一般的な顧客とのコミュニケーションに関して、注意するべき多くのさまざまな側面があります。
審査(監査)員は製品情報についての評価を行わなければならず、これには広告材料やウェブサイト、製品カタログなどが含まれます。

組織がエンドユーザーではなく代理店から注文を受ける場合、審査・監査員は、パンフレットや冊子、ウェブサイトなど、エンドユーザーが入手できる製品情報が、製品あるいはサービスを適切かつ正確に記載していることを、証明するべきです。また審査・監査員は、顧客のニーズがどのように特定され、製品の仕様書がどのように届いているのかについての証明も試みるべきです。

審査(監査)員は、製品情報が顧客あるいは潜在的な顧客に容易に入手できるかどうか、また最新の正確な情報を提供しているかどうか確認するため、これを検証します。また、審査・監査員は、例えば広告材料、ウェブサイト、製品カタログが、現在組織の提供する製品とサービスを反映するために、どれくらいの頻度で見直されているのか、あるいは特定の製品を修正、製造中止、あるいは以後入手不可とする場合にはどういった手段がとられるのかついて、尋ねる場合もあります。

具体的な顧客とのコミュニケーションの面では、審査(監査)員は引き合いや契約、あるいは修正も含めた注文処理を観察するべきです。このリストは、非常に広範囲なもので、見積もり、発注書、注文の確認、発注の変更、納品文書、請求書、貸方伝票、電子メール、一般的な通信、訪問レポート及び顧客への、および顧客からのメモの調査などがこれに当たります。審査(監査)員は顧客からのフィードバックや組織の苦情マネジメントプロセスも評価しなければなりません。このために苦情や受け取り通知への返信を調べます。

審査(監査)員が、組織における顧客とのコミュニケーションを経験する場合が更にあります。これは、顧客が要求事項を示した文書を提供しないか、または組織が注文を受ける前に顧客の要求事項を入手あるいは確認するためのシステムを整えておく必要があるような発注プロセスのなかで生じる可能性があります。さらには、組織とカスタマーの間にかなりのコミュニケーションがあるような設計および開発プロセス、あるいは当該の管轄権限者、あるいは該当する場合、顧客が不適合製品の使用を認めるという場合などにも経験されます。

審査(監査)員は、ISO 9001における顧客とのコミュニケーションの要求事項へのコンプライアンスや、組織が引き合いや契約、あるいは発注の実行において顧客と効果的にコミュニケーションしているかどうかを検証するため、標準的な追跡方法を使用することになります。

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