北陸新幹線が走る前に考えること
今日は、北陸経営品質フォーラムの総会の後、北陸経済研究所の山崎部長より「北陸新幹線が走る前に考えること」というテーマで記念講演を聴いた。
2014年に地元が待ちに待った北陸新幹線が開通し、金沢-東京が2時間半、日帰りができるようになる。
便利になる。これまでのデータを見ると新幹線が通った市の人口は確実に増える。新幹線が通らない市は人口が減る一方。
ところが、よいことには、悪いこともつきもの。
その一つがストロー現象、人・お金が東京や沿線大都市にひきつけられて周りが過疎化してしまう。
その対策をどうすればよいか。
山崎氏が目をつけたのは、鉄道である、全国各地の状況を調査すると鉄道が残っている地方は過疎化しない。不採算といって廃線にしてしまう急激に過疎化してしまう。
そこで、富山県は路面電車を目玉にした。
全国で路面電車はなくなる中で、富山県には3つも残っている。
中でも今年4月に開通してライトレールは、色とりどりのツートンカラー、バリアフリー、沿線の建物のレトロ化など色んなアイディアを凝らしている。乗客は日曜・祭日が平日の倍あるそうである。
以前富山市の路面電車の話しを聞いたとき、環境対策だと思っていたが、本当の目的は地域おこし・・・やがて来るストロー現象を予防する手立てだったのだ。
もう一つ、富山県がやろうとしていることは、地域密着型の新幹線富山駅の建設、地元の人が使いやすいように、駅の地下に屋台、保育所、介護施設(一時預かり)などを設けることを提案している。なるほど、そうすればストロー現象も緩和できる。
さすが富山商人ですね、感心しました。
それに引き換え、石川県の無策さを再確認しました。
北陸3県の県民性を現す言葉に「越前(福井)詐欺、越中(富山)強盗、加賀(石川)乞食」という言葉がありますが、この例が、そのことにピッテリ当てはまる。
福井駅は、駅に中にショッピングセンターを入れ地元民が使いやすくしている。
富山駅も、屋台・保育所などをいれ地元民が使いやすくして、お金が東京に流れないよう工夫しようとしている。
それに比べて、先に作った金沢駅や小松駅は、観光客向けで、地元民が使うことを殆ど考慮していない。
新幹線が通れば、観光客は放っておいてもやってくる。地元民が使いやすくしなければ、地域は活性化しないし、ストロー現象で消費は東京やその他の魅力的な都市に吸いとられ、やがて寂れてしまう。
これが現実にならないことを願います。
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