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2006.08.31

学習する組織 その8 システム思考

前回までに、自己実現、メンタルモデル、共有ビジョン、チーム学習について紹介してきました。
これらのテーマは、組織の自立性を高め内部の対話を促進して改革が起りやすいようにする上で重要なことです。
今回紹介するシステム思考は、その上に立って戦略的な構想力そのものを高めていくという点で、変革の中核をなす部分です。

一般的に、システムと言うと、制度、体制、ネットワークのようなものをイメージされるかも知れませんが、「システムとは、要素がお互いに結びつきあって全体として認識されるもの」のことで、自然界、社会、企業組織といった種々のものがあります。人間の体もシシテムの典型的な例です。
組織においては、制度、ネットワークとは目に見える表のシステムで、メンタルモデル(人々の意識)のような目に見えない裏のシステムもあります。
このシステムがどう動くかを理解していれば、問題を回避して目的に達することができます。

システム思考は、サイバネテック、カオス理論、システム・ダイナミクスといった学問に基づいており、それらに共通しているのは「すべてのシステムの行動は、特定の共通原理に従っている」と言う基本的な考え方です。

先ずシステム思考を理解するには、幾つかの基本的な言語を理解しなければなりません。システムの原理・パターンはこれらの言葉を通して目に見えるようになり問題を認識できるようになります。

System01_1因果ループ図
 システムにおける各種変数の関係を関係づける。
  
 
  
System02拡張循環
 一つの変数の影響が他の変数の指数的な成長や衰退を生み出し、それが加速度的に進む。
一般的に好循環、悪循環といっていることです。

System03並行循環
 一つの変数の影響が抵抗する力を生み出し、その力は成長を制限する。この力は問題を調整し、安定的並びに並行をもたらす。
  
  
  
遅れと矢印の向き
 しばらく時間がたってから影響の効果が現れるとき、矢印が逆向きの効果を現すことがある。

システム構造
 システムの中の主要な要素間から導き出されるしくみ

問題が発生したシステムのシステム構造には、次の5つのシステム原型があります。
 逆効果の応急処置
 成長の限界
 問題の転化
 共有地の悲劇
 予期せぬ敵対関係
フィールルドブックでは、これらのシステム原型を詳しく解説しています。

組織で優れたシステム思考をする人は、出来事、パターン、システム構造、メンタルモデルの4つのレベルを同時に見ることができる人であるといわれています。
言い換えれば、思い込みではなく事実に基づいて、広い視野で柔軟に物事を見ることができる人ということでしょうか。

組織の中の改善活動が行き詰ったとき、発生した出来事、パターン、メンタルモデルからシステム原型を類推し根本的解決策を考案する、日頃から、そのような思考ができる訓練が大切でしょう。

次回は、これらのシステム原型を簡単に紹介します。

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2006.08.24

2006年度セルフアッセサー更新研修

今日は福井商工会議所で日本経営品質協議会の2006年度セルフアセッサー更新研修を受けた。
参加者60名程度であるが、殆どは福井県近辺の現在経営品質向上活動にとりくんでいる会社のセルフアセッサーの方々で、1社当たり4名~10数名参加されている。
私のように個人で参加するのは珍しい。

私がセルフアセッサー認定研修を受けたのは2003年度であるが、そのときは、セルフアッセサーはアセスメント基準書の各カテゴリーの評点ガイドラインに従って、どのレベルにあり何が良くて何が足りないか、次にどう取り組んだらよいか、を被アセスメント部門に報告するという位置づけであった。

今回は、その考え方がかなり変わった。
セルフアセッサーの役割は、アセスメントにあるのではなく変革エージェントである、と言う位置づけに変わっている。

これは、これまでの経営品質向上活動の実態を踏まえると、セルフアッセサーが評点ガイドラインに従って第三者的立場でアセスメントしても組織変革は起らない、逆に形式主義に陥ると言うデメリットが発生している。
社員1人1人の意識変革があって、その結果として経営革新が起きる。
そのためには、「セルフアセッサーは第三者であってはならない。自ら変革エージェントであること」と言う意識を持つこと、が今回の研修テーマであったように感じた。

内容的には、ビジョンの共有、対話(ダイアローグ)、可謬主義(いかなる知識も誤まっている可能性があるという考え方)といったことで、私のブログ "学習する組織" で紹介していることと全く同じです。

と言うよりは、最近の経営品質向上活動は"学習する組織"を目指すことにシフトしてきたように感じました。

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2006.08.18

キャリア設計と定年後の人生

今月の北陸経営品質フォーラムは「これからのキャリア設計」と題して、ユートピア企画代表キャリアコンサルタントの本田孝徳氏(福井市光陽町)の話を伺った。
内容は、なぜキャリア設計が必要かという説明から入って、どのようにキャリアアセスメントをするかという紹介。
話の内容の半分位は、以前コマツに勤めたいたときた時に受講した定年予備軍向けのライフ設計セミナーで聞いたような気がする。
今回の話の中で、トピックスをいくつか拾ってみた。

□ 「たこつぼ文化」から「グローバル文化」へ
 会社で自分がどれだけできると自負していても、他の会社では役に立たない。

□ 「労働市場で評価される職業能力」
 専門スキルがあるということは前提条件だが、ヒューマンスキルに欠けると役に立たない。

□ 「ジョハリの窓」
 コミュニケーション能力は、自己開示から始まる。
 ジョハリの窓については、下のサイトを見てください。
   解 説       診 断

□ 人生の「あるべき姿」を知るコツ
 自分が設計した「あるべき姿」を、「明日死ぬとしたら」という基準でアセスメントすると本当の「あるべき姿」を見つけるヒントになる。

□ 「自分探しの旅」は必要であるが余り長くするな。
 今やっていることを徹底的に負荷彫りすると、見えてくるものがある。
どんな分野でも一万時間を費やして造詣を深めた人はある境地に立つ、これを「鉱脈クラブに入る」という。

□ 「定年後の人生」
 人生100年時代に入った。会社での40年、定年後の40年、2回人生がある。

ここのところで、「人生グランドデザイン」の演習があり、講義が終了する。


本田さんは、現在62歳で、講義のあと、名刺をもらったので確認すると、定年後 キャリアカンセラーを主とした「ユートピア企画」、「経営品質向上コンサルタント」と人材派遣業「PASONA」の3つの事業をやっていて、かなり忙しいようだ。

講義中のディスカッションのときにでてきたが、私の周りの多くの人の定年後の生き方を見ると、旅行・登山・家庭菜園・パチンコ・つりなどの趣味を中心としている。

この点に関して、本田さんの弁
「『旅行・家庭菜園・パチンコ・つり』それも結構、その人の人生のあるべき姿がそうであったのなら理想的。 しかし、年金受給額は段々と落ちてくる、定年後に趣味だけでやっていける人は少なくなるのではないかね~」
「それに旅行などはしばらくすると飽きるからね。自分を高めると言う趣味が最も長持ちする」

成程、その通りですね。
私も本田さんと考え方が似ている。これまで肩身の狭い思いをしてきたが、同志を得て少し嬉しい気持ちになりました。

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2006.08.04

学習する組織 その7 チーム学習

前回までに「自己実現」「メンタルモデル」「共有ビジョン」の話をしてきました。
ここまでくると、次に行なうのが「チーム学習」となります。

日本では昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言われてきました。ところが実際には、専門家集団といわれているところで、その逆のことが起る。
先の、ワールドカップサッカーでも日本チームは、1人1人の技術レベルが高いが、チームとしてはその実力が出し切れなかった、と言われています。
ビジネス界では1人ひとりのIQが120を超えていても、チーム全体ではIQ85の力しか発揮できないことがあります。
チーム学習はそのパラドックスに立ち向かい、一人ひとりのIQが85であっても、チーム全体としてIQ120を発揮することを目指します。

チーム学習は、ダイアログから始まる。ダイアログは、メンバー同士が個々のメンタルモデルを保留して共同思考に入るために必要なプロセスです。

チーム学習が大切なのは、現代の組織では個人ではなくチームが学習の基本単位だからです。チームが学べなければ、組織は学ぶことができない。
以下は「学習する組織」326ページからの引用です。

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