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2006.06.09

西暦2028年

日経エコロジーの7月号が届いた。
今月の特集は「欧州との付き合い方」であるが、自分はそれよりも環境の科学ウソ・ホント!「地球温暖化」の記事に興味を持った。

日本では京都議定書で温室効果ガス6%削減が大変だと言われているが、今年に入って世界的には「50%削減が必要だ」と言うことが専門家の間での共通認識になっているようだ。

地球の気温が2℃を超えると、南極の氷床の凍解や海流の異変が起きる、また、食料や水不足、伝染病の流行など社会・経済的に大混乱が起きる。そのため気温の上昇を2℃以内に止めねばならない。
気温上昇を2℃で止めるには、現在より50%二酸化炭素の排出量を削減しなければならない。
今のまま進んだ場合は、この2℃の上昇点に達する時期は2028年と予測されている。

この記事は、遅ればせながらその状況を解説してある。
 ⇒ 温暖化加速説はなぜ台頭してきたか
(著作権の関係上、印刷不可に設定してあります。興味のある人は日経BP社より購入して下さい)

それでは先が絶望的ではないか、というと、そうではない。
同誌には、別の記事でピ-ター・カール欧州委員会環境総局長のインタビューが載っていて、そこでピ-ター・カール氏は「我々はどうすればよいか徹底的に分析したみたところ、世界のGNPの1%をこの対策費に当てれば50%削減が可能であることが分かった」と言っている。

また、米国ワールドウォッチ研究所のレスターブラウン氏は、著書「ブランB2.0」の中で、エネルギー源を石油から、風力、太陽電池、太陽熱、地熱、小水力発電、バイオマスといった新たなエネルギー源にかえる。これらの技術はもうすでにある。
自動車を現在あるハイブリッド車に変えるだけでも自動車からの二酸化炭素は50%削減できる。
貧困を根絶し、人口を安定をさせること、要するに、世界の貧しい人々に希望を取り戻させること。これらの貧困撲滅には、合計で毎年680億ドル(7兆5000億円)の追加支出がかかるだろう。
地球環境を修復する ― 森林を再生し、漁業資源を回復し、過放牧を廃止し、生物多様性を保護する、そして地下水位の安定と川の流量が回復するところまで水の生産性を上げる ― ための予算を集約する必要がある。世界中で導入されれば、これらの対策には追加支出が年間930億ドル(10兆2000億円)必要である。

これらを合計すると世界のGNPの1%以内で可能である、と言っている。
あとは、いかに早くやるかだけである。

2028年というと、あと22年ですね!
間に合うかどうか。

話は変わりますが、人間行動学の本で「ねずみは学習するが人間は学習しない」と言う話を読んだことがある。

ねずみをかごに入れておいて、左右2つの餌場を用意し、右側の餌に電流を流しねずみが餌を取ろうとすると感電するようにする。一度感電を経験したねずみは、電流を解除しても決して右側の餌に近づこうとしない」
ところが、人間は少々のことでは学習しない。変化を嫌う動物である。

今日からドイツでサッカーワールドカップ大会が開催されているが、この大会のもう一つのメッセージは「温暖化ガス排出量ゼロの大会 - ワールドカップ大会の開催で余分に発生した温暖化ガスは、クリーンプロジェクトへの投資により同量の温室効果ガスを削減する」と言うことらしい。
ドイツ人は、国を挙げて環境意識が高く環境保全に熱心である。
どうしてかと考えてみると、彼らは環境問題で痛い目にあってきたことに原点があるようだ。
1970年代にドイツでは、酸性雨で森林の半分が枯れてしまった。また北欧では地下水が酸性になって健康被害も出た。そこで、痛い目にあったドイツの人達は、これは大変だと目が覚めた。その後、緑の党が結成され国政に参加して国を挙げて環境を大切にする気風が作られた。

一方、アメリカや日本はどうなのだろうか。
まだ、痛い目にあっていない。総論賛成各論反対、いや、それ以前の無関心の状態かも知れない。
昨年、アメリカはハリケーンで少しは痛い目にあったようだか、それでもそれは大きな国の一部、貧困層の声なき地域で大部分の人達は痛い目にあっていない。
日本でも、集中豪雨や豪雪と言う異常気象が起きたが、温暖化とは関係ない地震の脅威や拉致問題に比べるとたいしたこととは感じられていない。

結局は、アメリカの各地で農地の砂漠化や洪水が発生する状態にならないと意識の変革と抜本的な政策転換が起きないということだろうか。

これが何時になるか、そこで政策転換が行なわれたとき、その施策が2028年までに効果をあげることができるのだろうか。
今年は、時限爆弾の秒読みが始まる年になるようだ。

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