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2006.03.02

つくる-考える-気づく-やって見る

 今日は金沢日航ホテルで開催された 産学連携「製造中核人材育成事業報告会」 に参加した。
趣旨は、2007年の団魂の世代の一斉定年退職に向けて、製造業の技術の伝承をどうするかという命題に向かって経済産業省の支援を受け、金沢工業大学と地元企業との連携で開発した人材育成プログラムの紹介と研修人員派遣の呼びかけであった。

内容は、講演、人材育成プログラムの紹介、パネルディスカッションで午後1時に開催され4時半に終了した。
100名の会場に9割程度の入り、PRの割りには参加者が少ないようだ。
聞いていて自分が興味を引いた点を次にのべます。

以下は金沢大学の飯島先生の話です。
 最近中国の深センに行ってアップルの生産工場を見た。女子社員がチームを組んで本当に無駄なく作業が行われていた。そして、各チームのQCDの成績が別の場所に表示されコンテストが行われている。本当に効率的である、でもこれは工場労働者の負担の上に成り立っているのではないかと思い尋ねると「大丈夫です。中国にはどれだけでも人はいますから」ということだった。
でも、日本ではこんなことはできない。
日本では、もっと付加価値の高い生産工程を作っていく必要がある。たとえば、昨年、金沢IT活用優秀企業として谷田合金さんを表彰した。谷田合金さんでは、アルミ鋳物を受注から加工完品までやっている。そこではCADAMを用いて生産計画を組んでいるが、生産計画は社員誰もがいつでも変更ができるようになっている。顧客の要望に応じて臨機応変に日程を組み変えたり、自分の能力に仕事の担当を変わったりできるようにしている。
このような、顧客のニーズに気づき社員自らが工夫できる生産工程というのもひとつの回答ではないか。
――――――――――<話はここまで>――――――――――

実は、自分は7~8年前勤めていた会社が谷田合金さんと取引があり、生産工程を見せてもらった事がある。そのとき、確かにそうなっていたのを思い出した。

この話の関連で、ベアリングのローラーを作っている(株)東振の中村専務の話も面白かった。
東振では、「つくる ― 考える」ということを徹底しているということです。
 
「学ぶ ― つくる」ではないですね。 作ってから考えるということから新しい気づきを発見する。
「ものづくり→人づくり→価値づくり」という連鎖が強い日本の中小製造業を作るということでしょうか。

なぜ、こんなことを思ったかというと、私が別に受講したALセミナーの内容と似ていて共感したからです。
以下に自分のALセミナー、課題レポートの一部をお見せします。

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10.スキル開発におけるOff-JT/OJT/ALの特徴と違い
  私がアクションラーニングに取り組んだ直接のキッカケはスキル向上だったので、ここでは、スキルアップ研修、ビジネスコーチングを使ったOJT、アクションラーニングの違いを比較して見ます。
比較の前提として次の想定をしました。
①スキルアップ研修:
 1週間程度Off‐JT形式の研修で、カリキュラムは次のようにする。
 テーマ説明→集合スキル研修→演習→集合スキル研修→実習→発表会
②ビジネスコーチングを使ったOJT:
 上司による初期目標設定のコーチング(目的、現状認識、目標、行動計画、意思確認)→ 業務実施→クリティカルな場面を捉えたコーチング→効果確認
③アクションラーニング:
 幾つかの課題をもうけ、自薦でメンバーを募ってグループを作る。グループごとにマルチプル方式でALセッションを定期的に開催する。

■実施目的
 スキルアップ研修は主として、テクニカルスキルの習得が目的の場合が多い。ビジネスコーチングでは状況対応能力やヒューマンスキルの習得、アクションラーニングは状況対応能力やヒューマンスキルに加えてチャレンジ能力やチームとして協同といったことが目的とされているように感じる。
■学習のやり易さ
 スキルアップ研修は、職場から離れなければならないのに対して、ビジネスコーチング、アクションラーニングとも職場内でできる。
また、上司がかける時間はコーチングが一人ひとり行うのに対して、アクションラーニングは一度に行うことができるので、アクションラーニングの方が上司の立場からはよりやり易いといえる。
■学習の深さ
 スキルアップ研修では受講者は受身の立場であり、課題も実践と離れた内容となるためリフレクションは起こりにくい。
ビジネスコーチングでは、現実の問題での個人の気づきが生まれる。
アクションラーニングは個人の気づきに加えて、チームとしてダブルループ/トリプルループ/チームの協調性などより深い学習が行われる。
■学習の広がり
スキルアップ研修やビジネスコーチングでは、学習効果は個人止まりである。
アクションラーニングの結果は、職場内でのグループとしての次の行動につながり、この連鎖によって組織全体の改革が促進される。

 ホンダ出身の人材育成コンサルタントの光富氏は、ホンダではOJTやOff- JTを行っているが、本当に人を育てたのはOJTやOff-JTではなくOCT(On the Chance Training)であると述べておられるのを読んだことがあります。 人材育成という面に限っていうとアクションラーニングはOJTでもOff-JTでもなく、OCTに近いものではないでしょうか。

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