学習する組織 その2
学習する組織の5つの能力に入る前に「学習する組織」とは、そもそも何なのかを考えてみる。
ピーターセンゲ教授の定義では
「人々が継続的にその能力を広げ、望むものを創造したり、新しい考え方やより普遍的な考え方を育てたり、人々が互いに学びあうような場」「人々が強い意欲を持ち、コミュニケーションの方法を学びながらシステマティックなアプローチによって共通のビジョンの実現を目指すチーム組織」
となっている。
基本はチームである。チームの集まりが組織となる。
学習する組織の特徴
一つは組織における人間関係の親密さである。
昔から(今でもそうかも知れないが)日本では、5時から帰りに一杯のみながら仲間と仕事の話をする。これができないと一人前の仕事ができないようにいわれてきた。
このような人間関係は大切ではあるが、ここで言っているのは、飲まなければ云えないのではなくて、しらふの状態で上下へだてなく気楽に、深刻な話をし合える関係になっている。
と言うことである。
二つ目は、権限の共有化である。
命令によって仕事をするのではなく、共通のビジョンのもとに一人ひとり個々に、或いはチームとして意思決定をするが、結果に対して「共同責任」をもつと言う関係にある。
そして、組織内では常に下図のようなチーム学習の輪が廻っている。
この学習によって、個人とチーム力が向上し、結果的に卓越した業績を残すようになっていく。
そのようなチームが持っている基本的な能力が、次の5つの能力である。
・システム思考(systems thinking):ビジネスにおける構造的相互作用を把握する力
・自己実現(personal mastery):メンバー1人1人が自己を高める意志を持つ
・メンタル・モデルの克服(mental models):凝り固まったものの考え方を克服する
・共有ビジョン(shared vision):個人と組織のビジョンに整合性を持たせる
・チーム学習(team learning):対話を行うスキルと場を養う
最初に発行された「最強組織の法則」では、さまざまな事例をもとに学習する組織の5つの能力を解説している。この中で、中心となるのは「システム思考」ですね。
また、フィールドブック「学習する組織―5つの能力」では、組織は、どのようにしてこれらの能力を習得するかを紹介している。
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コメント
はじめまして、現在ベンチャー企業で組織開発を任せられた会社員です。非常に参考にさせて頂きました。がまがえる様が父と同じ年なので遠い故郷の父を思い、ついコメントを書いてしまいました。本当にありがとうございました。
投稿: cozy | 2012.07.21 19:50