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2006.01.03

顧客満足

昨年4月に日本規格協会から「ISO/TC176からの助言 中小企業のためのISO9001」邦訳版が発行された。

昨年秋に購入して積読、ようやくこの正月休みに読んでみた。
1996年に発行された、この本の前版ISO9001:1994を対象にした「中小のためのISO9000」は良くできた本で、規格の解釈でわからないか箇所があると本書を開いて事例をもとに理解してきた。
今回の2000年対応版は、前版ほどの迫力がない。しかし、始めてISO9001に取り掛かる方にとってはかなり参考になるだろう。

その中の一部、「顧客満足」に関する手引きは、平易な言葉で解りやすく解説されていたので下記に抜粋し紹介します。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・<ISO9001 8.2.1 顧客満足>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

手引 顧客はどの程度満足しているか

 これは、ISO9001の2000年改訂版で新たに導人された重要な事項である。組織は、供給者として顧客に対する実施状況を監視するよう求められている。
さらに具体的にいえば、組織は、顧客が明示した(又は明示していない)ニーズ及び期待をどこまで満足しているかに関する顧客の受けとめ方についての情報を監視することが要求されている。このためには、供給者としての組織のパフォーマンスを顧客がどのように受けとめているのかについて見出す必要がある。
 組織のパフォーマンスに関する顧客の受けとめ方は時とともに変化する場合があるので、顧客満足の監視は継続的に実施することが望ましい。
顧客満足の監視結果は、マネジメントレビュー及び継続的改善活動の対象として、顧客との関係改善を促すには何を変更すればよいかを明確にし、それらを実施していくことが望ましい。

複数のタイプの顧客
 顧客には複数のタイプがあることを認識することが重要である。例えば、製造業の場合、直接卸売業者に販売を行うが、その後さらに小売業者へ、そして一般消費者へと製品が売られていく。この場合には、顧客には三つのタイプがあり、それぞれ異なる要求事項をもっている。一つの顧客グループを満足させようしてとられた処置が、別のグループの顧客を怒らせてしまうということもあるかもしれない。製品・サービスの販売に成功するためには、すべてのタイプの顧客を満足させる必要がある。

不満足の反対が満足ではない!
 もう一つの重要なポイントとして、満足とは不満足の反対ではないということを理解すべきである。顧客には満足する権利が与えられており、よい製品・サービスの品質が当然のように提供されるものと思っているかもしれない。
一方、顧客が不満足と感じる場合、極めて激しく、又は、強く反応を示すことがある。したがって、満足の場合は当たり障りのない反応を示し、不満足の場合は強い拒否反応を示す。三つ目の可能性として、強い肯定的な反応がある。これは、"喜び"と表現されることもあり、通常の満足レベル以上のものに当てはまる。

何人の顧客を監視すればよいか
 理想的にはすべての顧客を監視するのが望ましい。しかし、それはあまりにも費用がかかるため実行しがたい。したがって、次のような基準に基づいて判断をする必要がある。
  ・個々の顧客が自組織に与える影響にはどのようなものがあるか。
  ・自組織の製品・サービスが顧客の事業にどの程度の重要性をもっているか。
  ・自組織は大量生産者、単一バッチ生産者、又はサービスの提供者なのか。
  ・個々の顧客から繰り返し注文が入るのはどの程度か。
 これによって、どれくらいの顧客数に対して、又はどの顧客に対して積極的に監視を行うべきかを決定することができる。しかし、現時点では発注量の少ない顧客であっても、将来繰り返し発注する顧客になる可能性もあることを忘れてはならない。

受けとめ方を監視する
 顧客が自組織のことをどのように考えているのかを調べる方法はたくさんある。次にその例を示す。
  ・定期的な、又は製品・サービスの引渡し後の電話
  ・アンケート及び調査
  ・顧客とのその他のやりとり
  ・顧客と接触する組織内の要員への問合せ
  ・その他のプロセス、例えば売掛金の調査、保証に関するクレームなど
 これらの方法にはすべて良い面と悪い面がある。顧客に電話をかけてフィードバックを求めるといった単純な方法からまず始めることを勧める。いつも仕事で会っている顧客内の担当者よりも上層部の人に話をすることにより、役立つ意見が聞けるかもしれない。このような立場の人は、供給者のパフォーマンスについて知っていることが多く、また、良いか悪いかについて伝えてくれることが多い。
 調査及びアンケートも顧客満足を監視する一つの方法である。しかし、調査やアンケートは、処理するために時間と金がかかるという問題がある。アンケ一トを利用する場合は、単純なものにすることを勧める。また、質問の仕方には十分に注意すること。明快な質問にすること。実際に顧客へ送付する前に、信頼できる友人に試してもらってはどうか。

組織の品質マネジメントシステムの実施状況の測定の一つとして顧客の受けとめ方を使用する
 顧客要求事項を満たすという点で、品質マネジメントシステムの実施状況の一つの測定として顧客の受けとめ方を使用する、ということが8.2.1に規定されている。
 最も単純なものとしては、満足していない顧客、満足している顧客、喜んでいる顧客の割合を出すことである。しかし、現実はもっと複雑である!
 ある顧客は、満足してはいるが、同時に満足していないという場合もある。顧客が製品・サービスには満足しているが、例えば、引渡しに関する実施状況には満足していないということもあるだろう。したがって、状況全体をよく検討し、現実を踏まえた測定法を考える必要がある。例えば、1から10までの10段階で実施状況を評価してほしいと顧客に依頼する。又は、製品・サービスについて、いくつかの側面(例外観、包装、機能性、引渡し実績、支援情報、又は費用対効果など)に分けて評価することも意味があるだろう。

 ⇒ ISO/TC176からの助言「中小企業のISO9000」

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コメント

「マネジメント...」検索で拝見させていただき、ISO9001に「顧客満足」への言及があったこと、教えていただきました。
ありがとうございます。m(_ _)m

投稿: 課長007 | 2006.01.05 19:22

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