変革を成功に導くダイヤローグ(対話)
今日は、東京神田である商社様の引き合い打ち合わせにきたあと、JQAA大学(日本経営品質協議会セルフアセッサー研修)の月例研究会に参加させていただいた。
今月のテーマは「ダイヤローグを成功に導く」、講師はスマートワーク社代表の千田彰氏です。
千田氏は、リクルート社役員を経て、2001年にこの会社を立ち上げられたとのこと。
セミナー内容は、ファシリテータ手法のひとつで、米国バイカル・スマート社で開発され、これまで米国ビジネス界で広くも用いられてきた。
米国での調査では、シックスシグマなどの改革プロジェクトを社内に導入するが、その成功率は25%しかない。
成功する企業と、失敗する企業の差がどこにあるか調査したところ、どの会社にも当てはまるある共通の事柄が見つけられた。
成功する企業には上司・部下の間で「気楽にきまじめな話ができる」という風土がある。
人間は、何か新しいことをやろうとすると抵抗する。成功する会社では、その抵抗に対して上手に対応する風土(コミュニケーションスキル)があるが、失敗する会社にはその風土がない、という点だ。その調査研究結果にもとづき、そのコミュニケーションスキルを体系化してプログラム化したものが今回の紹介内容であった。
この研修を聞いて、暫らく前に読んだ香本裕世筆「会社を変える人材開発」に出てくる事例と同じことを言っていると感じた。
香本さんとは、7月に同じく東京で開催されたGIALアクションラーニングコースで同じグループセッションを受講した。コース受講中は、香本さんが、それ程有名な方とは知らなかったが、帰ってから氏の著書を購入し読んでびっくりした。
このブログの後段で、スマートワーク社の研修の骨子を紹介しますが、骨子だけでは中身は余り良くわからないと思います。 実戦編として香本さんの著書の事例を読んでいただくとよく理解できると思います。
以下に、ダイヤローグ(対話)を成功に導く手法のポイントを紹介します。
しかし、このスキルは理論だけ理解してもやれない。ひとつずつ何回も何回も繰り返し練習していくうちに習得できるそうです。
●人間は変化に対して抵抗する動物である。
その根本は、変化によって自分の現在の利益が損なわれるのではないかという恐れに起因する。
●恐れを取り除き「前向きの選択」に導く必要がある。
そのダイヤローグ(対話)に、お互いの考え(IQ)と気持ち(EQ)を注ぐこと。
●緊迫した会話の場面では、我々の感情は猿並みになる。
理性ではなく感情が前面にでる。そして、とんでもない方向へ話が展開する。
●それを避けるのは、立ち止まって問いかけること。
・自分のために欲しいこと
・相手のために欲しいこと
・お互いの関係に大切なこと
そして、それらの本当に欲しいものに対する行動を選択すること。
緊迫した場面に対応するスキル
スキル1 状況をみる
感情的な手がかり、態度、身体的な手がかり
スキル2 相手を安心させる
・共通の目的を見つける
・相互の尊敬・・・相手の話を最後まで聞く
安心させる3つのスキル
(1)明らかな問題に対して謝る
肯定部分・・自分の動機に関して意図していない侮辱や誤解を明確にする
否定部分・・相手への敬意と本当の動機を明確にする
ここで対話演習
(2)CIRBで共通の目的を見つけ出す
Commit 決意
Recognize 理解
Invent 目的を作り出す
Brainstorm ブレーンストーミング
共通の目的に到達する方法
・双方の目的が両立可能であることに気づく
・高次元、または長期的な観点から共通の目的を作り出す
ここで対話演習
(3)「行動へのプロセス」を共有する
① 事実を確認する
② 自分のストーリーを話す
③ 相手の行動へのプロセスを尋ねる
④ 仮説を話す
⑤ チャレンジを奨める
ここで対話演習
上記内容について スマートワーク社のホームページ にコースの詳細が載っていますので、興味のある方はアクセスしてみてください。
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