« 顧客満足度日本一「ホンダクリオ新神奈川」を読んで | トップページ | アクションラーニング »

2005.06.22

「経営者の責任」について

ISO9001 5.1 には、「トップマネジマントは、法令・規制要求事項を満たすことは当然のこととして、顧客要求事項を満たすことの重要性を組織内に周知すること」という項目がある。
ここのところは、読めば言葉上の意味はわかるが、資本主義の原理を理解し納得しないと機能しない。

下記は経済の原則についての一般論である。

自由主義の社会では財産は原則として自分のものである。私有財産が認められているから、人々は才覚を働らかせたり、一生懸命働けば財産を増やすことができる。これが資本家の利潤動機へとつながる。そこで利潤を得ようと競争が生まれ、みんなが智恵を絞って懸命に働くようになり全体が豊かになる。
ところが、この利潤動機が悪い方へ働けば、他人を騙ましたり、世間を欺いても儲けようということになり、社会は荒廃する。
そこで、資本主義には悪い方へ向かわないような歯止めが必要になってくる。
ピーター・ドラッカーは「現代の経営」の中で、企業が社会の中に存在するからには、その企業の目的は、その企業の中にはない。企業をその一部とする社会の中になければならない。企業もその他の組織も、「人間的、社会的、道義的」なものに他ならない。そうでなければ存在価値がないという。
この存在価値とは、企業理念ということになる。
また、企業の目的は顧客に対して価値を与えるということである。その結果として利潤が付いてくるのであって、先に利潤があるのではない。
そこで企業は次の質問に答えなければならない。
1. 我々の顧客とは誰か
2. 顧客が本当に求めるものは何か
3. 顧客にとって価値あるものは何か

ところが、このところ起きている不祥事、三菱自動車、JR西日本、日本航空、さては私の出身であるコマツにいたるまで、自社内の利潤を第一に考え、社会にどのように貢献するかということを二の次に考えているようである。
これらの会社は企業の社会的責任(CSR)、コンプライアンスを盛んに口にはするが、本音は利潤が第一であって、罪滅ぼしにCSRをやっています、といっているように見える。

CSRは手法ではない。小手先のCSRをやっても、個々の社員の倫理観が変わっていなければ機能しない。
しかし、大企業の中にいると組織内の理論が優先され、中々それが分からないんでしょうね。

ISO9001 5.1項は、トップマネジメントに対して、法規制の遵守(コンプライアンス)や顧客価値を創造していくことの重要さを組織内のひとりひとりの社員にまで徹底していくことを要求している。

この項は、組織のあり方までさかのぼる重要な意味を含んでいますね。

|

« 顧客満足度日本一「ホンダクリオ新神奈川」を読んで | トップページ | アクションラーニング »

i ISO裏話:ISO9001 」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「経営者の責任」について:

« 顧客満足度日本一「ホンダクリオ新神奈川」を読んで | トップページ | アクションラーニング »