影響を及ぼすことができる環境側面
ISO14001:2004年改訂で 4.3環境側面の条項「組織が影響が及ぼすことができる環境側面を特定する」という表現になった。
このことを、TC207国内環境システム小委員会では、「間接的な環境側面への対応の徹底」という言い方をしている。
「影響を及ぼすことができる環境側面」と「間接的な環境側面」とは同じなのだろうか。
例を挙げて検討すると
「事業所で電気を使う」→「発電所で発電する」→「CO2を排出する」
これは、地球環境への間接的影響である。
では、
「事業所で省エネ活動を行う」→「発電量が落ちる」→「CO2の排出量が削減される」
これは、間接的に影響を及ぼすことができる環境側面である。
ということは、「組織が影響を及ぼすことができる環境側面」とは「組織が間接的に環境への悪影響を改善していく環境側面」ともいえるのではないか。
そのような側面がどこにあるかというと、主として組織が購入する物品や材料、顧客に提供する製品やサービスの中に間接的に影響を及ぼす側面として存在する。
(下図参照)

(サプライチェーンの部分を拡大)
これは、即ち、従来の紙・ゴミ・電気にプラスして、本業の中で環境改善を行っていくということである。
そのようなものには、どんなことがあるだろうか。
頭の整理のため、その例を以下に書き上げてみる。
■製造業・建設業
・環境適合設計
・グリーン購買
・製品歩留まりの向上(これはプラス影響の側面であるが、直接管理できる側面かな?)
・環境配慮型製品の販売
■住宅/不動産
・省エネ住宅の販売
・バイオマスの木質ペレットやバイオガス、風力などで発電したエネルギー供給
・国内の林業が産出した再生可能な木材や、集成材を積極的に採用
■ホテル・旅行
・エコツアー
・「環境移住」「環境留学」
■運輸
・エネルギーのグリーン化
ディーゼルからLPG(液化石油ガス)、CNG(圧縮天然ガス)への転換
バイオディーゼルや、微生物分解によるバイオガスの導入
・モーダルシフト
長距離は、鉄道や船など、集荷とか配達部分は、トラックで行う
■印刷・コンテンツ
・製品に再生紙と大豆系インク(有害化学物質を含まないインク)を使う。
・インターネットによる情報提供(紙を使わない)
■銀行
・環境によい事業や製品、サービスへのファイナンス機能を、積極的に高めていく
■商社/流通
・環境によい製品やサービスを積極的に取り扱い、その分野の売り上げシェアを増やす
■地方自治体
・政策の中に環境を織り込む
事業内容を地域特質に応じた環境活動
環境貢献を用いた町の活性化
地域住民の参加
といったことでしょうか。
2/10追記
業務サイト資料データベースN03-18に、日経エコロジー3月号に掲載された 松下電器の「間接影響評価・登録表」を活用した有益な環境側面を抽出する事例 を収録しています。
<追記>
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コメント
プラスの環境側面と間接影響が、ごっちゃになってるんでないかい?
投稿: | 2005.08.09 22:25
ご指摘ありがとうございます。
「間接影響」の中には、「プラスの影響を及ぼす環境側面」と「マイナスの影響を及ぼす環境側面」があります。
例えば、「製品に鉛半田を使用する」はマイナスの影響を及ぼす環境側面で、「製品に鉛フリー半田を使用する」はプラスの影響を及ぼす環境側面となります。
しかし、私たちがEMSを構築する目的は、結果として環境パフォーマンスを改善することですから、組織が影響を及ぼす環境側面を特定するときに、マイナスの間接影響を及ぼすような環境側面を取り上げ、実施していくということは対象外であって、プラスの環境影響を及ぼす環境側面を取り上げ実施していくと考えるのが適切ではないか、というのが私の考えです。
投稿: がまがえる | 2005.08.11 07:59