IRCA日本フォーラムに参加しました。
5月8日(土)金沢市文化ホールで第1回のIRCA日本フォーラムが開催され、出席してきました。
参加者はIRCA登録のISO審査員約200名、主催者(IRCA日本オフィス)の発表では、申し込み多数で先着順200名に絞ったとのことでした。
目玉は、ナイジェル・クロフト博士を始めとする英国本部からの情報提供で、いかに付加価値のある審査を行うかという点にあった。
ISO9001の規格は2000年に品質保証の規格から、マネジメントのしくみの規格に変わったが、世界的に見て、どこの国でも審査員は品質管理の専門家であっても、マネジメントの経験のない人が大多数。
マネジメントの経験がないため、規格に書いてあることしか審査しない(できない)審査員が殆どで、顧客(受審側)に付加価値を与えられないのが現状のようです。
このままでは顧客が逃げてしまうのではないかという危機感をIRCAを始めとする業界関係者がもっていることを審査員に伝えたかったようです。
どうしたらよいかという点について、パネルディスカッションが行われたが
・審査の中に不確かさという概念を取り入れ、不確かさとそのリスク見つけてあげることにより付加価値を与えられる。
・審査員は適合・不適合という観点から審査をしているが、適合の中で、更にどうしたらよくなるかという点を見つけてあげることが必要である。
・そのためには、受審企業の領域に対する専門的な知識が必要である。
といった幾つかの意見がでた。
面白かったのは、審査員がまじめにそのような議論をしている中で、受審企業の管理責任者が参加していて
・自分は10年位前から審査をしてもらっているが、審査員から付加価値を感じたことなどない。製品のことをよく知らない審査員が、余分なことを提案してくれるのは間違いのもと、迷惑である。
と発言されたときです。 一瞬参加者は、理想と現実のギャップがいかに深いかを認識した。
私は、実は、これが今日の本当の結論ではないか思いました。
会場風景⇒
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